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(上)
(下)
亡国のイージス
【講談社文庫】
福井晴敏
本体 上・下各695円
2002/7
(上)ISBN-4062734931
(下)ISBN-406273494X
大場 義行
評価:C
確かに面白い事は面白い。けれど、個人的にはどうしても何かがひっかかる。「沈黙の艦隊」ばりのイージス鑑一隻の反乱という設定。前作「twelve Y.O」と繋がっている設定。登場人物たちの思い。この辺りは熱い。特に数多くの登場人物たちは皆それそれ戦う理由がある所。これは素晴らしい。例えば死んだ息子、自分の船という気負い、使命、妹への誓い、国に対する思いなどなど、様々な理由を抱え込んでいる。これがおもしろくないはずがない。なのに、読み終えてしまうと、うーん、でもなあと、ひっかかってしまうのだ。これはたぶん、映画の「ザ・ロック」の日本版の様に読めてしまったという点と、登場人物が皆熱すぎて、読者である自分が置いていかれている感じ。この二つが原因なのかもしれない。
北山 玲子
評価:A
家庭でも先任伍長でしかないと妻に離婚を突然言い渡される仙石は、映画や漫画に出てくるやたら正義感に満ち溢れた軍人ではなく、普通のおっちゃんだ。しかし、このおっちゃんが上巻のラスト辺りで俄然カッコよくなる。仙石の自分をもう一度取り戻す決意みたいなものが冒険小説を読んでいる時の一番の醍醐味だ。
また、もう一人の主人公・如月行は何故か有島武郎の『生まれいづる悩み』の木本と重なった。時代も境遇もまったく異なるのだが、どちらも不器用で無骨な中に純粋な心を持っているところが似ているのかもしれない。
イージス搭載の護衛艦というリアルな軍事システムをベースに展開する架空の物語は、未来に起こり得てもおかしくはないと思わせるリアリティがある。それは現実の軍事事情をただの資料の羅列で終わらせずに、著者がそれを噛み砕き自分のものとしているからではないだろうか。
山田 岳
評価:A
A評価をつけたので批評は辛口にする。
「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」という挑発的な帯コピーだが、国際法上は、これは戦争ではない。テロリストと反乱海上自衛官たちによる<事件>。そこに謀略の中で息子を殺された艦長の<怨念>がからまって、なんともウエットな展開になる。
「ほかの自衛官たちもいずれわかってくれる」とはいうものの、わかるのは、2・26事件から何も学んでいないこと(ため息)と、殺し合いが憎しみを倍化させるという、あたりまえのことばかり。
「まあまあ、そう言わずに」という日本人気質が、実は戦争には一番有効なのかもしれない。だんだんそんな気がしてくるが、そんなことを言う登場人物はいない。あたりまえの話だがテロリスト集団と反乱自衛官たちは一枚岩ではなく、政府側工作員による破壊活動を前に<お家騒動>もどきの内紛が巻き起こる。と、これまた日本的な展開。かわぐちかいじの『沈黙の艦隊』がドライに徹して成功したことを考えると、本作は日本戦争文学の負の遺産を引きずっているのかもしれない。
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