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秘められた掟
【創元推理文庫】
マイケル・ナーヴァ
本体 700円
2002/1
ISBN-448827904X
石崎 由里子
評価:A
読書のあとは、高揚したり、あたたかい気持ちに、ときには暗くなったりする。けれど、この本の読後感はそのどれでもない。静かに本を閉じたあと、今こうして生きていること、行き続けていくことを赦されているような気持ちになった。嘘をついたことも、失言も、数え切れない過ちも、知っていながら、頷いてくれているとでもいいましょうか。
両親と子どもとの関係は、その時々で形を変える。けれど、どんなに関係がこじれても、双方が死ぬまで続くのが親子関係で、双方が死んでも子どもがいれば、生暖かい血は脈々と続いてゆく。亡くなった父親の残像に、とらわれている弁護士の主人公。父の存在を乗り越えられないかもしれないと思いながらも、常に現実から逃げないで生きているその姿に、生きる、という静かな力をもらったような気がした。
内山 沙貴
評価:D
すうっと滑らかに滑るスケーティングのような、優しくてハデじゃなく、デコボコじゃない物語だった。自分を守るために主人公がつきつづけてきた嘘。だがどんな嘘でもつけば“隠れた法”には見放されてしまうらしい。自分のために嘘をつける人は、残酷になれる。非情になれる。だがそれらの嘘を裁くわけでもなく、嘘に打ち勝っていこうとするところにこの話の優しさがある。物語の最後に流れる旋律に耳を傾ければ、初春の雲と青空の下にモンシロチョウが何匹か飛び交い、まだ少し肌寒い風の中にも、春の暖かさと命の躍動が確かに感じられる。それと同時に静かな木洩れ日の下の死も。殺伐とした長い冬は終わったのだ・・・・・そんな気がした。
北山 玲子
評価:B
強烈な光を放つ小説の中では埋もれてしまいそうな地味な1冊だ。上院議員の殺人事件の真相を探るという、ストーリー自体ありがち。意外などんでん返しがあるわけでもなく、派手なシーンも特にない。しかし、亡き父との確執に未だに捕われそれでも向き合おうとし、いつかは死んでいく恋人との切れそうになっている絆をなんとか繋ぎ止めようとする主人公・リオスの痛々しい姿にじんと来るものがある。少しずつ心にしみてくるいい話だと思う。ゲイの弁護士が主人公だが、この際性の問題はどうでもいい。これは人と人との絆の物語だ。むやみやたらに正義を振りかざすのではなく、常に悩みを抱え傷つきやすい主人公というのもなかなか心惹かれるものがある。父と息子というシチュエーションに何故か弱い私には、シリーズ中本作が一番ぐっときた。ただ、欲を言えばもう少し盛り上がる場面が欲しかった。
操上 恭子
評価:B+
最近のハードボイルドの王道をいく作品(といっても原書が書かれたのは92年だが)。主人公ヘンリー・リオスは中期のマット・スカダーみたいで格好いい。もっともリオスは探偵ではなく弁護士なので、調査は調査員に任せている。それが物足りなくはあるのだが、逆にその分リオスの生い立ちや恋人との関係など、内面の問題に重点が置かれていて、短かめながら重厚な作品に仕上がっている。
メキシコ系ながら成功した弁護士であり、ゲイでもあるという主人公の設定は秀逸で、その徹底したアウトローとしての視点が、逆にこの作品に現実味を与えている。
驚いたのは、男同士のベッドシーンがごく当たり前に赤裸々に描かれていることで、十数年以上も前に、初めて「一般の」小説で濡れ場を読んだ時の衝撃を思い出した。
佐久間 素子
評価:C
メキシコ系アメリカ人であり、ゲイであるという二重のマイノリティを抱える弁護士リオスの4作目。ハードボイルドと冠しながら、暴力シーンはなし。読み終わってみれば、ストーリーの核となるべき上院議員の射殺事件が、本書にとってはサイドストーリーでしかないことに気づく。恋人との別れ、消えない父の記憶、リオスの悩める日々こそが本書のメインなのだ。社会的に成功をおさめた四十にしてなお、自己を肯定できないリオスの姿は、病んでいるの一言で片づけるにはあまりにまっとう。誰もが差別する側であり、差別される側であるこの世界で、自分と違う他人/他人と違う自分を認めることが、どうしてこんなに難しいのだろうね。
山田 岳
評価:C
息子を抑圧する父親というのは、世の東西を問わないようで、本書の背景にも父子関係の問題が流れている。それが多少の共感を生むけれど、カタルシスは生まないからこの評価。主人公がゲイであること、恋人がHIV陽性であることは、スパイスにしかならなかった。
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