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水の時計
【角川書店】
初野晴
本体 1,500円
2002/5
ISBN-4048733826
石井 英和
評価:C
違和感を感じた部分がいくつか。まず一つは、主に医療関係の解説がくど過ぎる部分。詳細過ぎ、もう分かったから早く話を先に進めてくれと苛立つ事、再三だった。もう一つは感情の奔流が唐突に現れる部分。著者の内部では十分必然性があるのだろうがこちらにはあまり納得できない形で感傷的なシ−ンにいきなり突入し、登場人物が号泣しはじめたりする部分が現れる。これは逆に説明不足だろう。どうも著者には、細部にこだわりすぎ、また、自分の世界に入り込み過ぎる傾向があるのではあるまいか。さらに、物語のクライマックスで説明されるすべての因果関係について。これは各要素の結びつきが強引過ぎる感があり、すなおには呑み込み難い。詳細過ぎる細部、強引過ぎる全体、頻出する不自然で過度な感情表現と、様々な「過」に困惑させられる作品だ。
今井 義男
評価:B
ひとつひとつの挿話が淡々としすぎているが、重苦しさを感じさせずに読ませる工夫は評価できる。テーマがテーマなので軽々しくも扱えないし、力んで説教くさくなっても面白くない。臓器移植への理解が十分に浸透しているとはいえないお国柄であるから、そのへんの匙加減は難しい。主人公・昴の役割から当然、カー・チェイス連発のハラハラ展開だと予想したが外れた。かといってタイトルほどにはファンタジー色も強くない。シフトをどちらかに振り切った方が読後の印象はより鮮烈だったと思う。葉月と昴に運命的なつながりがあれば、いっそう深みのある物語になったのでは。
追伸。トンデモな説を取り入れるのは別にいいが、時代遅れな情報は困る。それと冒頭『幸福の王子』の抄訳から最後の場面を省略した理由を知りたい。
唐木 幸子
評価:C
本書に対する読後感は、『子盗り』とは全く逆だ。つまり、一冊をこの半分の量に整理したら素晴らしかったのではないか。例えオムニバス式であるにしろ、不必要な登場人物、会話、ディテールが邪魔をしてぎくしゃくして読みにくい。例えば248ページの、「白血病は血液中の血球のがんになる」という文章だが、「白血病は血液のがんだ」のほうが正確だし読みやすい。その後の骨髄移植の適合性に関する記述も、著者が関連の専門書籍を一所懸命に読んで理解できた内容を書いてみた、という雰囲気がありありで、小説としての中身になりきっていない。これはほんの一例である。自分の中の確かなものはイメージだけ、あとは血肉になっていないものを話の骨格のあちこちに貼り付けてみたら原稿用紙の枚数は大変な量になった、そんな感じだ。著者は大変に真面目な努力家なのだろうが、この作品は横溝正史ミステリ大賞としては少々、初々しすぎやしないか。
阪本 直子
評価:A
横溝正史ミステリ大賞受賞作、しかも全選考委員が「激賞!」「絶賛!」と帯にある。受賞作だからといって軽々に安心はならず、それどころか選考委員への信用を一気に無くすことさえままあるのだが、しかし今回の顔ぶれは綾辻行人や北村薫ですからね。皆さん、信じてくれていいです。
語の厳密な意味から言えば、多分この小説は「ミステリ」ではない。しかし「ミステリの雰囲気」を備えている。冒頭から結末まで途切れることのない緊張感と、その後に漂う静かな余韻と。そして、ここには生身の人間が動いている。数字や記号ではない、ゲームの駒でもない、それぞれの体温と痛覚と感情と思惑を持った人間達だ。真紅のバイクを駆る少年。その姿を目に焼き付けて立ち尽くす人々。月明かりの病室に響く、アンプからの声。一つ一つの場面が、どれも息を呑むほどに鮮烈で美しい。
あ、それからこのことも。内容とは関係ないけど、カバーの下の表紙もぜひ見て下さい。
中川 大一
評価:C
横溝正史ミステリ大賞受賞作。巻末の選評、うーむ、結構みんなシブイこと書いてる。坂東眞砂子なんて、(他の候補とひっくるめて)「まず感じたのは失望だった」だって。「全選考委員激賞!」(オビ文)と言うには無理があるぞ(*^。^*) ほんとのところどうなのか。核となるアイデアは優れもの。エピグラフに掲げられたオスカー・ワイルドの「幸福の王子」がよく効いている。具体的な展開はどうか。100パーセントリアルな小説にするには基本設定に難しいところがあって(脳死の少女との意思疎通)、そこをクリアすべくファンタジックな味付けがほどこしてある。そのへん、虚実の継ぎ目がぎくしゃくしているのがやや難。研磨の足りない原石といった感じでありましょうか。
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