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空のオルゴール
【新潮社】
中島らも
本体 1,500円
2002/4
ISBN-4104531014
石井 英和
評価:C
弱った。この物語の「売り」である2つのアイテム、手品と格闘技のどちらにも私は全く興味がない。いや、それでも読んでいるうちに興味を持たせてくれるような内容になっていたら、それは物語を楽しむ上でなんら問題にはならないだろう。そして普通、小説はそんな構造をしているものだ。が、この作品にはそのような工夫が成されていないので、こちらは置いてきぼりである。また、主人公を含む奇術師の一団をつけ狙う闇の組織が現れ、彼等との追いつ追われつが描かれるのだが、奇術師たちが命を狙われる理由が納得できる形で提示されていないので、やはり読み手を置き去りに物語だけが進行して行く感じだ。さらに主人公も、要するに何をしたいのかよく分からないキャラクタ-なので、物語のどこにも思い入れのしようがない。著者一人が面白がっているだけ、みたいだなあ。
今井 義男
評価:D
迷走状態に突入して久しい中島らもの新作。読者がなにを期待して本を手にするか。この作家の念頭にはその種の屈託は存在しないらしい。面白い小説がないから仕方なく自分で書いている、と豪語した往年の勢いはすっかり影をひそめてしまった。物語の妙味もコクもない、全編ダシガラのような読みざわり。せっかく仕掛けほうだいの題材を選んでおきながら、あきれるほどの芸のなさ。リリパット・アーミーの舞台なら役者がフォローできたかもしれないが、活字ではごまかしはきかない。巻末のおびただしい資料と空回りするギャグが思い出すだに痛々しい。支持者をそんな気持ちにさせてこの先どうするつもりだ。
唐木 幸子
評価:B
私にとっては、中島らも、と言ったら『今夜、すべてのバーで』だ。あれを読んで私は、絶対にアルコール中毒だけにはならない、肝臓は腐らせないで大事にする、と固く心に誓ったものだ。インパクト強かったなあ。しかしよく考えてみたら、あれ以来、エッセイ以外は読んでいない。著者の単行本を読んだのは実に10年ぶりである。本書の舞台はフランス現代だが、全体に伝奇的な雰囲気が漂う。奇術師が次々と技を繰り出すドタバタ劇のようでいて、登場人物の殺されように隠し切れない残酷さが滲むのだ。また本書は、変換キーを押したら全文がパっと舞台脚本に切り替わるのではないかと思われるようなクリアな構成になっている。多からず少なからずの登場人物の数といい、場面が起承転結の幕に綺麗に変化するところといい、生き生きした舞台を感じる。当初、話の臍になるのかと思ったロベール・ウーダンという伝説の奇術師の存在感が今ひとつか。
阪本 直子
評価:B
え、えーと。何じゃこりゃ?
いやはや、これはまた何ともミョーてけれんな小説だ。帯に書いてあることは、取り敢えず全部無視していいです。いやそりゃ、確かに始まりはその通りですよ。しかしその後の展開は、帯を読んであなたが予想したであろうものとは必ずや違っていますから。起承転結も序破急もない。整合性? そんなの知るか。これは作者と登場人物たちのジャムセッションだ。脱線しようがやり過ぎだろうが、ノッてるんだからいいのである。ノリはどんどん高まって、残り僅か数十ページ、おいおい、これでどうやって落ちをつけるんだ? と思ったらこりゃまた何と力技。延々と続くかに見えたセッションも、ドラムスの一発で強引に幕だ。唖然呆然、大爆笑。いやあ、問答無用とはこのことです。
と、私は楽しませて頂きましたが、万人にお薦めは致しません。何しろ特徴のある味だからね。
谷家 幸子
評価:D
暴言だと承知のうえで書く。
中島らもに、小説は不要だと思う。小説という形態に、彼の持つ個性は適合しないのではないか。
といいながら、私も「今夜、すべてのバーで」はとても面白く読んだ。しかし、あのとてつもなく面白い本を読んだ後でさえ、その気持ちは(中島らも小説不要論)頭の片隅にあった。そして、今回この小説を読んで、その思いはさらに強くなった。
全篇にみなぎる強烈な中島らもワールド。武術、奇術、ドラッグへのあくなき好奇心を糧に突っ走るあまりにも極私的趣味世界は、同好の士であればそれなりに寄り添えるのかもしれないが、これはちょっと暴走しすぎだ。小説の形をとらずに書かれていたほうが、絶対楽しめたと思う。あんなに面白い雑文を書く人なんだから。とはいえ、この人はある意味「イッちゃってる」ので、これはこれで「あーまたなんかアホなことやってる」くらいに受け流すのが正解、なのかもしれないが。
中川 大一
評価:C
中島らもは天才である。『頭の中がかゆいんだ』以来、出す本書く本ほとんど全部Aランク。爆笑エッセイ、血も凍るホラー、手に汗握る冒険小説、コントあり落語あり対談あり、人生相談の回答までシリーズで出る多才ぶり。この人は私にとって、見ずテンで本を買う作家の一人だったんだ、1996年の『水に似た感情』あたりまでは。えーと。私はなぜ、本作にふれずに奥歯にものの挟まったようなコメントを書いておるのか。それは、水っぽいカルピスのような本書をもろに評するのがつらいからだ。これって、いろんな奴がちょっとめずらしい得物で戦うだけの話しじゃないか。後期の『ドラゴンボール』や『北斗の拳』みたく、毛色の変わった格闘家のインフレ状態。天賦の才人よ、捲土重来を期すべし。
仲田 卓央
評価:A
中島らもはステキだ。やる気があるんだか、不真面目なんだかさっぱりわからない。この物語に登場する奇術師たちも命を狙われてるっていうのに、毎晩大酒を飲んで大騒ぎしている。この力の抜け具合、最高である。会話にしても、地の文にしても、そのリズムと間が絶妙。なかなか血まみれの物語ではあるが陰惨な感じがしないことも、また良し。物語としては多少の傷はあるが、(主人公の巻き込まれ方が強引だとか、敵役の『暗い過去』がいかにも取って付けたような感じだとか)そういうことをほじくりかえして、グチグチ言っていても、言っているほうが馬鹿に見えてくるから不思議である。これは芸というより、才能なんだろう。余計なことだが巻末の参考文献も、なかなか味わい深い。
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