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1月10日(日)

 Mさん一家とともに、車で一時間ほどのところにある公園へ、凧揚げとフィールドアスレチックをやりにいく。
 子供向けのアスレチックだから、大人から見れば楽勝感が漂っており、いいかこうやるんだ見てろ、と言ったのは、まあだいたい十年ぐらい前の私の残像で、実際にやってみたのは現在の私で、で結局どうやればいいの? と最後に言ったのが私の息子である。
 ほら見ろ、あのお兄ちゃんがやってるだろ、あんなふうにやればいいんだ。

1月11日(月)

 子供を見ていて不思議に思うことがある。私は小学4年以前の記憶がほとんどない。その記憶の不明瞭さは、人類の歴史における縄文時代並みのわからなさで、当時の人間(私)が何考えてたのかさっぱり不明である。たぶん自意識のない動物のようなものだったのだろう。
 そう思って息子を見ると、動物にしては、話す内容も、内容のくだらなさは別にして、明快であり、まったく記憶に残らないにしては、とても具体的な会話を交わしている。大人になれば、現在のさまざまな出来事は大方忘れてしまうはずだが、これだけ自覚的に喋っていながら、その記憶がほぼ全部なくなるということが信じられない。その忘却力のすごさたるや老人以上ではないか。この明快に会話している主体は、いったいどこへ行ってしまうのか。
 去年も参加したスットコ市民フットサル大会の応援。

1月12日(火)

 いかにも寒々しいみぞれが降り、午後には冷たい雪にかわって、すべてが嫌に。

1月13日(水)

 風騒ぐ。
 強い風のせいで、雪だった昨日より、晴れている今日のほうが寒い。手袋をして仕事場に出かけた。
 牧場の牛や羊も、吹きさらしでさぞ寒さに凍えているだろうと思えば、とくにそういう感じはなく、レンジでチンした餅のように地面に型崩れしたまま黙々と草を食んでいた。
 冬の青空は、牧歌的で幸せだ。気候的にはたいして変わらないのだろうが、年末の空より、正月明けの空のほうが、明るくて希望に満ちた感じがする。今年は「ゆく年くる年」を見なかったおかげで、年が切り替わった実感が乏しかったのだが、しみじみ空を眺めていると、ああ、これはたしかに年末じゃなくて正月の空だという、そんな味わいが感じられた。
 仕事場に行って、四国を書く。

1月14日(木)

勝間さん、努力で幸せになれますか
『勝間さん、努力で幸せになれますか』
勝間 和代,香山 リカ
朝日新聞出版
1,050円(税込)
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 突然、長く連絡を絶っていたかつての会社員時代の同僚I君から、機内誌を見ましたよと電話があり、久々に飲みに行った(といっても私はウーロン茶)。新大久保の韓国料理屋で鍋を食べたのである。
 それで今度、3週間ぐらい韓国旅行に行きませんかと突然言われる。
 I君は、数年前まで韓国に留学していて、韓国びいきなのである。あまりに唐突だが、魅力的な提案だ。私も韓国は一度じっくり旅行してみたいと思っていた。I君が一緒なら、通訳もいらず、とても楽チンそうであり、なおかつ私個人では行けない場所に行けるかもしれないのであって、ぜひ実現させたい。
 ただ、つい考えてしまうのは、それも原稿書いて本にできないかということで、そういうところが自分の面倒くさいところである。
 
 新宿に出たついでに買った本。
 トニー・ロビンソン『最悪の仕事の歴史』(原書房)
 ジャイルズ・ミルトン『奴隷になったイギリス人の物語』(アスペクト)
 川村博忠『江戸幕府の日本地図』(歴史文化ライブラリー)
 ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』(岩波文庫)
 トルストイ『戦争と平和(1)』(新潮文庫)
 勝間和代、香山リカ『勝間さん、努力で幸せになれますか』(朝日新聞出版)
 
 勝間、香山対談は、帰りの電車で一気に読んでしまった。どこまでも堂々巡りで、話の階層が噛み合っていない感じがした。

1月15日(金)

 最近、このスットコランド日記が陰気である。というようなご意見を、数人からいただく。自分でもそう思う。理由は単純だ。
 今、私が滅法陰気だからである。
 夕方になると足が熱くて陰気になり、昼間は体力の衰えが身に染みて陰気になり、朝は家が寒くて陰気になっている。日々陰々滅々として、私が世界の気温を冷やしているんじゃないかと思うぐらいだ。毎日立つ霜柱も私のせいかもしれない。このまま地球温暖化防止に役立てればと思う。
 陰気になっているせいで、好奇心も磨耗している。これが一番よくない。
 アレがやりたい、これがやりたい、こうなりたい、こうしたい、といった類の欲望が矮小化し、熱い風呂に入ってじっとしていたい、家でボーッとDVDでも観ていたい、子供を膝に抱っこしていたい、などといった室内充足型の半ひきこもり人間になってきた。
 大きな目標を掲げて、よし、明日からこれをやるぞ! という展開は、現在の私にはほとんど期待できない。そんなことができるぐらいなら、もっと溌剌とした日記を書いているだろう。
 これまでならば、こんなことではいかん、こういうときは有酸素運動だと、ジョギングしたりしていた私だけれど、ジョギングはほとほと趣味じゃないことが判明した。他にやりたいスポーツもとくにない。陰気きわまりない私である。
 では、どうすればいいか。
 すると、妻が言うのだ。
 外出したら? 
 おお、外出!
 まさに外出が欠けていたではないか。このところの私は必要最小限の外出しかしていない。仕事か、買い物か、子供の付き添い程度である。それがいけなかったのかもしれん。そうではなくて、意味もなく外出しなければ私は呼吸できなくなる構造なのだ。なにしろ外出作家だからな。
 ということで、妻のお墨付きも得たので、今後意味もなく外出することにする。

1月16日(土)

 娘を連れて自転車で、サインクリングに出かけた。
 娘はまだそんなに遠出はできないが、ピカピカタウンに出て西へ進み、ウンボコ川の上流に出て、川沿いに走って戻る。
 それだけでは物足りないので、壊れたパソコンを修理に出しに行き、さらに絵本も借りに行ったりして、少しでも外出した。
 その程度の外出で何が変わるわけでもないが、できるだけ回遊することが大事である。
 四国遍路も暖かくなってからにしようと思っていたが、さっさと行くことにしたい。
 
 ※というわけで、次回更新は遅れます。あしからず、ご了承ください。
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