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└2001年5月
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
痩蛙
【角川書店】
鳴海章
本体 1,600円
2002/5
ISBN-4048733613
石井 英和
評価:E
バンデ−ジを巻いた拳の描かれた表紙と帯の「サラリ−マンなんて辞めちまえ!」なる牽句に非常に悪い予感がしたのだが、それは当たっていた。不景気、リストラ、陰湿な上司といった小説で扱われがちなエピソ−ドによって、サラリ−マンの鬱屈した日常が描かれ、そこからの開放としてのボクシングの世界がもう一方に置かれる。なんともありきたりな構図の物語。そりゃ、日常は救いがないし、逆にリングの上で思い切り殴りあったら、さぞ生の実感が得られるでしょう。けどなあ、塩をかければ辛い、砂糖をかければ甘い、それで文芸作品一丁上がりじゃ悲しいよ。とにかく主人公、脇役、スト−リ−展開、感情表現、なにもかもがどこかで読んだ気がする。新しい発見、工夫は何もなし。すべてが手垢にまみれている。ボクシングのシ−ンになると、突然スポコン漫画めくのも滑稽だ。
今井 義男
評価:AA
<癒し>や<自分探し>というものに眉をひそめたがる向きがいるようだ。きっとその人たちにはしっかりとした足場があって、人生に逡巡とか不安がないのだろう。乱暴ないい方をしてしまえば、この本はそんな幸福者に用はない。自分は何者であるのか、なにをすべきなのか、とぶざまに思い煩う者だけが読めばいい。人間は誰だって弱い。その場しのぎでも縋るものがほしい。側で見守ってくれる者がほしい。明日が見えない半端者にも、栄光を夢見る自由ぐらいは残されている。目指すは起死回生を賭けたリング。袋小路に追い詰められたボクサーのあがきが、肉体のきしみが、読む者の胸に激しく迫り、鳴り響くゴングが凶暴な魂を呼び覚ます。
唐木 幸子
評価:B
冒頭、主人公の谷尾幸次をストーカー風の女がとんでもない格好で待ち伏せしているシーンなどは、ホラーサスペンス大賞か、戸梶圭太を読んでいるみたいだ。滑り出しが良いので2段組も何のその、どんどん読んでいける。幸次は会社員で趣味のボクサーでは4回戦ボーイ。根性がありそうでなさそうで、熱い思いがありそうでなさそうで、自分への諦めがついていそうでいなさそうで・・・・この何事も絞り切れない人物像が意外に真実味がある。後半、ボクサーとしての再生を期して特訓にはいるあたりから少し、想像できる内容、よくある再生物語になってしまって失速する。それと、女性の登場人物が今ひとつだなあ。幸次が憧れてデートで見栄を張って散財してしまうかつての上司・美紀も、冒頭のストーカー風の女・チエコも、やはり性格が絞りきれないのだが、幸次と違って女性群の方はそれが、二転三転する、という悪効果になってしまっている。数々の暴力事件もあれで済んでしまうわけ?という疑問も残った。
阪本 直子
評価:B
何とも惨めに荒み切って救いのない冒頭。主人公は30歳、およそ成績の良くない営業マンにして一度も勝ったことのない4回戦ボーイ。仕事にも会社にも愛着のかけらもないが、辞めたところでただ借金が残るだけ。やがて彼は、夜の街をうろついて人を殴るようになっていく……。
つまりこれは“ノワール”か? 気が付いたらいつの間に、どうしてこんなところまで墜ちていたの、という話になるのかと思ったら。パンドラの箱には最後に希望が残っていたのでした。よほど上手にやらないと白々しくなってしまう展開だが、細部のリアルさが効いてます。そして何よりも、作者の目の温かさがいい。俗物も小心者も苦労人も変人も、嗤われ断罪されている者は一人もいない。だからこそ主人公に感情移入できるのだ。ロマンチック、大いに結構。
しかし帯コピーには文句があるぞ。これって内容を全部言っちゃってるのと同じでしょう。
仲田 卓央
評価:B
正直な話、読みたくねえなあと思ったものだ。帯には「リストラされた。仕事、給料、女を失った。すべてを無くした男に残されたものは。サラリーマンなんて辞めちまえ!」とあって、その上タイトルが「痩蛙」。これを陰々滅々といわずしてなんという。大体、「仕事・給料・女」を無くしたぐらいですべてを失った、などとは何たる傲慢、何たる言い草。とはいえ仕方なく読み始めてみたのだが、これが思った通り、気が滅入る展開。何度も読むの止めたい、と思った。ところが! 主人公が人生に行き詰まり、ボクシングに生きようとトレーニングを開始したあたりから、急激に面白くなってくるのだ。さすがは鳴海章。活字を見るだけで口の中に胃液のにおいがしてくるような描写や、どっかで聞いたことがあるようでいながらもきっちりとオリジナリティーを示すボクシング理論も見事で、今度はページをめくる手が止まらなくなるのだから勝手なものだ。しかし、いかに後半部を盛り上げたいからといって、前半部が長すぎやせんか? 後半部だけならAだったのに。
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