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昆虫探偵
【世界文化社】
鳥飼否宇
本体 1,400円
2002/3
ISBN-4418025030
石井 英和
評価:C
もし著者が、その昆虫に関する豊富な知識を楽しく読ませてくれる科学エッセイを書いたのだったら、私は大喜びで採点Aを献上したはずだ。しかし著者は、昆虫の世界の様々な不思議をミステリィの世界の殺人事件と設定し、昆虫の「探偵」がその謎を解く、という意匠で小説化を行った。その結果・・・科学読み物としてもミステリィとしても、中途半端なものが出来上がってしまった。さらに、「軽妙さ」を意図したのだろうその語り口は、むしろ、押し寄せるオヤジギャグの嵐に耐える事を読者に強いる結果になっている。苦にならない人もいるのかも知れないが、私にはちょっと耐えられず、地の文が小説形式から脱線し、科学解説調になるとホッと一息つく始末。アイディア倒れだなあ。このタイプの擬人化は時代遅れの気もするし。興味深い話は満載なんだけど、実に残念。
今井 義男
評価:C
狙いは悪くないが、ユーモアに徹するのか、シリアスなドラマ仕立てで読ませるのか、中身は中途半端。擬人化した昆虫たちの言動が通俗的に過ぎるし、受け狙い見え見えの描写も再考の余地がある。せっかく驚異に満ちた昆虫界をクローズアップしているのだから、そこに人間界の生臭さを投影させる必要などない。生物の行動原理は、全て種の存続に根ざした非情なものだ。昆虫には昆虫ならではの、ドライな劇空間がある。この設定で謎解きを主体にすれば、いきおい専門的な知識に頼らざるをえない。策に溺れず、むしろハードボイルド一辺倒で突っ走るべきだった。虫に関する薀蓄で読者を煙に巻きたかっただけなら話は別だが。
阪本 直子
評価:B
うわははは。何ちゅう本だ。作者自ら出版社に対して「よくもまあ、こんな本を企画されたものです」と言ってるぐらいである。探偵はクマバチ。助手はヤマトゴキブリ、但し元人間。刑事はクロオオアリ。このトリオが昆虫世界で起こる様々な事件に挑む。これだけでも既に充分とんでもないのだが、この探偵助手は人間だった頃本格ミステリ愛好者だった為、事件の度にいちいち「え、三重密室ですって! 笠井潔の『哲学者の密室』みたいですね」だの「〈日常の謎〉派の領域かもしれませんね」だのとうるさいのだ。
という作りからも判るように、これはかなり読者を選ぶ小説だろう。あなたは、1.『ファーブル昆虫記』、2.『蜜蜂マーヤの冒険』、そしてこれが最も肝心なのだが3.日本の本格ミステリを何冊か、以上を読んだことがありますか? あ、それなら大丈夫です。安心してお笑い下さい。
中川 大一
評価:A
楽しー。こーゆー話し、だーい好き。最新の昆虫学の知見を、ミステリアスなストーリーに溶かし込んだユニークな趣向。探偵が熊ん蜂、助手がゴキブリ、警官がアリだって。それも単なる擬人法じゃないぞ。それぞれの生態が、物語の展開に生かされているんだ。正直、理屈に走りすぎて、地の文と生物学上の蘊蓄がところどころ乖離してる。けど、いいじゃないかいいじゃないか。こんな不思議な本、滅多と読めんぞ。私ゃ、このチャレンジング・スピリッツに一票。本書を読んだら、今森光彦の写真集『世界昆虫記』でも眺めよう。ところで、著者は奄美大島在住とのこと。あそこにはルリカケスという特産種がいたはず。そう、次回作として『野鳥探偵』をリクエストします! 著者名も「鳥飼」だしね(((自爆)))
仲田 卓央
評価:C
探偵はクマバチ、探偵助手はヤマトゴキブリ、犯人も被害者も昆虫という、タイトルそのままのミステリ小説である。ただ、それが面白いかどうか、というのは実に微妙なところである。なんといっても登場するのがすべて昆虫であるだけに、人間の常識や感情が通用しないのだ。ストーリー展開のキモとなるべきトリックや、探偵の推理だって「知恵を絞って考える」というより、「個体が持っている即物的な能力を生かす」という方向に行かざるを得ず、こちらも「ほう、そういうテがあったか!」という驚きよりも、「そんな変わった昆虫がいるんだあ、世界って不思議だなあ」という方向に行ってしまう。だからミステリとしては、ハッキリいうと、失敗。しかしこれ、「昆虫を主役にしたら物語はどうなるか」という、良い意味でのお遊び小説であり、そういう小説は嫌いではない。こんな本を書こうと思った作家と、世界文化社には拍手。
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