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イノセント(上下)
【ランダムハウス講談社文庫】
ハーラン・コーベン (著)
定価819円(税込)
ISBN-427010029X
ISBN-4270100303
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久々湊 恵美
評価:★★★
事件の真相はどこにあるのか。気になって上下刊一気に読みました。なんとも切ない!
殺人事件を起こした主人公マットが、ようやく刑期を終え、美しい妻を娶って新たな一歩を踏み出そうとしていたのに…。
ある日、出張先の妻オリヴィアから浮気をしている写真が送られてくる。そこからマットの災難ともいえる事件が次々と始まり、複雑に絡んだ事件の全貌が明らかになっていく。
いったん、殺人、という罪を犯してしまうと色眼鏡で見られてしまい、結局は無実の罪にも問われ追われるのがなんともやりきれない。
たとえ過失とはいえ、殺人事件を犯せばずっと、過去はつきまとうものなのです。
同じように暗い過去を背負った妻オリヴィアも、事件に関与していくうちに全てを明るみにしなければならなくなってくる。
その葛藤がとても苦しく迫ってきます。
全編を通して印象的だったのは、オリヴィアをどこまでも信用して、愛そうとするマットの姿。
どんな過ちがあっても乗り越えていけるって気持ち、貰いました。
松井 ゆかり
評価:★★★
講談社ランダムハウス文庫?あんまり聞いたことないけど、これって超訳みたいなもの?(まあ、山本やよいさんのお名前は翻訳ものでお見かけするけど)と思っていたらアンソニー賞・シェイマス賞・エドガー賞トリプル受賞作家(しかも初の)なのだそうだ。お見それしました。
携帯に送られて来たのは妻の浮気をほのめかす画像。しかもそれは妻の携帯から発信されていた…というつかみはなかなか。ただ、事件の真相(=大謎)が明らかになった後に、保留になっていたいくつかの不明点(=小謎)も解決されるのだが、そこらへんがちょっと散漫な感じ。小出しにし過ぎちゃったね。
キャラ萌え的な要素もあり、特に女性陣が魅力的(あまりにも美人揃いなのがやや気になるが)。本作ではやや活躍の場が少なかった女私立探偵シングル・シェイカーを主人公に1冊書いてもらえないだろうか。
島村 真理
評価:★★★
過失で人を殺した過去のあるマット。妻の携帯から送られてきた浮気現場の映像。次から次に降りかかるトラブル。幸せな生活から一転またもやマットは刑務所へ逆戻りなのか?!
最初から最後まで不可解さがぬぐえない。嵌められているような不愉快さと、妻の不貞の疑惑。息つく暇がない。やらなきゃいいのに主人公は事件解決に奔走する(でもその事故解決過程がたまらない)。故意ではないにしても、前科のせいで周囲の拒否反応もある。しかし、どうせならもっとマットへの疑惑を持つ者を増やしてほしかった。意外に理解者が多いんですもの。追いつめられ方が足りない!不条理な憤りが少なくて惜しい気が。
後半は驚くような展開が待っているんです。普通の生活がどれだけありがたいことか、夫婦は互いにいつまでも愛し合いたいものだということをじっくりと考えさせられました。
いろいろと書きましたが、はまるサスペンスであることは間違いありません。
浅谷 佳秀
評価:★★★★
主人公のマットは、過去に友人の喧嘩に巻き込まれ、仲裁をしようとした若者を偶発的に殺害して服役した過去を持っている。マットが「人殺し」のレッテルを貼られて苦しんでいる点、先月の課題図書である真保裕一の「繋がれた明日」に通じるものがある。過去の殺人への懊悩を抱くマットは、ある日、謎の電話によって、自分が唯一信じる妻オリヴィアが、自分に重大な隠し事をしていることを知る。
特筆すべきは、マットが、自分が殺害した若者の母親、ソーニャ・マグラスと交流を持つ点だ。マットとソーニャは、加害者と被害者遺族の立場を超えて互いに心を開き、悩みを打ち明けあうような関係を築く。ソーニャはマットに対し、自分の息子の死を乗り越えてほしいと願いさえする。だから、ラスト近くで、マットがソーニャの夫であるマグラス氏と対峙するシーンには苦い失望感を抱かずにはいられなかった。自分と家族を守るために相手を叩き潰すことを厭わないアメリカ的なメンタリティが、結局は顔を覗かせるわけだ。
荒木 一人
評価:★★★★
上・下巻、二冊なので、ボリュームが有るのかと思いきや、登場人物の台詞が多く、軽く読める。アンソニー賞、シェイマス賞、エドガー賞の初のトリプル受賞作家。(中でもファン投票で決めるアンソニー賞受賞で一躍脚光を浴びた。)
マット・ハンターは、二十歳の大学時代に不運と不幸の双子により、正当防衛とはいえ、人を殺してしまう。判決は、四年の過酷な刑務所暮らし。兄バーニーの導きにより、法律事務所でパラリーガルとして平凡だがまっとうな生活を手に入れていた。最愛の女性と結婚し、幸せな生活がずっと続くと思っていた。携帯電話に送られてきた妻からの画像。再び、マットの運命を悪魔が弄ぶ。
上巻は、リアリティが有りすぎて恐いくらい。誰にでも起こりそうな出来事。そう、そこのあなたにも! 下巻の最後の方は……ちょっと遣りすぎ。(私的には結構好きなのだが) 伊達に三賞獲ってないです。プロットの上手さと、スピード感は抜群。読後感は、幸せってこんな感じかなぁ。
水野 裕明
評価:★★★★
「前科者のレッテルがふたたび彼を苦しめる」という帯の文章から、この作品もまた、先月の課題図書である「繋がれた明日」と同じで、前科のある人間の更生を妨げる社会のしがらみを描いたものかと思って読み始めたが、案に相違して、登場人物のほとんどが隠された過去を持つ、二転三転するストーリーを追って次々とページを繰ってしまうサスペンススリラーであった。誤って人を殺してしまったマットの過去、マットの妻の不倫、シスター殺しを追う女刑事、そして殺されたストリッパー……。一見何の繋がりもなさそうな4つの事件はページを追うごとにその繋がりが明らかになっていき、しかもそれぞれの隠された過去もわかってくる。大きく広げた話がどんどんと1点に収束していく手際の見事さは何とも言えず、サスペンススリラーの醍醐味を十分楽しめる。さらに、誤って人を殺してしまった加害者サイドだけでなく、被害者サイドからの怒りや悲しみも描かれていて、多面的な視点がちょっと新鮮だった。