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  検事長ゲイツの犯罪 検事長ゲイツの犯罪
  【講談社文庫】
  シェルドン・シーゲル
  本体 1038円
  2002/5
  ISBN-4062734451
 

 
  北山 玲子
  評価:C
   元妻とその兄、元恋人、主人公の弟など。ドリームチームってどんなものなんだろうと思っていたら、サンダーバードみたいに身内で固めたわけね。正直最初はなんだこれと思ったけど、マイケル・Z・リューインの『探偵家族』を読んだ時に感じたちょうどいい温度のぬくぬくした感じが魅力なのかもしれない。ただ、長いわりにストーリーが単調でドキドキ感が足りないのが、ちょっと…。話の中心である謎に魅力を感じないし、登場人物たちにパンチ力がなくていまいちだった。主人公と彼を取り巻く人々との関係、検事長ゲイツとのやりとり、そして法廷シーンとどれかに比重を置いたほうがよかったのでは?ただ救いだったのは、もう飽きたよという所で登場した87歳の探偵"ニック・ザ・ディック"の存在。このいい味出しまくりのじいさん探偵の為だけに読み進めたといっても過言ではない。

 
  佐久間 素子
  評価:C
   ドリームチーム弁護団とは、こりゃまたアメリカーンなネーミングである。その名から予想できるように、口当たりよく、読みやすい法廷モノだ。何といっても人物がいい。主人公の普通っぽさ、元妻兼同僚の頼れるいい女っぷり、少年売春殺人疑惑をかけられた元上司のいけすかなさ、どれもうまくて魅力的。人なつっこい脇役たちにも注目で、特に、超ベテラン私立探偵ニック・ザ・ディック(御年八十五才)は抜群のキャラ設定。読み捨てオッケーな話だと思うし、それはそれで評価するのだが、ぼんやりした終わり方はいただけないなあ。白黒はっきりつけてくれ!この種の小説に、もったいをつけてどうするつもりなのか。

 
  山田 岳
  評価:A
   弁護士はつらい。主人公マイクは、かつてのキライな(イワクつきの)上司の弁護をしなければならない。しかもその元上司、殺人事件で告訴されているにもかかわらず、なにか隠しているのが、ありあり。マイクをたすけているのが、元妻でいまはパートナー弁護士のロージー、という設定も、なんだかややこしい(笑)。いや、いまのアメリカの世相を伝えていると言うべきか。裁判が進むにつれて、あきらかになっていく意外な事実!(われながら陳腐な表現だ)いやあ、マイクも、著者のシーゲルも、いい仕事してます。

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