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配達あかずきん
大崎梢 (著)
【東京創元社】
定価1575円(税込)
2006年5月
ISBN-4488017266
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★★★
最近引っ越しました。前日に立ち寄ったのは本屋さん。店内を一周して、中腰で本を並べていた店員さんにお礼を言いました。「引越するのですが、こちらのお店に置いていらっしゃる本が大好きでした。面積の大きい本屋さんと違い、吟味して揃えてある本とマンガがスゴかったです。ありがとうございました。」店員さんは途中で立ち上がり背筋を伸ばして反対にお礼を言ってくれました。「これからも頑張って揃えます。」
自分が変な人に見えないか心配だったけど、お礼を言って良かったんだと巻末の書店員さんの座談会を読んで一安心。ミステリとしては軽めのテイストだが、心地よい場所に着地する物語。それは「つながり」が描かれているから。作者と読者というつながりの他に売る人(本屋さん)という「オススメする人」が存在する。一冊の中にこめられたメッセージを仲立ちしてくれる人がいる。それが本の魅力。
読後感:全ての書店員さんに「ありがとう」
島田 美里
評価:★★★★
本屋さんの仕事ってこんなに奥が深かったんだ!
今思えば、昔、アルバイトしていた本屋でもっと働いてみればよかったなと、ちょっと後悔。
文学に造詣が深い杏子も、推理能力に優れている多絵も、ただ本を売っているのではなく、お客さんの幸せのために本の知識を生かしているところが素敵。6編の短編の中で気に入ったのは、寝たきりのお年寄りが、人を介して本を所望する「パンダは囁く」と、本選びのお手伝いを通して、ある男女の心が通い合う「六冊目のメッセージ」。「六冊目……」のような方法で、本を、メッセージを伝えるアイテムとして使ってみたい。電子メールを送る代わりに伝書鳩を飛ばしたみたいな気持ちになるんだろうか。ああ、牧歌的だ。
頼られる本屋さんになるには、創造力と、コーディネート力が必要なんだろうな。ふと、ホームドクターという言葉が思い浮かんだ。お医者さんが健康面の安心を与えてくれるように、きっと本屋さんは人生に潤いを与えてくれる。無性に、いきつけの本屋さんを見つけたくなってきた。
松本 かおり
評価:★★★
本書で私が最も楽しみ、感心したのは、著者には非常に申し訳ないけれども、巻末の「書店のことは書店人に聞け」なる座談会編だ。これは面白い。実在の書店員さん4名が書店の裏話をあれこれ聞かせてくれるのだから、書店好きにはたまらない。客からの珍妙な問い合わせ(特に鶴岡氏のコメントには爆笑)、客に求めたい「立ち読み作法」(これは書店利用客全員が肝に銘じるべきであろう)、版元・取次さんとの付き合い(役得エピソードもあって羨ましい……)などなど、書店員さんの本音が新鮮だ。しかも、言葉の端々に本への深い愛情が感じられる。こんな書店員さんたちと出会える客は、幸せだ。
収録5編のなかでは、冒頭の「パンダは囁く」が印象に残った。コトの顛末はともかく、もにゃもにゃの文字の羅列を特定の本に結びつけさせる、そのネタが粋だ。著者は元書店員さんとか。目の付けどころが、いかにもその道を熟知しているひとだなぁ、と思わせる。
佐久間 素子
評価:★★★
ささやかだけれど不思議な謎があり、明快な謎解きがあるという、スタンダードな「日常の謎」系ミステリ。ここでの、「日常」は「本屋の日常」であるというのがポイントで、そういえば、古本屋ミステリは思いついても、本屋ミステリは聞いた覚えがない。舞台にするなら、古本屋の方がロマンがある(ような気がする)ものね。普段、本を読みつけない人も多数出入りする本屋は、それは散文的だろう。でも、本書の魅力は、面倒な接客もこなしつつ、この仕事が好きだからのリアルも忘れない、書店員の魂に宿っている。決して本マニアではないが、優秀な職業人である登場人物たちも好感度高し。
評価の対象となるべきは表題作だろうが、個人的には『六冊目のメッセージ』がお気に入り。甘いといわれようが何といわれようが、本でつながるボーイミーツガールを夢想しない(元)文学少女なんてにせものでしょ。その他、本屋でパンダといったら、という自明の回答を、無理矢理発展させていく『パンダは囁く』も捨てがたいなあ。
延命 ゆり子
評価:★★★★
書店員の杏子とアルバイト店員多絵のコンビがご近所さんの謎を解決してゆく。書店員の仕事の裏側を描いているのも興味深いし、最後には書店員の座談会までついていて、なんだか本の雑誌みたいだよ。小説をよく読む人なら書店に対してひとかたならぬ愛情を抱いているわけで。これは誰が読んでも非常に面白い小説なのではないだろうか。
お客さんが言う少しのヒントだけで、探している本を言い当てる……。そんな書店員の醍醐味を味合わせてくれるのが楽しい。例えば、「工場で働いていて、女の子ばかりで悲惨な話」とか、「昔の政治家で本にもなっていて最近テレビで良く取り上げられている人」とか。良く考えれば出てきそうで、色々と考えてしまう。そんな楽しい導入部もありながら、本題は本に関係したミステリ。本を探すお手伝いのはずが、思わぬ恋愛ドラマが生まれたり、犯罪を暴く糸口になったり。第二弾が楽しみな本格書店ミステリでした。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
暗号のような探求本リストは何を示すのか? 『あさきゆめみし』購入後に消息を絶った常連客の行方は? 配達したばかりの雑誌になぜ盗撮写真が? 書店員じゃない書店員のオススメ作品とは? 力作ディスプレイを壊した犯人は? ……駅ビルにある書店・成風堂で起こる不思議な事件の謎に、ベテラン書店員・杏子とアルバイト店員・多絵が挑む!
正直、一番はじめに収録されてる「パンダは囁く」はちょっとそれはムリじゃないかと思ったものの、それ以降はだんだんのめり込んでしまった。ムリはないし好感度が高いもの! 主人公をはじめとする登場人物たちのくったくのない柔らかな視点。そして何よりも<本>への愛情の詰まったエピソード。本屋に日参してるわたしに共感するなってほうが無理な話ですよ。
書店員さんとか書店でバイトしてた人とかにとってはめちゃめちゃ楽しめるんじゃないかと思う。本と本屋へのリアリティと愛情に満ちあふれていて。書店で働いたことはないけど、リアル書店をこよなく愛するわたしのような人も楽しめるはず。
細野 淳
評価:★★★★
仕事で書店員の方々とはよく関わっているのだけれども、実際の細かい作業までは、こちらも把握できていないことが多い。そんな意味でこの本は、書店員が日々どんな仕事をしているのかを知るための、格好の材料。朝早くからの雑誌の品出しに始まり、配達、レジ打ち、発注・返品作業などの業務の実態……。そんな業務に追われる忙しい合間を縫って、出版社の営業マンと話す時間を作ってくれているのですね。
そんな書店員が巻き込まれる、事件の数々。気に入った作品は、YONDA君がマスコットの新潮文庫が事件解決に重要な役割を果たす、「パンダは囁く」。何冊も持っている新潮文庫。けれども、謎を解くカギとなるのは、多分普段は誰も気にとめないような事柄だ。文庫って、こんな使い方もできたりするのだなー、などと思わず感心してしまう。
書店って、不特定多数の人が来るから、色々な事件や事故があってもおかしくない気する。ミステリーの舞台としては、結構いい場所なのではないのだろうか?