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信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
【新潮文庫】
宇月原晴明
定価 620円(税込)
2002/10
ISBN-4101309310
内山 沙貴
評価:D
轟々と燃える炎、白く揺れる躯。艶かしく伸びた腕が火の中をひらひらと影を作り紅く映えている。木々に潜む影、ゆらゆらと揺れる鬼気。森を抜けて迫り来るモノの顔は異形、村に下りて人々を襲い喰らうしなやかな四肢、優雅な躍動。あやしかな。あやしかな。それは美しく、この世のものとも思えず、息切れするほどに魅せては止まない。そんな信長の不思議な歴史を大戦前のベルリンで密かに交わす。そのからくりは、ガラス細工のように精緻で危うい。ズンズン進むストーリィや画面のこちら側から見る昔の名作映画のような作り物めたさで、雰囲気はひしひしと伝わってくるのに、内容が取っ付き難かった。難しい小説であった。
大場 義行
評価:A
見事な二重構造。素晴らしい信長の造形。文体のせいか雰囲気もあって、いいかんじで伝奇モノというか怪奇モノになっている。いいなあ、ラストのあのオチといい、好みです。しかし特記すべきは信長の造形。なにせ両性具有。女性的な信長とは、いやあ見事。魅力的な信長数あれど、ここまで見事な信長なそうそうないのでは。というかもっともっと信長を見たかった。逆にいうと信長の魅力が凄すぎて、二重構造なんていらない、信長の時代の話だけをみせてくれ!という感も正直あったりして。出番が少ないんだもの。まさしく信長の魅力が強すぎた奇形的な本になっていると思う。問答無用の今月のイチオシ(たぶんこれイチオシなの自分くらいだと思う)。
北山 玲子
評価:C
ローマ皇帝・ヘリオガバルスに興味を持っている詩人・アルトー。彼の前にもう一人のヘリオガバルス、織田信長のことを追っているという日本人青年があらわれる。時代も国も異なるふたりの類似点が、思いも寄らない論理で展開されていく。信長の築いた王国に住む人々は、彼の放つ妖しいオーラに引き寄せられ溺れていく。耽美の香りプンプン漂い、これまで逢ったことのないような信長や秀吉、光秀に少々戸惑い気味ではあるけれど、そこが新鮮といえば新鮮なのかもしれない。盛りだくさんな情報と知識をまとめる著者の腕の良さがぎりぎりトンデモ系の雰囲気を免れていた。が、ヒトラーまで登場した時点でちょっと引いてしまった。妖しい耽美な世界にどっぷり浸れる向きにはぜひ、一読をおすすめします。
しかし、今月はアテルイといい、ヘリオガバルスといい、まったく知らない人物ばかり登場して自分のアホさ加減に、撃沈!
佐久間 素子
評価:D
独自の世界を構築してつづられるファンタジーやSFというジャンルは、容赦のないもので、はまれば極上のトリップ感が味わえるかわりに、合わないとなると徹底的に拒まれてしまう。いやはや、こんなに手こずったのは『グローリアーナ』以来だ。信長とローマ皇帝ヘリオガバルス。大戦前夜のドイツ、時間も空間も遠く隔たった二人について、アントナン・アルトーは思索をめぐらせる。両性具有、古代オリエントの太陽神、光を放つ霊石。めくるめくイメージの奔流にくらくらさせられる。耽美にして衒学的、溺れることができる者のみが物語を受け取れるのだろう。
山田 岳
評価:A
かつて山岸凉子は「日出処天子」で厩戸王子(聖徳太子)を両性具有の神秘的かつ禍々しい存在に描いたが、信長をおなじように描くことを誰が想像しえただろう。思えば、本能寺の変ののち光秀は信長の遺骸を見つけることができなかったが、これもまた「貴人は遺骸をのこさない」という聖徳太子伝説に合致している。秀吉の、尋常ではない信長への傾倒ぶりもまた、性的なあこがれ/執着に裏打ちされているとすれば納得がいく。最後がオカルトに走っているところが残念。
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