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著者略歴
【早川書房】
ジョン・コラピント
本体 1,800円
2002/3
ISBN-4152084030
石井 英和
評価:A
これは面白い!急死した友人の残した小説を盗用し、自らの作として発表したら、それが大当たりを取ってしまい・・・との、小説好きには妙に身につまされる発端部から、まことに今日的で皮肉なラストまで、一気に読まされてしまった。当然ながら悪い幸運は実を結ばず、まるでモグラ叩きのモグラのように、様々な形で「真実」は頭を覗かせ、主人公の足をすくわんとする。手にした幸運を逃さんがために悪あがきを続ける主人公は、覚めない悪夢の、あるいは良くできたドタバタコメディの登場人物の如くだ。スト−リ−はついに「小説を書くということ」の深層にまで達しつつ、快調に進む。とにかく最後の1ペ−ジまで、こちらの興味をそらさない著者のドラマ作りの巧みさに感服だ。最後の1ペ−ジの、そのまた最後の1行にまで文明批評の醒めた笑いが用意されているのだから。
今井 義男
評価:AAA
急死した友人の書いた小説の作者になりすまし、それが絶賛され、あっという間に大金持ち。良心の呵責もどうにかごまかして、美人の妻と名声を同時に手中にしたキャル・カニングハム。死人は権利を主張したりしないので、盗作が露見する心配はない。あとは悠悠自適の人生を送るだけのはずだったが、世の中そんなに甘くない。満を持しての登場は、伏線の効いた破局への案内人である。その日を境にキャルの生活はことごとく悪女・レスに引っ掻き回される。やましさが生み出す不安と、悪人になりきれない主人公の苦闘ぶりがあいまって、最後の一行まで飽きさせない。作者はいま流行りの処方箋に頼ることなく、必要最小限のキャスティングとプロットの妙で第一級のサスペンス・スリラーを書き上げた。後味の良いラストも文句の付けようがない。シンプル・イズ・ベスト!
唐木 幸子
評価:A
題名が地味なのが勿体ないくらい一気読みのサスペンスだ。小説第1作というと用心する私であるが、本書はその心配は一切いらない。主人公は、作家になりたい、小説を書きたいという欲望でいっぱいなのに一行も書けないでいるエドだ。急死したルームメイトの作品を丸ごと盗んで発表したエドは一躍、新進作家として持てはやされる。富も名声も美しい妻までも得たものの、盗作がばれそうになるのに脅える日々。必死に防戦するうちにエドは否応なく殺人事件に巻き込まれていく。そのストーリーも秀逸だが、何より面白いのはニューヨークの文壇デビューの内幕だ。出版エージェントのベストセラー作り、新人発掘の手法は滑稽だが、もしかして本当にこんなものなのかもな、と思わせるリアリティがある。さて最後は血まみれの惨劇にまで追い詰められるエドはどうなるのか。第1稿の後に書き直されたという結末は、如何にも映画化して下さいと言わんばかりの余韻を残すエンディングとなっている。
阪本 直子
評価:A
おおっと、これは一本とられました。『太陽がいっぱい』+『シンプル・プラン』だなんて言われたら、つい判った気になってしまうよなあ。出来心に負けて罪を犯し、そのまま破滅への道を突き進むことになった男の手記。そう、一人称小説じゃない、手記なのだ。てことはラストで明かされるであろう執筆場所は死刑囚独房? それとも自殺を控えての書き置き? いや全く、あらかた予想がついてて読んでても結構ハラハラするんだから、この作者は上手いよ……などと思い込んでいたのですが。まさかこういう終わり方があったとはねえ。
と、ミステリ読者としてもう随分すれっからしになってしまった私は、してやられた喜びにほくそえんでいるのですが、「こんなんありかー!」って怒り出す人もきっといるんだろうなー、これは。でも舞台が何しろアメリカだからねえ。冗談でも皮肉でもなく本当に、こうなっちゃいそうな気がしない?
谷家 幸子
評価:A
タイトルといい、装丁といい、ひと目でそそられる作品。で、その期待は珍しいくらい全く裏切られなかった。主人公キャルの俗人ぶりも悪人ぶりも、情けないというか間抜けとしか言いようがないのだが、そのおろかさの中にどうしようもなく共感を誘う部分があって、それがこの作品の最大の魅力になっている。
「解決篇」といった趣きの「後記」は、やや疾走しすぎの感もあるが、まさにそのスピード感こそが、この物語全体のキレの良さにもつながっているわけで、これはこれでありなんだろう。他人の人生(この場合は小説)を盗む、といういわば古典的ともいえる設定ではあるが、そこに古臭さは微塵も感じられない。名声への渇望、自己実現への欲望、といった古くて新しい普遍的な感情が実にリアルに描かれている。
中川 大一
評価:A
脱帽しました。一読書を置くあたわず。こんな手法があるなんて。巻末のあとがきやインタビューを読むと、著者・訳者・編集者の自信のほどがうかがえる。「まーた買わそうと思って。大袈裟に褒めてからに、このこのっ」と、誰しも思うでしょう。だが本書は、その自負に見合う内容をそなえている。まず、結末の予想がつかない。これはまことに希有なことだ。たいていのミステリは核となる事件をめぐって展開するわけだから、その解決が末尾にあることは想像できてしまう。ところが、本書の核にあるのは事件ではない。平凡な主人公の非凡な人生なのだ。よくあるキャラクターの主役が、いかにして破天荒な状況に巻き込まれていくのか? あとは読んでいただくしかないでしょう!
仲田 卓央
評価:B
主人公キャルは、死んだ友人の小説を盗作して作家として華々しくデビュー。しかし、盗作の事実を知る脅迫者が現れたことからキャルの人生は狂い始める、という物語である。物語自体もさることながら、面白いのはキャラクター造形。「俺は作家になるんだ」と言いつつも、一枚どころか一文字も書こうとしないキャルのダメ男っぷりが良い。今どき「小説の素材集め」と称してナンパに精を出し、「芸術家たちの集まるバー」に入り浸るわかりやすさ。さらに作家志望だけあって、物事を自分に都合よく、かつ大げさに解釈する、その才能。脅迫者が現れてからも、とにかくお金を渡して追っ払ってしまおうとする単純さはとても清々しい。そしてこの男、デビューしてからも結局小説を書いている様子がない。近年、まれに見るダメっぷりだ。何者かになりたい人、それも「俺、実は〜になりたいんだ」と広言できる面の皮厚めの人にぜひ勧めたい。ところで作中作の『まるで自殺のように』だが、あらすじを聞く限りではエージェントの言うような「最高にかっこいいし、時代の先端をいってる」作品には思えないんですけど。
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