くまモン人気爆発 熊本県庁の公務員を支えた言葉とは

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)
『くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)』
熊本県庁チームくまモン
幻冬舎
886円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS

 CM総合研究所より、2012年度に放送されたCMの傾向が発表されました。同年度は、地方をクローズアップして地域振興を図る動きが目立ち、真摯なメッセージやユーモアを交えたCMが増加したようで、なかでもご当地キャラを起用したCMが多くみられたことが特色です。確かに、ここ数年でご当地キャラは、私たちの生活の中で馴染み深いものとなりました。

 人気のご当地キャラといえば、熊本県の人気キャラ・くまモンをあげる人も多いでしょう。くまモンはCMでも、カゴメ『野菜生活100』に登場。全国デビューを果たし、デコポンの魅力を日本中に伝えました。

 そんなくまモンですが、なぜこんなにも人気を集めているのでしょうか。

 その背景に、熊本県知事の蒲島郁夫氏の考え方にあるようです。

 くまモンは自由度の高いキャラクターだといえます。そのとぼけた表情だけではなく、行動は神出鬼没。名刺には、「いちおう、公務員です。」「芸能人の友達もいます。スザンヌです」といったメッセージが入っています。


「皿を割れ」

 これは、蒲島県知事が就任当初から伝え続けている言葉です。「国に頼るな。他県と比べるな。熊本が考えて、熊本が自らやる」という蒲島県知事は、自分で考え行動することを職員に求めました。どうしても県庁という職場では、国から言われたことやればいいとか、他の県と比べてどう、といった考え方が多くなります。はみ出すことが難しい体質なのです。

 そんな県庁での雰囲気を変えるためにあるのが、「皿を割れ」。これは、韓国の金郡守から教えてもらった言葉だそう。「皿を洗わない人は、皿も割らない。皿を割ってもいいから、とにかくたくさん皿を洗おう」ということです。くまモンを手がけた熊本県の公務員たちによる集団「チームくまモン」は、この言葉を心得ていたのでしょう。

 なにごとも、勇気を持って前向きにチャレンジしていくことが大切だということを、改めて教えてくれる言葉です。熊本県の次の動向に注目が集まります。

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム