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長崎ぶらぶら節
【文春文庫】
なかにし礼
定価 500円(税込)
2002/10
ISBN-416715207X
石崎 由里子
評価:B
長崎の、芸者愛八と、郷土史を研究する学者、古賀との物語。愛八は、けして器量よしではないけれど、いくつもの芸の中でも特に秀でているのが美しい歌声。「声に化粧はできない」という古賀の言葉とおり、正直で、真摯で凛とした女性なのだ。
二人は、古賀の誘いのもと、人々の脳裏から忘れ去られている古い歌を探して歩く。背景には、当時の長崎の街並みが丁寧に描かれていて、にぎやかで艶っぽいが雰囲気が伝わってくる。
共同作業の中、愛八が古賀を慕い、尊敬し、ときに思い描いていた様と違うことに幻滅し、それをも含めて愛するようになっていくその過程が、なんとも可愛らしい女性として描かれている。
内山 沙貴
評価:B
まだそんなに昔ではない昔のこと、長崎の花月では芸者集が宴のお供となり、大きな庭には立派な牡丹が咲き乱れ、空には月、静まらない夜、華がそこここに咲き散り舞った。名妓愛八と学者古賀は長崎の歌を探す。長崎の華、割ったような気風の良さ、力強い歌声、品のある言葉たち。そんな精霊を一つひとつ集めた2人が蘇らせたぶらぶら節。調子を崩すことなく、丁寧に織り込んだ粋な着物のように、綺麗で落ち着いた品のある文体。どれだけ時が流れても、古びることなく味を増すセリフ。そうやって紡がれたこの素敵な物語は、人の命は儚いものでも、美しく強く散る命もあるのだと思わせる。ぶらぶら節はきれいな魂の宿った小説であった。
北山 玲子
評価:D
愛八が松助という名の判人に連れられ芸者として置屋に売られていくシーンから始まる。たった10歳で。この松助さんという判人がいい人なのだ。この先彼とはどんな係わりがあるのだろうかと半ば楽しみにしていたのだが、ページをめくると一気に愛八、50歳になってた。展開早っ!その後も松助さんは登場することなく。ちょっと残念。若くもなく器量よしでもない愛八はこれからの人生をふと考える。そして初めて本気で好きになった古賀先生と共に長崎の古い歌を探すことに生きがいを見つける。いかんせん1冊の中に、自分自身の人生に対する迷い、可愛がっている雪という少女のこと、古賀先生のことと描かれていることがけっこうたくさんあってバラバラした印象。古い歌を探し歩くことにもっと重点が置かれているのかと勝手に想像していたものだからちょっと肩すかし食らった感じがする。
佐久間 素子
評価:D
ブランドイメージそのままである。読もうかなとアンテナが動く人には満足できる内容なのだろう。私はだめでした。もしくは、お呼びでないって感じ。芸者と学者の、恋と歌探しを語るこの物語で、学者の魅力がわからないのでは、どうしようもなかろう。また、作詞家である著者が、歌をどうえがくかという点には興味があったのだけれど、歌とは何かということについては書かれていても、歌そのものの表現はあっさりしたもので、はぐらかされたような気がしてしまった。逆に、期待以上だったのが、活気も気怠さもリアルな長崎花街の風情。人のにおいがして、ありもしない郷愁がかきたてられた。
山田 岳
評価:A
『兄弟』では肉親ならではの愛と憎しみを描ききった著者が、今回は膨大な資料をもとに<長崎学>成立の裏話を町学者をささえた芸子の視点で、それもやさしいまなざしで記している。評者は趣味で京都の民謡をうたう合唱団をやっているが、団の長老に言わせると、民謡の集め方は本書とまったく同じだったそうな。村々のお年寄りをたずねて、記憶を頼りにふるい民謡を歌ってもらい、歌詞とメロディーを記録する。残念ながら、京都ではまだ「ぶらぶら節」に相当するヒット作は発掘されていないが、偉大な先人がいたことを教えてくれた本書には敬意を表したい。お茶屋遊びのなかから学問が生まれるというのも、なんだか京都学派と通じているなあ。詩人から作家への移行は意外にむずかしいとも言われるが、なかにし礼は楽々と飛び越えてしまったようだ。
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