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子盗り
【文藝春秋】
海月ルイ
本体 1.476円
2002/5
ISBN-4163209603
石井 英和
評価:B
人々の秘められた欲望を巧妙に絡み合わせて展開される、皮肉で悲しいサスペンス・スト−リ−。それでどうなる、その次はどうなる、との興味に引っ張られ、一気呵成に読みおえてしまった。最後まで緊張感の途切れることなし。スト−リ−に破綻はないし、説明的な会話だけで物語が進行するようなマヌケな箇所もない。登場人物一人一人もきちんと描かれている。どこにも文句の付けようのない出来上がりの筈なのだが、ではそれを心から称賛できるかと言えば、そうでもないのだ。それは、この小説が「人の弱みを突っつく」ことだけで出来上がっているから。自分の弱みばかりを見据えている人物が次々に登場し、お互いの弱みを突つき合う形で進行する物語。スト−リ−を追う面白味はあるのだが、なにか読めば読むほど世界が小さくなって行くようで、やや読後感がよろしくない。
今井 義男
評価:B
罪を構成する三人の女性。跡取りを産めず辛気くさい人間関係に精神をすり減らす美津子。夫に娘を奪われ生きる意味を喪失した潤子。そして妊婦のひとみは……うぅ、口にするのもおぞましい。存在自体が犯罪だこの女。彼女らの行動を善悪で量れば悪に違いはない。だが、美津子と潤子の味わう受難、子盗りに至るプロセスは、そんな建て前などたちどころに強制終了させてしまう。閉ざされた母性、行き場を失った母性、そして命を生み捨てる母性、これら不幸の三重奏をありきたりの正論で片付けるのはいかにも空々しい。私は非常識な人間なので、子供が幸せなら法律なんかどうでもいいと思っている。従ってこの結末になんの異論もない。説明的になりすぎた後半にやや難があるが、ひとみが強烈なので大目に見ることにしよう。
唐木 幸子
評価:B
流石にたくさんの賞を取っている人だけあって、文章も構成もとても読みやすい。私はこの本、一気読みだったし、真犯人もアっと驚いた。だったらなんでAじゃないんだよ、というと・・・、何だかあちこちに省略を感じるのだ。3人も個性的な主人公格の女性が登場してそれぞれのエピソードも単純ではない。それらがまるで大河ドラマの総集編を見るかのように通り過ぎていく。私のような、少しでも得心の行かないことがあるとムっとなる読者が満足するようにこういう濃い内容を書き込むには、単行本としてこの倍のページ数が必要だったんじゃあないだろうか。特に、看護婦の潤子と娘の関係や、ひとみ(スナック食い散らかして太ってるんで、他人と思えないところが辛い)の愛人・峰岸の役割など、えっ、えっ、どこかに書いてあったのを読み飛ばしたか、というくらい断片的だ。でも本作品はドラマ化されるんだろうし、その点、更にこれから作り込めて良いかもしれないけど。
阪本 直子
評価:A
読者として小説の登場人物に寄せる共感は、現実の人間に対するものとは違う。実際に自分の周りにいたなら好意も親近感も決して持たないであろうタイプの相手とも、紙の上でなら嫌気がさすことなくつき合える。その作者の腕がよければ。
この小説には3人の「ヒロイン」がいるが、彼女達の誰一人として、プラスの個性を与えられてはいない。跡取りを産めない嫁という立場に抗って、赤ん坊を盗もうとする美津子。感情が死に絶えたような生活を送っている看護婦の潤子。幼稚なくせに狡猾なひとみ。彼女達だけではない、美津子や潤子の婚家の人々も、潤子に執着する男・峰岸も、およそ出てくる人間全てが愚かで空疎な連中ばかりなのだが、それを描く筆には愛情、もしくは熱意がある。愚かさを正当化もしない代わりに嘲笑もしない。ただ、そういう人間として、ぽんと読者の前に提示する。それだけの筆力のある作者だ。
仲田 卓央
評価:D
サントリーミステリー大賞受賞作! である。でもこれ、ミステリーか? そりゃ、人も死ぬし、犯人もいるし、警察も出てくるので、「ミステリー!」と言われれば、ああそうか、と思うしかない。常軌を逸する人々にはそれぞれ深い事情がある、それは分かる。優れた物語はそれぞれの事情をしっかり描く必要がある、それも理解できる。だが、事情がしっかり描かれれば描かれるほど、「これをミステリーとして描く理由」が分からなくなってくるのだ。なんか、ミステリーとして成立させるために、ムリヤリ意外な人が殺人を犯しているように思える、すごく「木に竹」な感じである。いいじゃん、ミステリーにしなくても。ミステリーにしたために中途半端、そんな作品であった。全然関係はないのだが、選評で「女性ならではの素材選び」とかいまどき言ってる人がいて驚いた。やっぱりこの業界って・・・・・・・。
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