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活字狂想曲
【幻冬舎文庫】
倉阪鬼一郎
本体 533円
2002/8
ISBN-4344402634
石崎 由里子
評価:A
エッセイはよほどのことがない限り読み返さないが、これは笑えた。もう一度かいつまんで読んでもやっぱり笑えた。しかし、再び冷静になって読むと、ためになる。辞書で調べなければわからないような難しい言葉がふんだんに使われているし、印刷業界の舞台裏も描かれていて面白い。
著者は、校正者として勤めた11年間の会社生活を、水槽の中の珍魚を見るような視点で書いている。あくまでも組織の一員としてではなく、一個人が会社というコンクリートの水槽のふちに立って、様子見しているような感じなのだ。それでも、ときに騒動に巻き込まれて、切れていたりする。
どんな人物なのか、実に想像力がかきたてられる著者です。組織にはよさも悪さもあると思うけれど、会社で起きる「つまらないこと」を餌に、優雅な面持ちで知らん振りしてスイスイと泳いでいるような、どんなにおかしくても片口だけ上げて、絶対に声を出して笑わないような、そんな様子など。
次回は、世間という大きな水槽を覗き見した様子を書いてくれることを待ち望んでおります。
大場 義行
評価:A
実はこの本べらぼうに面白かった為に、すぐに倉阪氏の新作サイン会に出掛けてしまったといういわくつき本なのである。まあ、この倉阪氏のファンと倉阪氏の肩に鎮座していたぬいぐるみの黒猫におそれをなしてしまい、逃げ帰ったという苦いを通り越して、忌まわしい思い出になってしまったのだが、そんな思い出を別とすると滅法この本は面白い。誤字脱字にまつわる話から、強烈なスピードで周り続ける印刷物まわりの不幸話なわけだが、とにかく他人の不幸であるこれらが面白すぎるのである。ちょっと印刷関係者のうちわ話なので、どうなんだろうと思う所ではあるが、二度目に読んでも面白く、さらに忌まわしい過去が蘇る程ではある。
北山 玲子
評価:A
私事で恐縮だが、編集の仕事をやっていた時に、大きな誤植を見逃すという大失態を演じてしまったことがある。今でもあの時のことを思い出すとどんよりしてしまう。この本は単行本で手にしていて、誤植についての所はヒリヒリと心を痛めつつ読んだ覚えがある。また、素人さんが印刷についていろいろと無理をいうのをブチ切れそうになって我慢している著者に大いに同情したものだ。これは活字業界残酷物語。その実情を知る筋の人々には拍手を持って迎えられ、その他の業種の方々はきっと「うちの会社のほうがまだ、マシかも…」とほっと胸をなでおろす人もいるかもしれない。内容は著者が文字校正の仕事をしていたときのノンフィクションだけれど、ある男のストレスのボルテージが徐々に上がり最期に爆発するスリルとバイオレンスに満ちた物語でもある。
佐久間 素子
評価:A
印刷会社で文字校正を11年間勤めた著者の記録である本書は、むろん、活字をめぐる話も満載なのだが、タイトルからは想像もつかない会社エッセイでもある。そして、これ、舶来のリストラ小説(『あんな上司は〜』参照)などより、はるかにスリリングなのだ。現実不適応者を自認する著者の唯我独尊的な魂と、鬱屈した現実の取り合わせが、笑いとため息を生む。凡人ならば、多少の茶番は笑顔でこなしてやっていくしかない。著者のような人間に比べれば、その頻度は少ないだろうし、やりすごすのもまたたやすいことだろう。しかし、給料もらっているからと自分に言い聞かせてみても、くだらないと感じるたびに、どこかが腐っていくのだ。それもまた事実。むなしい夜は、せめて著者の威を借りて憂さを晴らしたい。すらりとした文章は、ただ読み流しても気持ちいい。それにしても、「バカをバカと言って何が悪いんだ、バカ!」・・・言ってみたいもんだねえ。
山田 岳
評価:D
印刷業界哀話という点ではそれなり、ではあるが。解説の浅羽通明が言うような貴種流離譚(高貴な生まれの人が、そうとは知らない世間にもまれて苦労する話)か、と言えば「?」がつく。単にじぶんのことしか見えていない「若者(ばかもの)」の話ではないか。事実、著者自身が注釈で「彼は昔の彼ならず」と何度も書いている。「地球がどうなろうと私の知ったことではない」なんてのもまた、「若者」の発言である。「若者」であるから、じぶんのことは棚に上げて、他人のことを平気で批判する。当時流行した紙や割り箸の節約運動を槍玉にあげて、「弱小企業を圧迫するだけで、ほとんど役にたっていない」と言う。運動をしている人たちは「紙濫用電算機を作ったのも技術者なら、最も実効的な環境保護に取組んでいるのもまた技術者ということが見えていない」とも言う。しかし技術者なんて、経営方針の変化でどうにでも平気で変わるものである。元技術者の評者が言っているのだから、まちがいない。その技術者を動かしているものが何か、著者には見えてない。
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