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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
世界の終わり、あるいは始まり
【角川書店】
歌野晶午
本体 1,600円
2002/2
ISBN-4048733508
石井 英和
評価:C
とりあえず読み始めは、「なかなか面白い視点で描かれた誘拐ものだなあ、描き方も手堅いし」などと楽しんで読んでいたのだが・・・作品半ばの「仕掛け」に至って気持ちが萎えてしまった。その後の展開が容易に予想できてしまったからだ。(そして小説は、予想通りの展開を見せる)その上、この「特殊な展開」に功を奏させるには、読者を幻惑する発想の自在さが必要になってくるのだが、そうするには著者の想像力が真っ正直過ぎるのである。機知で乗り切るべき場を力業で押し切ってしまった。このフェイクは、著者には向いていなかったのではないか?著者はおそらく、このような変格ものではなく、もっと正攻法でサスペンスを組み上げてゆく作品で本領を発揮する作家なのであろう。生真面目な人が無理やり飛ばすジョ−クを聞かされているような、居心地の悪さが残った。
今井 義男
評価:AA
身内、それも自分の子供が、重大な犯罪に関わりをもっているのではないかという疑惑。親としてこれほどいたたまれない状況があろうか。もしそれが思い過ごしではなく事実だとしたら、自首でも逮捕でも結果は同じ。家族は二度と世間に顔向けできない。マスメディアで総攻撃を受け、隣近所から白い目で見られ、親類縁者に疎んじられ、職を失い、巨額の賠償を請求され、たちまち社会生活は破綻する。いばらの道を好む人間などいない。そこで愚かな親は少しでも破局を先へ延ばそうと、保身と責任逃れに身をやつす。そのいく通りものシミュレーションがズキズキと心に痛い。痛すぎて読むのがつらくなる。少年犯罪が凶悪化の一途を辿る現代、書かれるべくして書かれた恐るべきドメスティック・クライム・ストーリー。
唐木 幸子
評価:B
なんか変だぞ、このストーリー・・・と思って読んでいたら、やっぱり。何が変だったかを書くとネタバレになるのでよすけれど、こういう構成は初めてではないのに、うっかり著者の筆の巧みさに乗せられてドキドキした私はばかだった。それはともかく、私はこの本を面白いとは思うけれど、実際の事件になぞらえて『息子への疑惑に対する父親の心の葛藤と動揺が手に取るように描かれて・・・』という書評を目にすると首を横に振りたくなる。何故なら、ここまで疑惑が煮詰まったにしては、父親としてうろたえぶりが生ぬるいっ。この父親が取っている行動は殆どギャグである。もう一歩踏み込んで本当に命を賭ける瞬間の衝撃が欲しくて欲求不満になった。私だったら、疑惑の片鱗が見えた時点で、『○○ちゃん(娘の名前)!、お母ちゃんに、みな言うてごらん!!これは何やの!!!』と抱き縋るだろうしな、娘がナイフ握ってようとピストル構えてようと。それじゃあ小説にならないか。
阪本 直子
評価:A
一人競作。そんな感じのミステリだ。連続誘拐殺人事件が発生する。一人の男が、我が子の関与を疑い始める。ここまでが発端。その後、この父親はどうするのか?
近所でどんな悲劇が起ころうとも所詮は「よそ」のことであり、自分は冷酷な人間だと自覚していた男が、およそ考えられる限り最悪の形で事件と直面せざるを得なくなる。彼の想像は悉く惨憺たる成り行きを辿り、遂には悪夢の様相さえ帯びてくる。ぶ厚い本が残り僅か十数頁まできても尚、問題は一向に解決しないのだ。一体どうなるのか……?
という興味で引っ張った挙句にこう終わるのは、或いは物足りないという人も多いかも。しかしこれは、事件の捜査・解決を描く小説ではないのだからね。そういう「外側」からではなく、「内側」からの物語。まさに作中の台詞通り、“何かがあるのはこれからだ”。それ以外のラストはあり得ない。
「渾身の」500頁、一気読みです。
谷家 幸子
評価:B
これは、反則ではないのか。
読んでいる間、その問いが頭を離れなかった。
しかし、その「反則」の内容に触れるわけにはいかない。それこそが、この物語を成り立たせているものだからだ。ネタばれになってしまう。
しかし、反則かもしれないが、それをここまで執拗に反復し、徹底的に書き込むことで、紛れもなくひとつのリアリティを生み出しているとは思う。
自分の小学生の息子は、町内で起こった小学生誘拐殺人事件に関わっているのか?
考えただけでも恐ろしい状況だ。私は親ではないが、思わず、その泥沼のような心情の側にたって考えてしまった。親である人なら、なおさらだろう。
こういう曖昧な終わり方も、普段はあまり好きではないのだが、この場合は非常に納得できる。
しかしどうなんだろう。
これは、反則ではないのか?
仲田 卓央
評価:B
これは、ミステリ版『東京大学物語』ではないのか。いや、途中からエロ小説になる、とかいう意味ではありませんよ、念のため。仕掛けいっぱいの話なので、詳しくは控えるが、ストーリーをかいつまんで説明すると、「自分の息子が誘拐事件に関係しているのではないか、という疑惑を抱いた父親が原稿用紙1000枚にわたって悶々と思い悩む」という物語である。この父親の、壮絶な悶々具合が『東京大学物語』なのではないか、と思うのだ。しかし本作が評価できる点は実はそこで、この悶々描写がすごい。父親の言動、息子の言動に全く違和感がなく、果てしなく拡がっていく父親の疑惑(つーか妄想)に、かなりのリアリティーを与えている。『悶々小説』、あるいは『妄想小説』としては一級品なのではないだろうか。ただ正直言って、ラストシーンは逃げたな、と思う。ここまで膨らんだ妄想をどう片付けるのか、それをもう少し読みたかった。
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