大泉洋 「水曜どうでしょう」を初めて振り返る

大泉エッセイ  ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)
『大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)』
大泉洋
KADOKAWA/メディアファクトリー
1,404円(税込)
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 北海道テレビの人気番組『水曜どうでしょう』の番組HPに、「しばらく旅に出ます。3年ぶりの旅でございます。ちょっと遠くまで行ってきます」というメッセージが掲載されたのは、今月9日のこと。2011年の「原付日本列島制覇」以来となる新作ロケに出たのではと、全国の"どうでしょう"ファンの期待が高まっています。

 「水曜どうでしょう」は、鈴井貴之と大泉洋、ディレクターの藤村忠久と嬉野雅道の4人が「旅」をテーマに世界中でさまざまな企画に挑むバラエティー。メンバー各々が著作や連載を持つ中、大泉さんだけが番組について触れていませんでした。この度、エッセイ集『大泉エッセイ』で、初めてその思いを綴っています。

 大泉さんは、『どうでしょう』の面白さを「あの心底面白そうな"ヒゲ"(藤村D)の笑い声」につられて一緒に笑う安心感が味わえること、と始めながら、「「醍醐味」は、その場その場の我々が作り出していく「ストーリー」にある。でも、だからこそ、あの番組は「面白いけど難しい」」と分析しています。

 『どうでしょう』の魅力の一つは、基本的にドキュメンタリー番組であること。台本も何もない中、それでも前作よりも面白いストーリーを作りたい...という、不安とプレッシャーが今でもあるのだそうです。「あまりに愛されすぎた番組を、10年以上前に作ってしまって、それを超える何かを作りたくてみんな苦しんだ」のだと。

 それでも「僕が何よりもやりたい番組」という大泉さんの言葉は、ファンなら涙もの。読んだ後はまた違った番組の楽しみ方ができそうですが、「(最新作が放送される)その時は、ここで読んだことは忘れていただき、四人のオッサンのくだらない旅をただただ笑って観ていただきたい」と締めるのが、大泉さんらしいのかもしれません。

 また本書では、大泉さんが所属する劇団TEAM NACSについての書き下ろしも。2012年全国公演の打ち上げで起きた"絆の割り箸"事件など、ファンならずとも笑えてジーンとしてしまう内容ばかり。北海道でしか読むことのできなかった貴重なエッセイを含む112編を通じて、大泉ワールドにどっぷり浸ってみては?

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