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事故係生稲昇太の多感
【講談社】
首藤瓜於
本体 1,700円
2002/3
ISBN-4062111098
石井 英和
評価:A
第1章の終わりで、「若く気のいいお巡りさんが主人公の泣き笑い人情話が始まるのではないか?今時、そんな生ぬるいものを読んではいられないぞ」と不安になったのだが、杞憂だった。派手な事件が起こるでもなし、鬼面人を驚かす謎の提示がある訳でもないが、地道にリアルに積み上げられた警察官たちの日常風景が織りなすドラマにいつしか引き込まれ、一気に読了してしまった。作中、警察官が勤務先を呼ぶ慣用句としての「会社」なる表現が紹介されるが、まさに、一つの企業としての「警察」内部の素顔が描かれ、そこにおける等身大の警察官たちの日々と、彼等の間で揉まれつつ成長して行く主人公の物語は、ストンと読み手の心に収まり、華美な味付けのない生な感動をもたらしてくれる。それにしても、中途半端なようでいて完結している、不思議なエンディングだ。
今井 義男
評価:A
いい意味で力の抜けた、生活感あふれる警察小説。警察官が主体の話なので当然事件も起きるが、作者の目のつけどころは市民の窺い知れぬ警察署内にある。といっても、不正の告発や陰湿な内部抗争とかではなく、焦点は縦社会の人間模様に絞られていて、ちょうど企業ドラマのような趣きである。殺伐としていない分、彼らの地道な日常がくっきりと浮かび、嫌味のない仕上がりになっている。こうして改めてみると警察官もいろいろだ。脇目も振らず昇進試験に挑む者がいるかと思うと、出世と無縁の現場処理に凄腕を発揮する者もいる。仲間意識があれば嫉妬もあるし、挫折もすれば恋だってする。どこの職場もやっぱり似たようなものなのだ。事故係生稲昇太が多感な理由もむべなるかな、である。
唐木 幸子
評価:A
堀ちえみのスチュワーデス物語を思い出してしまった。ただし本書の場合は警察官の昇太が主人公だ。ドジでのろま・・・というよりは昇太は不器用だが正義漢に溢れる交通課の巡査。交通事故処理という地味な仕事を誠実にこなそうとしていて好感が持てる。私事だが、東京に出てきて直ぐの頃、鍵を室内に忘れてアパートから締め出され、困って駆け込んだ交番のお巡りさんに助けて貰ったことがある。私の話を聞いてウーンと考え込んで、よし、とハシゴもないのに2階によじ登ってベランダから入って開けてくれたのだ。あれ以来、お巡りさんには好意を持っている私。昇太はそのイメージそのものなので点数が高くなる。優秀な先輩や口うるさい上司、アウトローのノンキャリア、美人のマドンナ、など昇太を取り巻く登場人物はよくあるパターンだが、本書は決してそれだけには終わらない。第一章での、怯える少女との交流など、各章にせつなく光る描写があって心なごむ作品に仕上がっている。
阪本 直子
評価:B
早くに亡くなった父親は町内の誰もに慕われる警官だった。だから自分も警察に入り、今は交通課の巡査、22歳。ピテカントロプスみたいなブ男なので女性には縁なし。正義感が強い、と言えば言えるが、いささか短気でおっちょこちょい。これが主人公である。となれば当然予想されるように、上司や先輩の言うことも聞かずに予断で突っ走って失敗したり、新聞記者の誘導尋問に引っかかって混乱を招いたり、職場で見る姿だけで勝手に判断していた先輩や上司の意外な一面を知って驚いたり、等々の経験をしながら少しずつ成長していく訳なんですね。主人公の人柄そのままに生真面目な小説で、後味も悪くないんだけど、脇役陣の人物設定とかも含めて、ちょーっとステレオタイプというか、判り易過ぎるかなあ。テレビドラマの原作にいいかも。
谷家 幸子
評価:B
乱歩賞を取った「脳男」は未読だが、その伝えられる作風から勝手に想像していた印象はどこにもなかった。キワモノ感は皆無、これ以上ないくらいオーソドックスな警察小説だ。
青臭い正義感でいっぱいの無骨な青年警察官、合理的で上昇志向の強いクールな先輩、警察署みんなの憧れのマドンナ、ケチで小心者の上司。セオリーに乗っ取ったまことに正しいキャラクター造形、ではある。そのこと自体はいいんだけど、なあ。何かちょっとだけ物足りない感じなのだ。それはやっぱり事件の中身なんだろうか。「事故係」とわざわざ付けるからには、もっと交通課で扱う事件ならではの視点やエピソードが欲しいのだが、そのあたりが希薄。そういう意味では、東野圭吾が先鞭つけちゃってるこの道はつらいのかもしれないけど。
中川 大一
評価:B
連作短篇集。まとまりのいい小説集とは言えない。その場の筆に任せてぶんぶん書き飛ばしているようで、回収されない伏線があっちこっちはみ出ている。一作目の末尾に昇太が手をさしのべた少女は、その後最後まで出てこない。「ありっ?」っていう感じだ。先輩警察官である見目(けんもく)は、いろんな言動で盛り上げてはくれるが、エピソードごとに別人のような印象を与える。「およっ?」っていう感じだ。でも、勢いで書いてる分、勢いがいい。気分で書いてる分、気分がいい。(著者は、「きっちり計算して書いてるんじゃい!」と怒るかもしれないが……)刑事警察の様子は読み飽きたけど、交通部門の内幕はめずらしい。舞台設定と主人公の気性、合わせ技でB。
仲田 卓央
評価:C
地方にある警察署の交通課に勤める新米巡査・昇太が、様々な事件を経験することで成長していくという、『なんとか交番日記』みたいなもんである。昇太はこういう成長物語の主人公にふさわしく実に単純な正義漢、熱血漢でわかりやすい。こういう男が主人公を張っている物語だと、まあこういう展開になるだろうなあという予測は簡単にできてしまうのだが、果たしてそのとおりに物語が進行する。ここまで予測どおりに物語が展開すると、ものすごく戸惑う。随所に挿入される意味ありげなエピソードや伏線ぽい描写も、それがどういう意味なのか、なかなか明らかにされず、困る。そして物によっては最後まで明らかにならず、はっきりいうとほったらかしのエピソードがどんどん山積みになっていく。これはもしかして「『脳男』を書いた作家なんだから、この作品もそんな感じじゃないの?」という先入観に満ちた読者に対する、挑戦なのだろうか。謎に満ちた小説である。
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