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現役書店員が週替わりでおすすめ本のご紹介します。
●担当者●蔦屋書店熊本三年坂 山根芙美
2015年4月16日更新
『ヴァレンタインズ』オラフ・オラフソン
少しずつかみ締めて読みたい取って置きの本が何冊かある。 それらは概ね短編集で、なんとなく北の生まれの作家が多いような気がする。 ウィリアム・トレヴァーだったり、アリス・マンローだったり。 寒い国の長...
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2015年3月19日更新
『氷』アンナ・カヴァン
新刊案内を見ていたところ、アンナ・カヴァンの『氷』が文庫で復刊されることを知った。 『ビブリア古書堂の事件簿』で言及されて以来、ここ2、3年で復刊が続いているアンナ・カヴァンの作品だが、怒涛の復刊ラ...
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2015年2月19日更新
『黄金時代』ミハル・アイヴァス
『文芸的な、あまりに文芸的な』の中で芥川龍之介は「話らしい話」のない小説をもっとも純粋な小説とした(往々にして勘違いされることではあるけれど、この文脈における「話」とは必ずしも「物語」の意味をささない...
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2015年1月22日更新
『スイート・ホーム殺人事件』クレイグ・ライス
予めお断りをしておこう。私はミステリの熱心な読者ではない。文章を読みながらトリックを見破ってみたりアリバイを崩したりなんてことはもちろん、犯人を当てたことだってない。それ故に技巧派のミステリはどうに...
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2014年12月18日更新
『小春日和』金井美恵子
書店員なんてやっていると、おすすめの本を尋ねられることがごく頻繁にある。中にはどういった読書遍歴をたどってきたのか、という質問もあったりして、中々に悩むところだ。 私はあまり系統だった読み方をして...
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2014年11月20日更新
『バンヴァードの阿房宮』ポール・コリンズ
一世を風靡する、という。 ある時代において、広く知られ流行することを表す慣用句だが、その語源のように風が草木を靡かせるような―もっと言えば、突風が草木をなぎ倒していくような、瞬間的な強い勢いを感じ...
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2014年10月16日更新
『おだまり、ローズ』ロジーナ・ハリソン
時は20世紀初頭、ヴィクトリア朝の面影を色濃く残すイギリスの、上流社会が舞台。 主人公は二人の女性。 ちょっと破天荒なところもあるけれど、機知に富みその美貌で知られる子爵夫人。 もう一人は田舎...
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2014年9月18日更新
『歪み真珠』山尾悠子
山尾悠子の小説には、生々しさがない。 そこには人間的な体温のやりとりもないし、渦巻くような感情の奔流があるわけでもない。 あるのは鉱物的な無機質さと、そして圧倒的なイメージだ。 まるで異なる言...
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2014年8月21日更新
『バーナム博物館』スティーブン・ミルハウザー
小さい頃から博物館や美術館が好きだった。 それぞれ時代や文化の異なる人の手による美術品や工芸品に囲まれていると、想像と現実や時の垣根が段々と曖昧になっていって、その内にひょいっと簡単に飛び越えてし...
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2014年7月17日更新
『不在者の祈り』タハール・ベン・ジェルーン
忘れられない画がある。 随分昔の話ではあるが、とあるテレビ番組で観た砂に祈る女性の姿だ。 残念ながら番組のタイトルも、前後の繋がりもおぼろげでどういった趣旨の番組であったのか、それすらはっきりと...
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2014年6月19日更新
『『文字移植』【『かかとを失くして 三人関係 文字移植』(講談社文芸文庫)所収】』多和田葉子
において、約、九割、犠牲者の、ほとんど、いつも、地面に、横たわる者、としての、必死で持ち上げる、頭、見せ者にされて、である、攻撃の武器、あるいは、その先端、喉に刺さったまま、あるいは... 少なくと...
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2014年5月15日更新
『黄金の少年、エメラルドの少女』イーユン・リー
短編小説を読むときには心してかからなければならない。 たいていの場合、話の舞台は登場人物の生活圏内におさまり、大きな事件が起こるわけでもない。 だけど、そこに人生がぎゅっと凝縮されている。私たち...
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蔦屋書店熊本三年坂 山根芙美
生まれ育ちは山陰。大学進学で九州へ。お酒といえば芋焼酎というくらいにはこの地に馴染んだ頃。基本宵っ張りで丑三つ時に本を読んだり映画を観たり。映画鑑賞は趣味だと言えるけれど読書は趣味だとは言えない。多分業。外文偏愛傾向のある文芸・文学好き。
蔦屋書店熊本三年坂 山根芙美 最近の記事
『ヴァレンタインズ』オラフ・オラフソン
『氷』アンナ・カヴァン
『黄金時代』ミハル・アイヴァス
『スイート・ホーム殺人事件』クレイグ・ライス
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