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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
食糧棚
【白水社】
ジム・クレイス
本体 2,200円
2002/5
ISBN-4560047464
石井 英和
評価:A
背後から不意に、「おいお前、いつもメシ食ってるだろう。隠していても筒抜けだ」と声を掛けられギョッとする。が、なに、物を食べるなどすべての生命体がやっている事ではないかと気を取り直す。恥ずかしい事なんかではない。が、その声に含まれていた嘲りの響きが耳について離れない・・・久々にブラックユ−モアの傑作に出会った。これほど大量の食べ物が描写され、にもかかわらずこれほど食欲を減退させる作品も珍しいだろう。食物。それを巡って人々が彷徨い込む、奇怪な運命の小道を著者は、冷蔵庫の奥から、古ぼけた鍋の底から、シェフの考えた渾身のレシピの裏面から引きずり出し、64のドラマの細片に仕立てあげた。品位があり風格があり、溢れるばかりの悪意で磨き立てられた暗いユ−モアの輝きがある。苦みはあるが、その奥深い滋味を知ってしまえば癖になる。
今井 義男
評価:A
永年の偏食習慣のせいか、ショートショートにはひねりの利いたオチが絶対不可欠だと思っている。しかるにこの店の棚に並んだ64の食材にはそれがない。厨房の前では若いコミドランとシェフドランが耳打ちしながら、不満をアペリティフで飲み下す私を窺っている。おおかたSFやミステリに馴らされた私の舌をいぶかっているのだ。ほどなく運ばれてきた前菜は、控えめな盛り付けに反しておそろしく手が込んでいた。密度の濃い味と、刺激的な色取りが苦々しい胸をさらに圧迫する。結局私は一皿一皿を味わうどころか料理に組み伏せられたような気分に陥った。店を出る間際、オーナーが近寄ってくる。なかなか結構な料理だった、と強がる私に彼女の表情は瞬時に曇った。聞けばスタッフの一人が食前酒にビネガーを注いでしまったという。通常のお客様ならその時点で激怒されるのですが、と横から初老のメートルドテルが口を滑らせる。すかさず彼を叱責するオーナーを、私はさも余裕ありげにとりなしたが、ドアの両側で再度深々と頭を下げる二人は、笑いを噛み殺しているようにしか見えなかった。後日、届いた詫び状には川端と芥川の店の招待券が同封されていた。(註:この意味不明な文章は、意にそぐわない短編集に錯乱した採点員が、お筆先によって書き残したものと推察される。編集部ではこの原稿を重大な服務規程違反として、即刻処分の検討に着手した模様である。尚、当該採点員は心神耗弱を盾にとり全面的に争う構えを示している。)
唐木 幸子
評価:D
居酒屋などで友人と飲んでいると、その昔、自分がいかに貧乏だったか、を語る競争になることがある。いわゆる、『貧乏自慢』である。1週間も拾い食いをしたとか、一冬コート無しで過ごして以来、毛深くなったとか、なんでそんなことで競争になるのかわからないが、結構、本気になって、ひどい話を披露し合うのだ。それともうひとつ熱くなる話題がある。あの時食べたあれが美味しかった、まずかった、珍しかった、二度と出会えない幻の味だ、という『食べ物自慢』だ。本書は題名からして、そういう類の本かなと期待したが、それにしては洒落すぎていて面白くない。大体、自分とは違う食生活が背景になっているので、何が書いてあってどこがこの64篇の短編のオチなのかよくわからないのだ。美味しそうだ、これは食べたい、と思う魅力的な食べ物も出て来ないし。あとがきで訳者が、途中で消化不良に苦しんだ、と正直に書いているのが一番、面白かった。
阪本 直子
評価:B
ショートショート集。と言ったら少し違うか。僅か数行のもの、10頁にわたるもの、起承転結のあるもの、散文詩風のもの、内容も形式も様々な64の作品が、「第一話」「第二話」……と題名もなしに並んでいる。訳者あとがきによれば、最初から全部で64話と決めて、全体で一つの作品として書かれたのだそうだ。エンデの『鏡のなかの鏡』の感じに似てるかも。
で、全ての話は食べ物がテーマ。しかしまともな話が殆どないのだ、これが。ラベルが剥がれて放置されている缶詰。にんにくを食べ過ぎた人。なすアレルギーなのに、なすを食べずにはいられない人。去年のピクニックの後忘れていた、5か月前のゆで卵……。こんなんばっかり64話。どうですか!
という訳で、面白くはあるんだけど、1冊丸ごと読んだら悪酔いがしてきます。毎月1話ずつ、料理の写真かイラスト付きで雑誌に連載したらちょうどいいかも。
中川 大一
評価:D
マテ貝を食べたことがありますか? 私は以前、有明海でご馳走になりました。味はいまいちだが、貝掘り自体は面白い。塩をまいて、出てきたところを捕まえるのは日本もイギリスも同じようで。その形状から、つい連想してしまうものもご同様(第27話)。さて老若男女、料理には誰しも関心がありましょう。若い頃は食欲旺盛だし、老いての楽しみは食べることくらい。200ページちょっとに64話がつまった本書は一見読みやすそう。その装幀とあいまって垂涎をもよおします。ところが読んでみると、作中の表現を借りるなら「気のきいた言葉(ジュ・デスプリ)」のオンパレード。気のきいた言葉は気のきいた人間にしか判らないわけで、すると、私が上のような評価をつけたということは?……うーん、口惜しいッ。
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