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石のハート
【新潮社】
レナーテ・ドレスタイン
本体 1,800円
2002/4
ISBN-4105900307
石井 英和
評価:A
あ。面白くなって来たと思ったら終わってしまった。しかし、アタマから読み直すのもなんだかしんどい・・・幼い頃の悲惨な体験により主人公が突き落とされ、幽閉された記憶の袋小路。その魂の堂々巡りを、いかにも多感、みたいな著者の筆により延々と執拗に描かれてしまうと、読み手もまたその煉獄に共に収監されてしまう感があり、読み進むのはなかなか息苦しいものがあった。あるいは、著者の計算なのかもしれないが。灰色の風景を歩み続けた先、ペ−ジも残り僅かになったあたりで不意に混沌が明け、もたらされる魂の救済。それまでの黒白二色の世界に光が差し、再生の温かい色に満たされる場面にはなかなかの感動がある。そこに至るまでの心の軌跡の描写と分析も含め立派な作品と思う。なんか疲れるんで、もう一度読む気にはちょっとなれないけど。
今井 義男
評価:AAA
災害や犯罪被害などに巻き込まれて助かった者が、罪悪感に苛まれるという話はよく聞く。少女エレンがいばらの道に放り出されたのは十二歳。もう一人の生存者である四歳のカルロスは優しい養父母に引き取られるが、彼女はそのことに折り合いがつけられず、弟を心の中から閉め出してしまう。そして、姉のビリーと兄ケスターの残像を引きずったまま生きるのである。惨劇の起きた家に戻り、ささめくような過去の足音に耳を傾けるには、二十五年もの歳月を要する。潮は満ち、やがて遠くへ引いていくが、人は後戻りができない。留まって朽ち果てるか、先に進むかだ。残りの人生が悲しみを相殺させるかどうかは分からない。それでもエレンは踏み出すことを選ぶ。先立った家族のためにではなく、自分のためにである。意を決して二人に別れを告げる場面は涙なしには読めない。
阪本 直子
評価:AA
絵のように円満で幸福な家庭だった訳ではないが、特に不幸で問題があった訳でもない。思春期に入った姉と兄は気難しく、12歳のエレンにもそろそろそうなる兆しがある。3歳の弟は火傷をしてしまった。生まれたばかりの妹は体が弱かった。母は神経質になり、父はそれをどうにも出来ない。だけど、ただそれだけのことだ。どうして、この家族が失われなければならなかったのだろう? エレン一人を残して。
事件から25年後、エレンは昔の家に戻ってくる。現在の生活と交互に語られる、悲劇への予兆をはらんだ一家の最後の1年間。それは濃密な愛情に満ちている。衝突も不安も悲しみも、愛情があるからこそなのだ。しかし愛情は、それ自体が幸福と生を約束してくれるものではない。
この小説の着想は、実際に起きた事件だそうだ。他人が覗くことのできない家の中。そこではどんなことも起こり得る。「信じられない!」と叫ぶのは無神経でしかないのだ。
中川 大一
評価:E
先月はフランス文学、今月は本作オランダ文学。前にアイルランド文学ってのもあったっけ。わしらって、つくづくインタナチョナルやのお((C)中場利一)。本書のテーマは家族。父・母・子からなる基礎的な社会集団は、ほとんどの社会に見られるという。普遍的なシステムが育む多彩な個人。シングルの増加や同性愛婚など、既存のあり方にほころびあるいは多様化が起こっている昨今、家族を扱う小説が陸続と生まれるのも宜なるかな。そしてその多くがドメスティック・バイオレンスを描いている。本書の登場人物たちは、どうやら精神を病んでいるらしい。結果、悲惨なことになる。だがその背後に透けて見えるのは、親子が仲良くニコニコ暮らすことのみを良しとする、極めて保守的な家族観なのである。
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