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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
ツール&ストール
【双葉社】
大倉崇裕
本体 1,800円
2002/8
ISBN-457523446X
石井 英和
評価:C
こんな作りのドラマをどこかで見たなあと思ったが、運転免許証の書き換えに行った際に警察で見せられた「交通安全の手引き」とかいうビデオ、あるいは税務署で見せられた事のある「税金のあらまし」なんてビデオに似ているのだった。安全な交通の方法や税金の流れについて、俳優たちが出てきて、軽いコント交じりで実例を演じてみせる、あの種の説明ビデオ。とにかく全編、あんなノリなのだ。完全に「聞き役」に設定された主人公の前に各種「その道のエキスパ−ト」が登場し、スリやら捨て看板やら万引き摘発の実態やらについての「一口知識」を非常に説明的な台詞で並べてみせ、後はそれ絡みの浅いドラマが始まって終わるだけのもの。特に小説としての深みも味わいも感じられない。こちらとしては「ああそうですか」と呟いてペ−ジを閉じるくらいしかやる事もなし。
今井 義男
評価:A
冷たいものばかり飲んで疲れた胃にやさしい軽さだ。素人探偵の手に余る事例もあるが、大体は日常的なサイズで事件は起こり、就職難民・白戸修は巻き込まれ続ける。頼みもしないのに向こうからやってくる悪意の数々を鋭い嗅覚で嗅ぎ分け、さらりと捌く手際が軽やかである。この小舞台では血生臭さや、やりきれない結末にうんざりすることもなく、記号化した人間も出てこない。ここは東方の果ての果て、なんだかんだいっても最後はやっぱり人間味がものをいう。主人公の人のよさがそのままこの連作集の魅力である。ディテールもよく書き込まれていて物語の骨組みは印象以上に太い。欧米のクールな短篇も捨て難いが、たまにはこんなゴーヤ茶みたいなミステリもいい。たとえにもなにもなっていないが。
唐木 幸子
評価:A
ここ数ヶ月、若い男性作家の放つオーラに圧倒されっぱなしである。新人賞、とか処女作、とか言うと多少は用心しながら読むのだが、小説推理新人賞受賞作の本書は全くその心配がない。常日頃、若い男のことを、何をどこまで考えてるんやろ、とあなどりがちの私だが、ちょっと反省、大いに尊敬。収められた5編の短編とも導入部が実に巧みだ。買い換えたばかりの携帯電話に間違い電話がかかってきて、一方的に「問題が発生したから今すぐに待ち合わせ場所に来い」と言われて、普通、あのー、さっきの間違い電話でしたよ、と言いに行くか? そこを主人公の筋金入りのお人好し・白戸修は行くのだ。その行動が実に自然に描かれるので、なんだよバカバカしい、と放り投げることなく読んでいける。荒唐無稽な話を面白いと読者に思わせる、それは大変な才能だ。出来不出来はあるものの、どのストーリーにも思いがけない真相が用意されている。著者がどんな人か、あんまり知りたくないので、小説誌に写真入りでドーンと出たりしないで欲しいが、もう出てる?
阪本 直子
評価:B
おお、これは最近珍しい。この主人公、現代東京に生きる23歳の男でありながら、暗い過去も人に言えない秘密も意外な特技も持ってない。金にも女にも縁がない。只の卒業と就職を間近に控えた大学生で、バカがつくほどのお人好し。この性格と運の悪さが災いして数々の事件に巻き込まれる。銀行へ行けば強盗に出くわし、デパートへ行けば万引き容疑をかけられるのだ。個々の話で細かい展開の仕方は勿論違うが、基本的には全編ワンパターンを守っている。5つも続けば飽きそうなものだが、これが楽しく読めるのだ。主人公の人柄に見合っているというのかな。利用され騙され巻き込まれて振り回され、その度にお人好しだと呆れられながら、しかし彼はいつも接した相手にちょっぴり影響を与えている。本人は全然気がつかないままに。全く無自覚に爽やかなのだ。戸梶圭太もいいけど、こんな奴だってやっぱりいなくちゃね。
これ、ドラマ化したらきっと面白いです。
中川 大一
評価:A
少ない登場人物、短い分量。よって真相の見当はつきやすいし、事件はあっという間に解決する。ノリも軽いし犯罪も軽い。殺人ではなく、万引きやスリ、盗聴などが中心。なかには看板の不法設置なんていうのもある。マニア受けしなさそうな作品だなあ。だが、少々キズがあろうとも、私は断固支持。昨年12月に荻原浩の『誘拐ラプソディー』を応援したのと同じ理由だね。流行りにのっかっただけのノワールなどクソ食らえ。出よ、ユーモア・ミステリの佳品! 本書の主人公である白戸修くん、君は巻末で出版社に就職してしまうわけだが、それで素人探偵を辞めちゃうのか? いやいや、辞めたくとも事件の方は君を放ってはおくまい。ということで、次回は編集者(あるいは営業マンか)探偵の活躍を待っておるぞ!
仲田 卓央
評価:C
お人好しの大学生、白戸君が次から次へとトラブルに巻き込まれつつも、最後には持ち合わせの頭脳と、相当な幸運でもってなんとかトラブルを解決するという物語である。よくある巻き込まれ型のミステリなのだが、ちょっと鋭いのは白戸君の人物描写であろうか。とにかく白戸君、人を信じること甚だしい。そして信じた結果、トラブルに巻き込まれる。中野という町に出かけるたびにトラブルに巻き込まれることから、帯には「やっぱり中野は鬼門なのか!?」と書いてあるが、そんなことはない。白戸君自身はトラブルに巻き込まれるのはこりごり、みたいなことを口にしているが、無意識下でトラブルがやってくるのを今か今かと待ちかねているはずである。口では嫌だと言っていながら、実はそれを待ち望む心理。本作はそういった人間の矛盾を鋭く抉り得た名作である。おお、言い過ぎ。
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