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鞄屋の娘
【光文社文庫】
前川麻子
定価480円(税込)
2006年1月
ISBN-4334739997
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★★
最近家族について考えることが多かったからか、この物語は心の中にとても残りました。
人とのつながりって色々な形がある。
他人同士がたとえ一時であっても一つ屋根の下で暮らすことがあれば、そこに何らかの形が生まれる。
決してそれが家族であるとは言えないのだけれども。
家族って素晴らしい!なんて一括りに誉めそやすつもりなんてないけれど、自分の身の置き所がなくなってしまったときにいつでも再確認できる場所、その最終地点ではないかと私は思っています。
自分がゼロになる場所。だからこそどんなマイナスを抱えてももう一度立ち上がっていけるような気がしています。
両親のこと、自分のことをとても希薄にしか考えることのできない主人公が、ひとつひとつを積み上げていって家庭、というものを考える。
自分の身の置き所がいったいどこなのかまるでわからず、行き当たりばったりに流されていくのですが、それでいて本流から外れることもなくバラバラになっていたパズルを組み立てるように自分を作りあげていく。
ドライなようでどこか暖かさのある。魅力的な一編です。
松井 ゆかり
評価:★★★
前川さんがネクター(古い?)だとしたら、自分は出がらしの玄米茶。女性としての濃度(何の濃さか)を飲み物に例えてみた。
「ファミリーレストラン」「すきもの」と読んできて、「この人はどうも自分とは別の次元の人のようだ」と思い少々身構えていたが、この「鞄屋の娘」は思いの外ぐっとくるものがあった。
前川さんの描く男女関係のなんだかんだについてはやや息苦しさを感じるのだが、家族について描かれた部分はいいなと思う。例えば、主人公麻子(言うまでもなく作者自身がモデルだろう)が入籍を決意する場面。籍を入れないままの麻子と濱田の間に生まれた(もしかしたら別の男の子どもかもしれない)息子帆太郎が小学校に入学するにあたって、戸籍の問題が生じる。自らも婚外子として生まれた麻子は父親の姓「前原」に執着があったが、濱田の妻そして帆太郎の母としての人生を選択した。別姓云々ということともまた別の次元の話だが(そして私は別姓に反対ではないが)、麻子の決意はとても潔いものに映った。
西谷 昌子
評価:★★★★
細かく描写しているのに、説明を読んでいるような不思議な文章。筆者が脚本を書いていたことと関係あるのだろう。主人公、麻子は自らの父が放蕩な人間であったことが災いし、うまく家庭をつくれなくなっていく。だが父から受け継いだ鞄作りの才能や、父の苗字にこだわってしまう。父を愛しながら家庭を信じられなかった女性が、迷走しながら終に幸せを掴むまでの長い道のりは胸にずしんと来る。終盤、おなじく家庭をつくれなかった友人が狂ってしまうくだりが凄い。しかし、文章があっさりしすぎているせいでどうしてもドライな印象を受けてしまうのが残念。読めば乾いた話でないことはわかるのだが、心情描写が荒いせいで共感しにくい。台本を読んでいる感覚に近かった。
島村 真理
評価:★★★
幸せから縁遠かった麻子の孤独な半生がじわりと迫ってきてせつない。
鞄をつくる職人だった父は自分達を捨てて出て行く。父のミシンの音へ憧憬をもっていた彼女は、やがて同じように鞄を作りはじめる。複雑な家庭環境、破綻した母親との暮し、シングルマザーと不安定な道を歩んできた麻子はどこかで諦観している。信頼や安心を求めず、それ以前にあることも知らないのでは?というのが悲しかった。さらりとした文章で書かれているけれど、一歩間違えばのぎりぎり線上の緊張感がある。そういう描写が鮮明で印象深かった。
異母兄とのからみが少なくて中途半端でとても残念でした。掌に“て”の字がある手相が同じで……と面白そうだったので。
浅谷 佳秀
評価:★★★★
鞄職人前原宏司の非嫡出の娘、麻子の生き方を描いたこの小説は、女優でもある作者の自伝的な要素を多く含む作品らしい。
鞄作りに情熱を注ぎつつも、愛人と二人の妻とを渡り歩いて死んだ父親。父に捨てられたのち、惰性のような人生を送った母親。気がつくと麻子もまた父親のように一人ミシンに向かい、鞄を作る。彼女は二人の男と同時に関係を持ち妊娠するが、どちらが父親なのか定かでない。二人の男のうち、濱田が父親と夫の役割を引き受けるが、麻子は濱田と籍を入れることを考えもしない。宿命のように自分の性に翻弄されながらも、麻子はありのままに、逞しく生きてゆく。
物語はどこかあっけらかんとした筆で書き綴られてゆく。重たく澱みそうなストーリーなのにそうはならない。いくらでも長くなりそうなところを、どんどんカットしながら、話はすいすい前に進んでいく。それでいて不思議と心にしみてくる語り口だ。メタ小説的な仕掛けには意表をつかれたが、そういう作意は不要だったかもしれない。
荒木 一人
評価:★★
父と娘の愛情溢れる自伝的要素の強い作品。少し、読みにくい。作者の思い入れは十分伝わってくるが…文体が上手いとは言い難く、人間の代名詞の入れ替えが不必要に多かったり、三人称で書かれているのに、突然独白の様になったり、工夫し損ねている感じを受ける。著者は、元映画女優、現在は演劇も主幹している。
ふたつの家族を持ち、他にも女がいる、女性に大してだらしない父・宏司。その宏司が麻子が中学卒業前に亡くなる。突然逃げる母・和子。父の火葬場で、腹違いの兄・太郎と初めて話す。やがて宏司と同じ鞄作りを始める。ラストは少し切ないかも。
著者(麻子)と主人公の麻子を巧妙に差し替えようとしているのだが、所々感情移入し過ぎている様に感じる。人は孤独だと淋しい、大勢だと煩い、身勝手なモノである。人生とは何であるのか?
家族に恵まれなかった故に愛情が豊かになるのかも知れない。
水野 裕明
評価:★
小説新潮長篇新人賞受賞作となっているが、200ページほどの量で最近のエンタテイメント小説の原稿枚数の多さから比べると、これは長篇というより中編と呼ぶべき物かもしれない。その少ない枚数の中に、鞄製作者の婚外子として生まれた女性の少女時代から母となり子どもを育てる数十年が描き込まれているわけで、密度の濃い一代記でもなく、物語性に富んだ女性の半生でもない、なんか中途半端な作品。主人公麻子の描き方も、前半ではフワフワとしててごたえもない人物のようなのに、後半では「持ち物や服装が勲章のように人の経歴を語るのだと信じていたのに、今は持ち物によって人の本質が隠されるように思えて怖くなっていた。」とか、「物を通して知ることができるんよ物語みたいなものがねぁ」とか、唐突に職人めいた語り口になって変化の違いに驚いてしまった。物語としての自然な流れや納得できるストーリーの展開というのが必要だと思うのだが、この作品ではシーンが変わるごとに違う女性が登場しているようで、そのギャップが読みづらくしているように感じた。
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