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小春日和
【集英社文庫】
野中柊 (著)
定価540円(税込)
ISBN-4087460266
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★
時代背景は、みんながザ・ピーナツに夢中になってテレビにかじりついちゃうくらいのちょっぴり前のお話。
双子の小春と日和がタップダンスに出会う。
2人ともタップが好きでたまらなくって、一日中踊っちゃうのがとってもかわいい。
双子って昔から不思議だった。いつも一緒だったり、いつも同じ服だったり。
自分が2人いるのって嫌だな、とか思う事ないのかな。なんて思ってた。
外見は同じでも中身はやっぱり違うんだな。ここに登場する2人もちょっとずつ成長していくにしたがって、それぞれの思いや考えが芽生えてきます。
それにしてもかわいい女の子二人を一編に子供に持っちゃったらお父さんはやきもきしちゃうよね。
芸能界に入りたいなんてトンデモナイ!って思うのは無理ないかもねえ。
外国映画を観にいくシーン、とっても好きでした。初めてアニメ以外の映画を観にいった日を想い出しちゃった。
ほのぼのしていて、すごくかわいらしい。素敵なお話です。
松井 ゆかり
評価:★★★
かわいらしい物語だと思う。が、野中柊が書くにはもったいないという気がしないでもない。
私は野中さんの小説の熱心な読者だったわけではないので、あくまでも著作の一部についてだけれども、彼女が書く一見甘そうな話はごく薄いオブラートにくるまれた薬のようなものだった気がする。うまく飲まないと舌に苦みが広がってしまうような。
もちろん、小春と日和と名付けられた双子の姉妹を描いたこの作品にも諍いは存在する。小春と日和の間に、あるいは彼女らの両親の間に。しかし、それらは決定的な亀裂には(少なくとも私には)感じられない。タップダンスが大好きで、一時はアイドルになりかけたふたりが結局普通の人に戻ってしまう、それが苦みと言えるのかもしれないが。
西谷 昌子
評価:★★★★
ふたごの女の子が歌いながら、タップダンスを踊る。ケチャケチャ、トマトマ、タップタップ、と歌いながら踊る彼女たちの姿は想像するだけでいとおしい。ふたごの片割れによる一人称で書かれているが、子供らしさを存分に発揮した文体がまた可愛らしい。芸能界デビューするかしないかで両親の仲が険悪になる、といった不穏な出来事も、ふたごがあまりにあっけらかんとしているので、ほほえましい気持ちのまま読み進めることができるのだ。小春が明るく強気で、語り手の日和が比較的内省的という役割分担が物語を進めていく様子が楽しい。おとなたちもそれぞれの魅力にあふれている。特にタップダンスの桜井先生の、厳しい半面芸術的感性にあふれた様子が子供の目から見てどれほど魅力的かがよくわかる。ふわりと暖かい気持ちにさせてくれる小説だ。
島村 真理
評価:★★★★
小春・日和という名前を持つふたごの姉妹。お母さんのお腹に新しい弟(妹?)が宿って、いつもの生活がちょっと変わっていきます。しかし、タップダンスにのめりこんだり、ケチャップのCMに出たり、お祖母ちゃんのボーイフレンドの家で遊んだりといつも二人で楽しそう。何をするにも一緒で、仲の良いというより一緒にいるのが自然なふたごちゃんなのです。
私も彼女達と同じふたごなので、彼らのふたごぶりはよく書けているなと思う。小さな頃は、彼女達のようにいつもいっしょでした。自分たちのことを特別と思っていたわけではないけれど、人から特別注目されているという感覚はあった。楽しい事があると二倍興奮するし、寄ると触るとケンカする(小春・日和はそんなことはしないけど)、でもどこかでゆずりあってもいる。そういう気分を思い出しました。ちょっと昔の光景に、ゆったりと懐かしさに浸れる本です。
浅谷 佳秀
評価:★★
小春と日和という双子の姉妹が、映画好きの母親の勧めでタップダンスを習い始める。たちまちタップダンスにのめり込んだ二人は、発表会を見にきていたCMプランナーの目に留まり、CMに出ることに。CMは反響を呼び、二人の世界は思わぬ方向へと広がっていくが、娘を芸能界に入れたくない父と、娘たちの可能性を信じたい母親との間に葛藤が生じる。二人の姉妹は揺れ動きながら、自分たちの未来を見つめる。
NHKの朝の連続テレビ小説みたいな話だ。二人の姉妹の描写がとても生き生きとしていたし、ダンスの「桜井先生」や、「長老」というあだ名をもつ吉田くんのキャラもいい。なのに、これからいよいよ面白くなる、というところで話が急にフェィド・アウトしてしまう終わり方には面食らった。料理の、最後に残しておいた一番美味しいところを、さあ、食べるぞ、と箸を伸ばした瞬間に、さっとお皿を下げられてしまったみたいな気分だ。中途半端に期待を持たされた分、肩透かし感が強い。クライマックスはちゃんと盛り上げてくれなきゃ。
荒木 一人
評価:★
★
ふうぅ〜わり。ほのぼの回想録仕立ての一冊。ノスタルジック・ストーリー。徐々に音が小さくなり、消えるような終わり方。印象が薄くモヤッとしたままの読後感。
三月生の双子姉妹。逗子海岸から歩いて三分程の所、母方の祖母の家で暮らしていた。脳天気な父に、姉は小春・妹は日和と名付けられる。映画好きの母の影響で習い始めたタップダンス。突然舞い込んできた、二人への出演依頼。トマトケチャップのCMが大ヒットしたのをきっかけに、閑かな家庭が狂想曲を奏で出す。
全体的に心理描写が甘く、のめり込み難い部分もある。双子の歌手、ザ・ピーナッツの「可愛い花」の歌詞をはさむ所は、それなりに面白く、微笑ましい。少女が子供から大人へ、成長する時の、心の揺れが読み手にしみじみ伝わる。
水野 裕明
評価:★★★★
70年代、小学生の双子の女の子がタップダンスを習いだして、その発表会での可愛さがCMプロデューサーの目に留まって、テレビコマーシャルに出るようになる。そしてテレビタレントへの誘いもくる…。そんな騒動の中で、家族と双子の成長が逗子という海辺の街を舞台に描かれている、なんともノスタルジー溢れる物語。そうそう私たちにもこんな時代があったよなぁと思わせる、ホームドラマのような作品である。でも、単に懐かしいだけではなく、あの時代が持っていてしかも、今や希薄となってしまった家族の暖かさとか、親密な人間関係とかが現代の目で見直されている。今月の課題図書「いらっしゃいませ」と同じような時代設定で、ただただ懐かしさにかられて、あっという間に読了してしまった。