少女から女性へ......、メイクを変えた浅田真央

浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく フィギュアスケートの裏側 (朝日新書)
『浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく フィギュアスケートの裏側 (朝日新書)』
生島 淳
朝日新聞出版
821円(税込)
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 フィギュアスケート世界選手権の代表選考会となる第80回全日本選手権が開催中。女子SPは本日行われ、先日、最愛の母を亡くした浅田真央が27番目に登場。また、前回3位の村上佳菜子は20番目に、今季グランプリ(GP)ファイナルで2 位となった鈴木明子が最終29番に登場します。

 2年ぶりの優勝を目指す浅田について、書籍『浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく』の著者、生島淳氏は、今年の11月に行われたNHK杯で、メイクが変わったといいます。

 2010~11年のシーズンまで、浅田のメイクの特徴は「眉」にありました。どんなプログラムを演じるにしても、丸みを帯びたアーチ型の愛らしい眉なのです。

 「実は浅田の顔こそ、日本人では美人の型の典型とされる『瓜実顔』そのもので、平安絵巻の中に浅田が紛れ込んだとしても、美しさを誇ったに違いない」(生島氏)

 生島氏が専門家に取材したところ、浅田の顔の特徴は、目と眉の間隔が日本人にしては広く、メイクで特徴が出にくい顔立ちだそうです。

 「多くの選手は、表現手段の一環としてメイクを変えるが、浅田は頑なと言ってもいいほどに、メイクで自己主張してこなかった。それが万人に愛される浅田の魅力のひとつでもあったのだが、ジャッジに対するプレゼンテーションとしては弱かったのではないだろうか」(生島氏)

 浅田は、どんなプログラムを演じたとしても浅田真央のままなのです。安藤美姫のように、演出のためにクレオパトラになるといった冒険はせず、浅田はあくまで自分のキャラクターで勝負してきました。

 そんな浅田が、NHK杯でメイクを変えて登場したのです。太めに眉を描き、目尻の側に向かってキュッと上がったストレートラインでした。眉にあわせてアイラインも並行にすることで、理知的な表現を顔に持たせたのです。

 たかが眉だけではありますが、眉は重要な表現手段のひとつ。少女から女性へ......、表現者としても成長する浅田のメイクにも注目です。

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