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劇画狂時代
【飛鳥新社】
岡崎英生
本体 2,000円
2002/9
ISBN-4870315203
大場 利子
評価:B
熱い。未知の世界が広がっていた。口の端につばをためて、話続けられているようだった。
劇画とは?ヤングコミックとは?宮谷一彦とは?上村一夫とは?カバーはなく、本体に刷られた劇画、それにかかった頼りない紫色の帯、見ても読んでも、知らないものは知らない。
なら、読んだなら分かっただろうと問われても、やはり知らないと答える。著者のうなされたような熱情は伝わったけれど、やはり、その劇画、ヤングコミックを手にしなければ、「劇画狂」を知ったことにならないはずだ。それでも、その時代に触れられて、良かった。
この本のつまずき→ヤンマガの投稿欄「読者ロータリー」には編集部自作もあったとある。驚いた。
小田嶋 永
評価:C
ぼくは世代的にいっても『ヤングコミック』は、ほとんど知らない。というか、少年時代に『マガジン』『サンデー』『ジャンプ』を読みふけり、大人になっても少年マンガ誌を読み続けた第一世代だと思う。ただ、「劇画」と聞いてこういうマンガというイメージはできるのだが、劇画誌といえば、『漫画アクション』であり、『ビックコミック』『ビックコミックオリジナル』だ。大出版社の劇画誌に対して、中小出版社がゲリラ的な企画で、「勝手にヤンコミしていた」編集者と劇画家たちの時代が本書には描かれている。といっても時代感はあまり感じられない。むしろ極力、当時の社会情勢の記述は排除され、劇画家たちの生き様、著者と劇画家たちとのかかわり、著者自身が『ヤンコミ』から巣立っていく回想である。「しなの川」や「同棲時代」がヒットしていたのは、ぼくが中学生のころの話。何しろ上村一夫と小池一夫が一緒くたになっていたのに気づき、宮谷一彦など本書を読んで初めて知ったもはや“伝説”の劇画家だ。そんな、劇画の“神々たち”の、まさしく神話である。
新冨 麻衣子
評価:A
本書は「ヤングコミック」の元編集者による、1967年の創刊から87年の休刊までのヤングコミックと、その20年間に活躍した劇画家たちへのオマージュである。まわりからは「勝手にヤンコミしてる」と呆れられるまでに、「なんでもあり」というポリシーを貫くヤングコミックの成長と衰退が、創刊時から携わった著者によって感情におぼれることなく冷静な距離を持って語られる。ヤンコミの三羽ガラスと呼ばれた宮谷一彦、上村一夫、真崎・守の、アナーキーで悲哀に満ちた作品がいかに学生運動盛んな時代の若者たちを魅了していったか、劇画という当時のサブカル的な面から見ることで、その時代の若者たちの閉塞感やいらだちが強く伝わってくる。また一方で著者は、精神的に不安定でいきなり逃亡したりするためデスクから危険視されている宮谷一彦の当時の担当であり、この新しい才能を最大限に後押ししその才能を大きく開花させたい、という思いで宮谷の劇画にこだわり続けた。この編集者として熱い思いが、冷静な観察眼でつづられる本書を奥深く、人間臭くさせている。カバーなし手触りよしの装丁もグッド。
鈴木 恵美子
評価:A
ヤングコミックという劇画誌づくりを通して「時代を生きてきた」誇り、それはある意味「負け犬の遠吠え」「ごまめの歯ぎしり」であることを承知の上で、敢えてこれを書かずにはいられなかった熱さが伝わってくる。そう、あの60年代から 70年代にかけての社会にあった狂熱的なエネルギー、権威とか体制といったものに流されまいとこだわり、ある種の虚勢を張って息巻いた青春、それらは一種慚愧の思いとともに心の中に封印されがちだ。しかし「エロ漫画さえもがむやみに軽くて明るいだけになってしまった」現代に違和感と反発を感じるのは著者ばかりではない。「勝ち組」「負け組」の選別が激化し、どんどん「負け組」が切り捨てられていく現代に嫌悪と反発を感じながらも不安に駆られるこの頃、「敗者の誇り」が一貫しているこの1冊、忘れかけていた諸々を思い出させてくれる。些末な事だが、p.36の「宮谷が愛知県の四日市に住んでいた」云々とあるのは「愛知県に隣接する三重県の四日市」の誤りでは?それに、昔読んだおぼろげな印象で言えば、「男の独善」が鼻につくとこあったなあ。劇画の世界って。
松本 かおり
評価:B
私は「ヤングコミック」という劇画雑誌はおろか、劇画自体よく知らない。おかげで、当時の表紙も内容も非常に新鮮。「こんなのが出てたのっ?!」とキモチワルイやら面白いやら。劇画完成までの編集者の苦労話も興味津々、片岡義男氏や南伸坊氏も関わっていた、といった小ネタも楽しい。
しかし、その栄枯盛衰ぶりを読んでいると、「ものごとを続けることの困難さ」もつくづく感じる。「しゃれたことや先端的なことをやっているつもりでも、そう思っているのは本人たちだけ。要するにあの時代の負け組だったということなのだろう」。誌面を再編成しようが、新たな書き手を迎えようが、どこかで時流を読み損ねたものは、徐々に淘汰されてしまうのだ。
著者・岡崎氏の視線は終始冷静であり、かつて自分が関わった雑誌を無条件に懐かしみ、慈しむような同窓会的甘さはない。そのために間口が広く、ひとつの読み物として楽しめる。劇画素人には、登場作家の変遷など流れがつかみにくい部分があった。巻末に年表形式で主な動きが整理してあるとよかったと思う。
山内 克也
評価:C
今、ハマっている漫画は「ブラックジャックによろしく」と「医龍」。どちらも大学病院の組織的な病巣を鋭く描き、リアルタッチの画に専門性にじむストーリーで、「絶対、大学病院に診察を受けまい」と心に決めている。それにしても、日本の漫画でこのような社会性をテーマに描くようになったのはいつの時代だろうか。その一つの答えがこの本にある。
この本の主役である青年漫画誌は、1967年に創刊され、著者は編集者として在籍した数年間を回顧している。当時、大学紛争華やかなりし頃で、呼応するかのように宮谷一彦や上村一夫など反体制的な劇画作家が出現したのは、時代の必然性、と著者は言う。「政治的社会的な閉塞感を打破しようとする過激な気分に関係していた」。なるほど。私は劇画の定義は知らないが、劇画とは時代を映す鏡だったのだろうか。今に続く青年漫画誌の完成された作品の源泉を知った。
山崎 雅人
評価:C
60年代後半、劇画が輝いていた時代。学園紛争とベトナム戦争のまっただ中。ただならぬ空気が充満していた。ヤングコミックはそんな中で創刊された劇画雑誌である。
ヤングコミックへの熱い思いが込められた本だ。劇画への思い。ヤンコミへの思い。さらには作家への思いが、あふれんばかりにつめ込まれている。
ヤンコミを読んだことのある人は、熱く劇画を読んでいた自分の姿を思い出し、にやりとして、頬を赤らめるにちがいない。
もっと劇画が引用されていると、さらに読みごたえのある一冊になったのではないだろうか。文字だと魅力が伝わりにくい。
ヤンコミを読んだことのない人は、漫画の歴史本として読める。漫画家と編集者の生態観察本として読んでみるのもおつなものだ。自分のまっとうさがわかるはずだ。
劇画、宮谷、上村、麻生れいこにピンときたら、即読みの一冊だ。
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