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神様のボート
【新潮文庫】
江國香織
本体 438円
2002/7
ISBN-4101339198
石崎 由里子
評価:A
人を愛することは、自分の時間を半分捧げることだと感じている。
一人の人を生涯愛し続けることは、人生を共有することだと思っている。たとえ相手の存在が目に見えなくても。
子どもの目を通して語られる母と、妻の目を通して語られる夫。子どもは母を見ているけれど、母は夫を見ている。
時間を経ても母は女として夫を待ち続け、子どもは母から旅立ち、大人になるための船を漕いで行く。
女である母の、夫がなぜ出ていったのか?その理由を問わずに、「必ず戻ってくる」という言葉を信じて、ただ待ち続けることのできる精神力を美しいと感じ、憧れと嫉妬を覚えた。
内山 沙貴
評価:B
どんなに豊かな感情も、閉じ込めてしまえば静かになる。がしゃんと割れそうな宙吊りのガラスみたいな、不安定を孕む、地平の隅々までを支配する凪。どこにも激しさはない静かで深い黒でどこまでも続く海の断面。不気味なほどに静かな水面。押さえつけられた狂気たち。この物語をなす感情が狂気であるとよく分かるのに、怖くない。何もかもが身近に感じられる。それほどまでに狂気は小さな日常に溢れているのだと気付き、そっと身震いをする。狂気は純粋で歪んでいて、静かだけれど危険で、危ういのに壊れずにそこにある。すごく素敵な感情が溢れていて、忘れられた日々は目に眩しいくらいだけれど、主人公たちの狂気が鏡に投写された、少しだけ心の痛む物語だった。
大場 義行
評価:E
江國香織が用意した狂気はあざとすぎる。それは狂気とは言い難く、しかも恋心ともとれなかった。神様のボートに載った男に再びまみえるために、あちこち転々とする母子。もうすでに神様のボートという所が個人的にはとにかくダメ。母の視点、子の視点、切り替えて時間を進めている点、神様のボートという点、男との良き時代を語るという点、すべて狂気と恋の紙一重ぶりをアピールしようしようとしすぎている感があり、最後まで馴染む事ができなかった。なんだろうなあ、こんな書き方は良くないとはわかっているのだけれども、どうしても先に読んでしまった「恋愛中毒」が良くて、はまれなかった。これは個人的な好みだろうから、この二作、他の採点員がどう読むのかが楽しみでならない。
北山 玲子
評価:D
『恋愛中毒』の後にこれを読み、あまりの違いに戸惑った。あちらには圧倒的な説得力と現実味があったのだが、本書は何か地上30センチ程浮上した世界の話のような気がしてならない。いろいろな装飾を取り払ってしまえばこの話はコテコテ演歌の世界だ。自分のもとを去った恋人に会えるまで母子旅烏の生活。「神様のボートに乗ってしまったから」とスカしている葉子のセリフは、日本人がブロンドウィッグを被って芝居しているような違和感がある。葉子の言う事に矛盾を感じるし、何故こうなってしまったのかという裏付けも…?という感じ。唯一娘の草子がまっとうなことを言うので救われた。
こういう感覚のものが好きな人には面白い話だろう。でも自分にはなんだか目黒川沿いにあるオープンカフェで、どんよりとした川の水と臭いに我慢しながらも涼しい顔してお茶を飲んでいる人を見ている、といった感じのものだった。
操上 恭子
評価:C
中島みゆきの昔の歌を思い出した。「流浪(さあすらい)の歌」とかそういうやつだ。あの歌に肉付けをして、小説に仕立てればこんな話になるのかも知れないな、と思った。ただ、学齢期の子供を連れて、こんなふうに跡形もなく失踪することはできないはずだ。住民登録をしていなければ学校へは通えないのだがら、きちんと住民票を移して引越を繰り返しているのであれば、後を追うのはそれほど難しくはないだろう。「彼」はともかく、死ぬほど心配しているはずの両親が追ってこないのは何故なのだろう、などどふと考えてしまう。そんなことは気にせず一種のファンタジーとして読まなければいけないのかも知れないが。
佐久間 素子
評価:B
ここのところ、どうもしっくりくる作品に当たらないのだけれど、著者のつむぐ世界はいつもしなやかで心地いいので、ついつい手を出してしまう。本書も心地いいにはちがいなく、するすると読み進んでいくうち、気がついたらとんでもない所に連れていかれてしまった。やわらかい筆致で、何も変わっていないような顔をして、まるでハッピーエンドのように、唐突に物語は終わる。去った恋人のために生きる葉子は、決して自分勝手な母ではなく、そんな母を慕う草子は、決してかわいそうな子どもではない。だから、このラストは必然なのだ。何と怖い話だろう。怖くて悲しい。どうしても好きにはなれないけれど、「江國文学の最高峰」という評価には納得する。
山田 岳
評価:D
ちかごろの話題の江國香織をついに読める!と、意気込んで本を開いたのだが。ごめんなさい。文体がどうにも肌に合いません。メルヘンと恋愛小説の同居、らしい。
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