アウトプットのスピードを劇的にアップさせる「プライベート・ライティング」

IDEA HACKS!2.0
『IDEA HACKS!2.0』
小山 龍介,原尻 淳一
東洋経済新報社
1,620円(税込)
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 2005年頃から日本でも使われるようになった「ライフハック」という言葉。これは、効率よく仕事をこなし、高い生産性を上げるための工夫のこと。ライフ、すなわち人生をより豊かにするための解決法のことです。

 事業や商品開発のコンサルティング会社を運営する、原尻淳一、小山龍介の両氏は、最新刊『IDEA HACKS!2.0』の中で、知的生産性を飛躍的にアップさせる具体的な方法をいくつも紹介しています。そのなかで、アイデアを劇的なスピードでアウトプットする方法として「プライベート・ライティング」を掲げています。

 これは、とにかく思いついたことを書きだすというもの。たとえば、「おなかがすいたな」と思ったら、それが仕事と関係なくても、「おなかがすいたな」と書くのだそうです。そうやって、手と脳を直結させてアウトプットしていくと、「そのうち、頭で考えたことがそのまま手に伝わっていくような感覚になる」と小山氏。

 実際、小山氏はこの方法で本を書くスピードが30分500字程度だったのが、平均で30分1500字、最高で3000字近くまで行くようになったといいます。

 これは何も本を書くだけにとどまらず、企画書や報告書を書くときにも応用が利くとして、「プライベート・ライティング」を成功させるための6つの秘訣を書き記しています。

1.自分のくだらない考えや、下手な書き方を許容すること
2.手を止めずに書き続けること
3.時間を決めて取り組むこと
4.ウソのない率直な考えを引き出すこと
5.自分の思考を限界以上に発展させること
6.行き詰ったら、視点を変えてみること

 ただし、大原則として「自分の書いたものを他の誰にも見せないこと」。

 もし、人に見せようと思って書くと、どうしても文章をチェックしようとする気持ちが働き、アウトプットを疎外してしまうのだそうです。人に見せないプライベートな内容だからこその「プライベート・ライティング」。書き上げた内容は、後からいくらでもチェックすればいいのです。

 「脳で起こっていることをそのまま書きだすことによって、脳のパフォーマンスは最高まで高められます。それを、ロジックのチェックなどでスピードダウンしては、非常にもったいない。そうせずに、チェックのプロセスは後に回す。アイデアを出すときには、アウトプットだけに集中することが重要なのです」(小山氏)

 もし「本当かな?」と思われた方は、だまされたと思って実践してみてください。「想像以上の効果を実感できるはず」と小山氏は保証した上で、次のように宣言しているのですから。

 「これであなたもスティーブ・ジョブズになれる!」

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