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>> 本やタウン
パーク・ライフ
【文藝春秋】
吉田修一
本体 1,238円
2002/8
ISBN-4163211802
石井 英和
評価:D
「らしいもの」を並べ立てられて「鋭い!」と感ずるか「恥ずかしい」と感ずるか、だなあ。ニュ−ヨ−クのデザイナ−の話。猿。スタ−バックスの味が判るようになった女たち。人体模型。音声を消して「ニュ−スステ−ション」を見ること。臓器販売会社。それに関する感想あれこれ。公園で気球を上げる男。立ち現れては流れ去る恋愛やら生け花やらの逸話。展開される世界は適当に湿度が低く適当にこぎれいで適当に意味ありげで。要するに「今時受けそうな文学」をなぞったような作りばかりが感じられて、私には退屈でしかたなかった。でも、帯に記された「芥川賞受賞作」の文字や並べ置かれた「選評の言葉」など見ていると、そんなものの成果が「文学サロン」入会の資格を満たしたと認められたようですね。私はそんなサロンから生まれるものに興味もないですが。
今井 義男
評価:A
二年前ならこのような本は絶対に読まなかった。たとえ無理やり押し付けられたとしても適当にやり過ごしていた。人間いくつなっても発見と学習の毎日である。とにかく読んでみる。そうすることでまったく違った世界に出会える。ウイークディの午後、公園でわずかな時間を共有する男女。たったそれだけの話だ。平凡な日常の素描を世に問う意味、またそれを読む意味がどこにあるのか。長年分からないまま生きてきた。いまも分かったとは思えない。が、これだけははっきりといえる。人間を書くことが、すなわち小説である。面白い人間を書くことなのではなく、人間を書けば面白いのである。本書に収められた二編はそのことをいともたやすく証明している。
唐木 幸子
評価:B
芥川賞を受賞した表題作をさしおいていうのもなんだが、後半に収められている『flowers』が、より心に残るものの多い小説だった。純文学とはあまり縁のない私も、淡々とした話に吸い寄せられて実に複雑な読後感を得た。運送会社に就職した主人公は、不気味なくらい恥知らずな男・望月とペアを組むことになる。この望月は、同僚の妻と平気で関係を結んだり下品な深夜TV番組に出演したりする怪しい男だ。この望月に翻弄される気持ちを通して、主人公の人となりが語られていく流れが素晴らしい。しかし実はこの物語の中心は、主人公と妻・鞠子との微妙な夫婦関係にある、と私は見た。幸せな妻なら乏しい月収の多くを投じてパークハイアットだのウエスティン(うわ、田中康夫みたい)だのと豪華ホテルを泊まり歩くのを趣味にしたりしないな。鞠子が徐々に生活態度を変えていく様が痛々しい。この『flowers』は表題作の3年も前に文学界に発表された作品らしい。やはり力のある作家なのだろう。
阪本 直子
評価:D
この点をつけるのは、或いは間違いかもしれない。これは“純文学”に属する小説な訳だが、私はこのジャンルに普段全く御縁がない。従って多分、私の中にある尺度で計るのは見当違いなのだろう。表題作で重要な日比谷公園もスターバックスも私は全く知らないから、これらに絡めて人生や世の中を語られても困ってしまう。例えば都筑道夫の小説には昔を語る老人やウンチク野郎を登場させて読者に知識を与える工夫があり、少しくどいと思ってたけど、比べると俄然その丁寧さに感じ入るなあ……というのもきっと見当外れだよな。そもそも最初から判る人しか想定してない書き方だもの。私のような東京門外漢がこれを読むこと自体が多分間違いなのだ。
表題作に比べると、「flowers」は登場人物が高級マンションに住んだり趣味嗜好が小綺麗だったりしない分まだ少しは取っ付き易いが、こういう鬱陶しい日常を、わざわざ書き、わざわざ読むのは何の為なのだろう。
谷家 幸子
評価:B
芥川賞受賞作、ということを知っているかいないかで、この作品に対する印象はかなり違ってくるのではないかと思う。まあ、私に「芥川賞はどんな作品がもらうべきなのか」といった定見があるわけもなく、過去の受賞作品を良く知っているわけでもなく、今回の他の候補作を知っているわけでもない。こんな意見はたわごとでしかないのだが、はっきり言って芥川賞という但し書きがなければ、さほど印象深い作品とは思えない。「賞取ったんだからすごいらしいんだけどねえ」というアホみたいな感想を抱くのみだ。
そうは言っても、全く面白くなかったというわけでもないのだ、これが。実に淡々とした低温かつドライな筆致で語られる「ぼく」の日常は等身大にリアルで、ちょっとしたエピソードが奇妙に心に残る。「彼女」との出会いやその後のやり取りもなかなかいい感じ。大きな事件は何も起こらないが、読み手は自然に「ぼく」の感情に寄り添える。そこそこ魅力的な小品、ではある。
ひとつ苦言を。併載の「flowers」の一節に「缶ビールを…投げてよこし」とあるが、これは大大NGだ。そんなことしたら、泡ふいちゃって大変なことになるぞ。あまりにもリアリティなし。
中川 大一
評価:B
こないだ来たお客が、小学二年生の息子に「好きな食べ物はなあに?」と訊いた。まあ、よくある質問だ。ハンバーグかカレーあたりを答えるかと思ったら、「塩かけご飯」だって。くくくくく、親に恥かかせやがって。客が帰ったらどうなるかわかってんのか、ええ(--メ)? しかし、そう言えば、炊きたての白米はなぜあんなにうまいのか。べつに高級な米じゃない。味付けもしてない。だけど、ついつい、わしわしわしといただいてしまう((C)椎名誠)。表題作はそんな味わいの小説だ。気どった描写もドラマチックな展開もない。登場人物たちは、人格と人格をぶつけあうでもなく、かといってすれ違うだけでもない。そんな緩やかな関係の結び方に、公園という舞台がよく合っている。滋味あふるる佳作。
仲田 卓央
評価:B
この小説、けっこういいぞ。芥川賞なんて、どうせ文藝春秋のお祭りでしょ? 審査員も、とっくに自分のポジション築いちゃって、あとはセンスのないことい言い散らかしても世間が良くとってくれるジジイとババアばっかりなんでしょ? そんなやつらの選ぶもんなんか、どうせたいしたことないんでしょ? などと思って日々暮らしている私なのだが、この作品は正直、なかなかいい。鋭いのか鈍いのか、まったく分からんところがいい。例えば作品の中に「スターバックスの味を覚えた女」という表現が出てくるのだが、その女というのはどんな女か。スタバがただのまずいコーヒー屋であることが分かってるのにスタバでコーヒーを買ってしまう女なのか それともスタバの、例えばモカフラペチーノっておいしいよねとホントに思っている幸せいっぱいの女なのか。この辺りが三浦哲郎の評すところの「隅々にまで小説のうまみが詰まっている」であり、村上龍評すところの「あるのかどうかさえはっきりしない希望」であるのだとしたら、じじいもわかってんじゃん、そういう感じである。
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