「また、会いたい」と思わせる人の共通点は「ラストインプレッション」にあった

世界一のメートル・ドテルだけが知っている、好感を持たれる60のコツ
『世界一のメートル・ドテルだけが知っている、好感を持たれる60のコツ』
宮崎 辰
マガジンハウス
1,404円(税込)
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 先日放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で話題となったのは、メートル・ドテルの宮崎辰氏です。

 メートル・ドテルとは、日本でいう給仕長のこと。フランスでは伝統的にシェフと同様の職業的認知を受けており、サービスのみならずレストランという空間全体の演出を任されているのです。その業務は幅広く、スタッフの統率だけでなく、お客さんがその場を楽しめるかのカギも、メートル・ドテルが握っています。つまり、技術や知識だけでなく、的確な判断力や高いコミュニケーション能力が求められる難しい職業だといえるのです。

 宮崎氏は、サービスの技量の世界一を決める、「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール東京大会で優勝。日本人で初めての「世界一のメートル・ドテル」となりました。

 そんな宮崎氏は、著書『世界一のメートル・ドテルだけが知っている、好感を持たれる60のコツ』で、「また、会いたい」と思わせる人の共通点を紹介しています。

 それは、「ラストインプレッション(最後の印象)がとてもいい人」。実際に宮崎氏が、先輩のメートル・ドテルや魅力的なお客さんと対峙した時に感じたものです。

 ビジネス書などでは、「ファーストインプレッション(最初の印象)」が重要だとよく言われています。しかし、宮崎さんは、それも重要ではあるが、コミュニケーションは「終わりよければすべてよし」と考えているようです。

 「ラストインプレッション」を良くするためのコツは、最初の印象から徐々に印象を良くするといったもの。そのため、必ずしもファーストインプレッションを良くする必要はないのです。問題なのは、ファーストインプレッションを良くしようとして、頑張りすぎてしまうこと。その頑張った結果が相手に伝われなければ、逆にマイナス印象を与えてしまうこともあります。

 「それならば、初対面のときは、相手のこちらに対する印象は平均点よりちょっと上なぐらいで十分。後は、相手の嗜好に合わせて、徐々に上げていけばいいのです」

 どうやら肩の力を抜いて、相手の嗜好に合わせながら、フレキシブルに会話に対応することが、良い印象を残すためのコツであるようです。

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