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└2001年5月
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
これが佐藤愛子だ
【集英社】
佐藤愛子
本体 2,000円
2002/9
ISBN-4087746127
大場 利子
評価:B
名前を見ても、読み終わっても、気づかなかった。あの「血脈」の佐藤愛子とは。山藤章二の装幀のせいか。モノを知らなさ過ぎか。
このエッセイ集第一巻は、昭和43年から53年までに書かれたエッセイを再編集されたもの。公園でのアベックの交歓をノゾク人をノゾキに行ったり、キンタマの面目と睾丸を粗末にする男について考えたり。「世の中はすべて、勇気と決断、そうして行動力です」なんと心強い。
普段目にしない漢字、しかも読めない、意味を明確に説明できないものが多いが、辞書を引けばいい。慣れない言い回しも、なぜか流れるように入ってき、背筋が伸びる。
この本のつまずき→「言葉というものは生きていて、その言葉本来持っている意味以上のものを相手に伝えるのである。」しかと心に。
新冨 麻衣子
評価:A
最近では「男ってもんは・・」「女ってやつは・・・」なんて一括りに語られることは少なくなった気がする。バカな男もバカな女もぐちっぽい男も浮気性の女もたくさんいて、結局は「男」か「女」かではなく「個」の問題であると認識されてきたようだ。だけど世間の一般論は変化しつつあっても、恋人や夫婦間の悩みはいつだって一緒だ。
この本は1968年から1978年までのエッセイをまとめたものである。著者は前書きでこのエッセイ集を、「歴史を読む」気分で読んでもらいたい、と語っているが、私には「歴史」だとは思えないのだ。結局人間と人間の関係における悩みは変わらないもので、その部分についての洞察力がピカイチ。「どうして男ってこうなんだろう」ということももちろん、「どうして男ってこうなんだろう、と語る女たち」についてもばっさばっさとメスが入れられていて、それがたまらなく痛快。「いいぞ、佐藤愛子!どんどんやれ!」とエールを送りたくなってしまうのだ。
鈴木 恵美子
評価:E
「自賛ユーモアエッセイ集」と銘打たれているが、ユーモアを感じなかった。
ユーモアとは血相変えて怒ったり、大声で放言したりする人のものではない。辞書にも「上品な洒落やおかしみ」とある「ユーモア」は、知的な洗練で視点を相対化するところから生まれるもの。下世話であけすけな「タマ」「マク」考察、気に入らない相手はインポ呼ばわりで罵倒するコワイものなしの言いたい放題は、やれやれ可笑しくはあるけれど、洒落ちゃいないなあ。それに愛子様が「男はこういうもの」とか「かくあるべきもの」って断言しきって括った男性像はとてもステレオタイプで古い 。今は男も女も、男や女の役割分担に縛られない、括られない生き方してる人結構多い時代になってる。文明の利器嫌いで自動ドアに「人間の堕落も極まった」と嘆息する頑固バアサンは返す刀で、「自分を無用の人間と自信を失った中高年のことなかれ主義」を斬り、「その知恵と経験で存在を必要とされる年寄りになれ」とハッパをかけているけど、古い価値観が通用しない時代への認識を欠いたまま自信過剰に若い子イジメするお年寄りって、かなり迷惑かも。
松本 かおり
評価:A
待ってました!愛子センセイ。私は嬉しい。初めて愛子センセイのエッセイを読んでから早20年。今後、全四冊展開で、一気にまとめ読みできるとは至福の喜び。各章冒頭の「当時の世相」も懐かしく興味深い。
愛子センセイのエッセイの魅力は、「ひと」に対する親愛の情が感じられるところにある。同じことでも言われようによって気分は違う。ネチネチ説教調だと腹の立つことでも、カラリと豪快に突っ込まれると、その鋭さも笑って納得できるもの。とかく下品扱いされるシモネタでさえ、愛子センセイの手にかかれば淫猥さも吹っ飛びただのネタ。これがまた一段と笑えるのである。
今回の第一巻は2、30年前の作品集だが、生き方や夫婦のあり方に今でも役立つヒントは多い。「もしここに脚が一本短くなった椅子があるとしたら、その脚を直すことを考えないで、カタカタするその椅子の上にいかに坐り心地よく坐るかを考える―それが私の主義である」。こういう一文に、私は思わず背筋が伸びる。
山内 克也
評価:A
さてはて、2、30年前に書いた傘寿間近の著者のエッセイを、今ごろ再録するとはどういうわけ? と読みつつ、ページをめくるうち、「なるほど」とはいかないまでも、じわじわ共感めいた。いつの時代に書かれようとも、著者のオトコとオンナの見解は「今でも通じる」との思いにかられた出版元担当者が膝を打ち刊行したのだろう。邪推だけど…。
各章にエッセイを書いた年代と当時の出来事を記していて興味を引いたのが昭和45年。このころ、今のジェンダーにつながる性差撤廃の運動が起こっている。そんな中で、著者のオトコの見方に限ってみれば、「『一家の主』の名のもとしゃちほこばっている必要はない」だの「隆々たる男根の前にひれ伏すのが夢」と振幅激しく、時代背景とは別の次元で本音が出ていて心地よい。事象を系統立てて考えるより、その瞬間をどう感じたのかを書く、著者の鼻息荒い心意気が伝わってくる。
山崎 雅人
評価:B
自らを、男好きと公言する佐藤愛子の毒は、男に厳しく、女にも厳しい。読み進むうち、毒は中和され、薬になる。良薬は口に苦し、甘し。本書で描かれる、昭和四十年代の男と女は、不思議と現代に符合する。男女の業は移ろいにくいものなのか。時代が追いついてきたと見るべきか。
話題はもっぱら、男と女のさがについて。見た目の良し悪しから、アソコの話まで底知れず、直球勝負。それが不思議といやらしくない。軽妙な語りで笑い飛ばす。上品とはいえない、下品の一歩手前といったところだ。これを下世話と切り捨てるのはもったいない。神妙な顔をして読むものでもないが。
女史にかかれば、遠藤周作をもってしても太刀打ちできない。やられっぱなし。向かうところ敵なしである。
男を馬鹿にするなと怒りだす、気概のある男性は、そうそういないであろう。だが、女の尊厳を嘆く女性は、星の数ほどいるに違いない。
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