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散文売りの少女
【白水社】
ダニエル・ペナック
本体 2,400円
2002/3
ISBN-456004743X
石井 英和
評価:A
我々が普段読んでいる「外国の文学」というのは、イコ-ル英語圏の文学という事になるのだが、だってしょうがないじゃないか、英語で書かれた文学ばかり翻訳されているんだから。そんな事情があるので、例えばこのようにフランス文化の真っ只中にあるコテコテの小説に接すると、それだけで新鮮な感動を覚えてしまったりする・・・まあそれにしても文体といいスト-リ-といい、「文化芸術の国御仏蘭西」の香り高き、というか実にお洒落な小説のありようだ。人生への苦い笑みをあからさまにしつつ、そしてある種イヤミの域にも達する機知を振りまきつつ饒舌に語られる、どこか関節の狂ったような物語。シュ-ルの世界に行ったきりとなるかと思わせておいて、最後には提示された謎をきちんと「それなりの合理的解決」に持ってゆくあたり、一本取られた気分だ。
今井 義男
評価:C
主人公本人はともかく個性的な弟妹たちがにぎやかで楽しいのは認める。出版社に勤めるマロセーヌは典型的な巻き込まれ型のキャラで、なんとも締まりのない男である。評判のシリーズらしいが、残念なことに人気の秘密はわからずじまいだ。ユーモア・ミステリというには笑いがなく、本格ミステリと呼ぶには謎解きの要素は弱い。次々と転がる死体には必然性もあり、適度な緊張も用意されているが、読み終えた瞬間の達成感は乏しい。事件の血生臭さとアンバランスな、軽めの作風にはどうにか馴染めたが、突如乱入する脚本形式の会話文がまったくもって意図不明。単なる遊びにしてもあまりいい趣味とは思えない。
唐木 幸子
評価:B
私はこうして採点理由を書くようになって、読後まず、一言で言ってこの本はどうだったか、を考えるようになった。それで言うと本書の場合、「もうちょっとわかりやすく上手に書けんか!」となる。そう言えばこういう話し方をする人もいるよなあ。前置きが長くて、同じ事柄をああ言ってみたりこう言ってみたり、オチがわかる頃にはもう疲れちゃって。フランス人は2時間も3時間もしゃべりながら食事するらしいけど、こういう話するならそりゃ時間がかかるわ・・・と毒づいた割に、それを我慢して読んでいると、書いてあることは結構、面白かった。『著者略歴』と同じく、盗作がストーリの根幹だが、状況設定としてはこちらの方がふんわりと謎に満ちていると言えるかも知れない。他の採点員の方々の基準は知らないけれど、私の場合、AA(大感動、しばし呆然)、A(大満足)、B(面白本)、C(読んで損なし)、D(なんだよ!)、E(この野郎!)という評価である。本書はまさにBの面白本だ。
阪本 直子
評価:AAA
うわあ、何ちゅう小説じゃこりゃ。帯にはフランス・ミステリーとあって、となると私の乏しい読書体験ではシムノンとボワロー&ナルスジャックしか出てこないのだが、「炸裂するギャグ」とあるからにはそれらとは相当に違う筈。で、実際に読み始めたらばもう冒頭からいきなりぶっ飛び過ぎ。あなたは笑うのを通り越して目が点になることでしょう。
殺人が何件も起こり、その謎を巡ってストーリーは二転、また三転。確かにミステリとしても凄く面白いのだが、しかし実はそんなことは二の次なのだ。主人公マロセーヌ一家のとんでもない存在感こそが読みどころです。彼らの愛情は小気味がいい。愛する者によって行動を左右されることを、誰一人として束縛だなどとは思わない。自ら望んだことなのだ。この辺、獣木野生(伸たまき)の「パーム」シリーズを連想しました。現代の暴力や悪意にも負けない、逞しい愛情の痛快さ。その前には、“癒し系”なんてゴミだよ。
中川 大一
評価:D
私たち採点員は、「これを課題図書にしてくれっ」と頼むことができる。たぶん、松村さんと浜やんと目黒上皇が「否!」とか「諾!」とか言いながら採否を決めてるんでしょう。私がこの本をリクエストしたのは、深刻ぶった英米のミステリにいいかげん飽きてきたからだ。結果、確かに本書は、慌ただしくストーリーを追うハリウッドスタイルの小説とは違う。また、殺人事件をユーモアのオブラートにくるむ手つきもまずまず。だがこの饒舌な語り口は……相当まだるっこしい。宮部みゆきがフランス・ミステリは苦手だと言っていたが、こういうことだったのか。ただ、負け惜しみかもしれんが、サイコや猟奇に頼らず、あっちこっち寄り道しながら謎解きを進めるという方向性自体は支持できると思うんだけどね。
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