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└2001年5月
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
偶然にも最悪な少年
【角川春樹事務所】
グ スーヨン
本体 1,800円
2002/6
ISBN-4894569396
石井 英和
評価:E
冒頭から繰り出される、あまりにもありがちな「今日風若者風俗」の描写にはガックリさせられる。暴力ありセックスありオクスリあり、そして渋谷でありケ−タイであり「家庭の事情」であり。またその話かよ。新しい視点の提示は何もなく、主人公のキャラも、あちこちからの切り貼りのような薄っぺらなイメ−ジで深みも何もなし。著者がここで行っているのは単なる「今ウケの定番メニュ−」の列挙作業であって、小説家の、表現者の行為ではない。こんな、クリエイティヴな要素を決定的に欠く物語のハザマに、社会に対する批判めいた言質やら「在日」の一言やらを挟んで「状況を鋭くえぐった」つもりでいるのなら、小説というものを甘く考え過ぎている。後半を占める「渡韓エピソ−ド」も、取ってつけたような、これも既視感の強い物語で、わざとらしさばかりが残った。
今井 義男
評価:AA
『晴子情歌』とはまた別の意味で時代が芽吹かせたとしかいいようのない獰猛な小説。ただでさえ希望の持てない今日の日本に、身もふたもない在日コリアンの状況。良識が社会を維持するための安全弁なら、引っこ抜きたくなる気持ちもよく分かる。<無為>をここまであっけらかんと書かれると、棘でも毒でもまあ別にいいか、と非国民の私などは簡単に同調してしまうから困ったもんだ。目くじら立てる人になにをいっても詮ないことだが、問題作扱いは相当ではない。このような物語は自然発生的に出現するから、いくら間引いたって無駄である。いまや『時計じかけのオレンジ』も『さらば青春の光』もすっかり色褪せた。花の命と反社会的作品の賞味期限はことほど左様に短い。反則技大いに結構。以後もこの調子をキープして我々の神経を逆なでしてもらおうではないか。
唐木 幸子
評価:A
あー、良かった。締め切りは明日だが、頑張ってもう一冊、と読み始めたこの本。そこら辺の本にはない強さに満ちた迫力本だった。帯に、「自殺した姉の死体を運ぶ少年」云々と記されているが、どうしてこういうことを書くのか。それは残り3分の1からの話だろう。むしろ、何故そんなことに、という主人公の少年・カネシロの日常が描かれるそこまでが充分に読ませるのだ。渋谷の光景が何気ない言葉で描かれているにもかかわらず、そこに雑踏の緊張感を感じるし、カツアゲをしに単身、男たちに向かって女子高生・由美が歩いていくシーンでは、そのカッコ良い後姿があざやかに思い浮かぶ。著者は名立たるCFディレクターだそうだが、短い時間で視聴者の心をグっと掴む力のある人なんだろう。私は会話が多いとマイナスに感じることの方が多いが、本書の会話はその奥の心を感じさせるほんものである。カネシロの友人でアイドル顔の金持ち息子・原田や赤いセリカに死体を乗せて九州まで行く不良のタローなどの脇役まで存在感に溢れている。一切の無駄のない筆致に押されて、終盤の急展開まで一気に読める。
阪本 直子
評価:D
まず読む前に著者略歴を見たら、この作者はCFディレクターらしい。テレビ屋さんが書いた小説か。ということは、もしや……胸をよぎった一抹の不安は、不幸なことに、杞憂ではなかった。
舞台はどうやら東京で、センター街とかいうところが出てくるが、説明も描写も殆どなし。東京のギョーカイ人には確かにこれだけで判るんでしょう。まるで昔の歌枕みたいに。だけど生憎、こちとら無知なあずまえびす、都の常識なんか知りません。地名、店名、ブランド名、ただそれだけ投げ出されても、街のイメージは立ち上がってなんかこない。それから会話。何人もが一度に喋ってる時、どれが誰の台詞なんだか判らない。判らせる工夫をした形跡もない。全体に、何か絵コンテの説明メモみたいな文章なのだ。
物語の内容だけを見れば、作者は真剣に書いたのだと判る。だけど、下手です。いくら題材が切実でも気持ちが真剣でも、下手を大目には見られません。
谷家 幸子
評価:B+
自殺した姉の死体を病院から盗み出し、西へと運ぶ少年。
エキセントリック極まりない行動に何故か胸を衝かれて、泣きたいような気持ちになった。
彼のその行動は、彼にとっては必然だった。そのことがすとんと胸に落ちてきて、感情の根源を揺さぶったのだ。
盗み、暴力、セックス、ドラッグ。どこまでもどこまでも救いのない描写の羅列なのに、そこからは強烈な生命の匂いがして、目が離せない。
在日韓国人である「カネシロ」の抱える絶望感に対して、共感などという言葉は使えない。だが、彼の絶望感を生み出した日本という国に少なからずうんざりした気分を持つ者としては(その「うんざり」には結局私も加担しているわけだが)、どこか共振する部分を感じてしまう。偽善?そうかもしれない。
とにかく、凡百の偽ノワールはまとめて蹴散らす快作には違いない。お薦めです。
中川 大一
評価:C
アナーキーな文体が、型破りな主人公によく似合う。「声に出して読みたくない日本語」(笑)ナンバー1! 魅力的なキャラクター、文章であることは間違いない。けど、長編一本分引っ張るにはストーリーがちょっとしょぼいんじゃないか。姉の死体を盗み出した少年が西へ西へクルマを走らせる、というのが骨格。その前に、姉と少年とのインセストが描かれるが、めちゃくちゃ唐突。なぜ、こんなことが何の前触れも説明もなく起こるのか? それは、登場人物が自由に振る舞った結果じゃなく、作者が読者にインパクトを与えようとしているからでしょう。それって、漫才師が自分でギャグを言って自分で笑ってるみたいなもんじゃないか。ここが物語の起点だけに、もう一杯の誘い水(読者を導く仕掛け)がほしかったなあ。
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