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黒頭巾旋風録
【新潮社】
佐々木譲
本体 1,700円
2002/8
ISBN-4104555010
石井 英和
評価:C
絵に描いたような「悪代官」がいて、典型的な「悪辣な搾取」を受ける人々がいて、ついに義に燃えて立ち上がる黒覆面の騎手!いまどき、明快過ぎる物語。表紙絵の印象もあって、私は最初、子供の頃に親しんだ「少年読み物」の復刻かと思ってしまった。でも、それとも何か違う。単純な勧善懲悪物語のようでいて、どこかに「搾取された人民は、かく立ち上がるべし」的な説教臭が漂うのだ。要するにこの作品、昔の左翼の人が考えた「民族解放闘争」の図式の、そのまんまの絵解きなのね。もう、革命の兆しを嵐の到来に象徴させるなんてあまりにも形通りで、著者の意識のうちでは多分、まだソビエト連邦は崩壊していない。アナクロもここまで徹底されると逆に爽快な感じがしてきて思わずAを付けそうになったが、本気に取る人がいても困るから、こんな所にしておきました。
今井 義男
評価:AA
弱きを助け強きを挫く子供だましみたいなドラマがいまだに作りつづけられている。ヒーローが登場するにはそれなりの背景が前提になるのだが、その辺はまったくおざなりである。もちろん佐々木譲はそんな能天気なものは書かない。表題は立川文庫のノリでも中身はいたってシリアスだ。黒頭巾は不死身ではないし、超人的能力もない。虐げられる人々全てを救えないことも知っている。堤防が蟻の一穴ごときで崩れないこともだ。それでも巻き起こす一陣の風がいつか抵抗への呼び水になり、大地を揺るがすうねりとなるかもしれない。束の間そんな夢を見た。とうに決済の下りた歴史に詮ない期待をするのはバカである。そう、バカでよかったと私は本気で思う。 《ヒーローのいない国家は不幸である。だが、ヒーローを必要とする国家はもっと不幸である》寺山修司は正鵠を射ていた。
唐木 幸子
評価:B
この作品でうなったところはただひとつ。物語の最終コーナーで絶体絶命の大ピンチに陥った黒頭巾を雄々しく救いにやって来たその人は! 大層、意外な人物なのである。そうか、この人は最初からなにもかも承知で、陰になり日向になりして黒頭巾を助けていたのだなあ、そう言えばあんなシーンもこんなシーンも思い返されるなあ・・・・としか書けないが、これは読んでのお楽しみである。黒頭巾というのは、蝦夷へ侵攻した松前藩の武士や商人に痛めつけられるアイヌの人々の苦難を助けに、どこからともなく現れて悪人どもを懲らしめる、まあ、スーパーマンである。そのスーパーマンが遂に捕らえられて拷問されて、いざ磔の刑に処されようとしたそのとき!・・・・・・ 読んでのお楽しみだな、やっぱり。
阪本 直子
評価:B
新聞連載中に愛読していた我が母親が、単行本の広告を見て言った。「これ、佐々木譲さんだったんだねえ……気がつかなかった!」つまりそういう小説なんである。作家の芸術や自己表現がどうだとか、そんな小難しい話は一切無用。舞台は天保の蝦夷地松前藩(つまり北海道ね)、和人の圧政に虐げられるアイヌの悲惨……って、ほら見ろ真面目な話じゃないかって? いや、真面目は真面目なんですよ。娯楽冒険活劇として真面目なんです。無法と非道の蔓延る所、きっと現れる正義の味方。黒装束に黒覆面、黒マント(!)を翻し、跨る駿馬は西洋の馬具を置いた西洋馬だ! ね、リボンの騎士に紅はこべ、それこそ怪傑黒頭巾、愉快痛快娯楽冒険王道ヒーロー活劇の世界でしょ。今に至るまでの現実の北海道史についてはこの際言いっこなし。本読んでる間くらい、すかっと溜飲を下げましょう。あとは連載時の挿絵が入っててくれれば、もう言うことなかったんだけどねえ。
仲田 卓央
評価:D
松前藩の圧政に苦しむアイヌの民、それを救うべく颯爽と現れた謎の黒頭巾の正体とはこれいかに! という紙芝居テイストばっちりの作品なのだが、こういう作品はとても評価しづらい。好きな人はこの予定調和というか、物語のゆるさが心地良いんだろうし、嫌いな人はその100年1日のごとき向上心のなさが我慢できないんだろうし。このテについてなにか言うことに非常な徒労感を覚える私である。まあ、それでも本作において特筆すべきは、主人公・黒頭巾と敵役・勤番大垣嘉門のすっとこどっこい具合であろうか。もう少しでいいから、その首の上にのっかっているものを使ってくれ。そんな感じである。大変だなあ、アイヌの人。アホの圧政に苦しんだ挙句、トンマに助けてもらわないといけないなんて。ところで虐げられる民衆を正義の味方が救うというこの小説、初出が『赤旗日曜版』というのは笑っていいんだろうか。
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