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あしたのロボット
【文藝春秋】
瀬名秀明
定価 1,750円(税込)
2002/10
ISBN-4163213104
大場 利子
評価:A
「ロボット」から連想する、それはロボコンに、ドラえもんに、自動車メーカーのCMに出ているあれと、簡単だ。でも実際にいるわけじゃないし、あのCMのロボットだって、もしかしたら人が入っているかもしれないし。そうやって動いているのを見ても、その存在自体を認めることさえできない。
とっかかりが欲しくてあとがきから読んでみた。著者の気持ち、物語へ至る経緯が書かれている。これで、変な力みは取れて、まっすぐ、人間とロボットの物語へ。ロボットに対する先入観や偏見を、自然に取り去ってくれた。ロボットといっしょに生活してみたい。ロボットが愛おしい。ロボットとロボット研究者への見方が変わる。不可能だ、と決めつけなければ達成できることも多いと、信じられる今日だ。
この本のつまずき これほどまでに、手塚治虫とアトムの存在は大きいのだろうか?
新冨 麻衣子
評価:AAA
ロボットをテーマとした近未来小説集。そんなの興味ないわという、昨日のわたしのような人々にもぜひぜひ読んで欲しい、せつない物語だ。近未来と言っても、設定はほんの5〜10年先の日本。AIBOやASIMOのちょっとだけ成長したようなロボットと、それをめぐる人間たちのドラマだ。一番好きだったのは、ロボットを拾った少女とロボット学者の青年の交流を描いた「亜希への扉」で、人間にとっての時間とロボットのそれがあまりに違うことに失望を感じる人間の姿はせつなくて、でもラストはちょっと幸せな気分になれる。最近改良されたASIMOは人間の顔や仕草を認識できるようになったという。人間はヒューマノイドに何を求めているのだろう?完全に擬人化したロボットが開発されたら、そのさきに何があるんだろう?ロボットの開発より、人間の感情や欲望を理解する方がずっと難しいだろうな、と思った。
鈴木 恵美子
評価:C
「あしたのロボット」?んん?「あたしのロボット」の間違いじゃないの?と、もう一度タイトルを確かめてしまいましたよ。はあ、やっぱり、わざわざ「明日の」って漢字を避けて掛けてるね。「明日」という言葉が輝かしい「未来」を指していたころのヒーロー「鉄腕アトム」を求める心の旅、これってかなりおタク、マイロボットの世界だよね。心理学や文化人類学でよく引用される、インディオが白人に向かって、「何故あなた達は魂の話をしないのか?魂を持っていないのか?」というエピソードを思い出すまでもなく、物質的豊かさ、便利さをもたらしたはずの科学文明社会で、何か大切なモノをどんどん置き去りにした挙げ句、とんでもないとこへたどり着きそうな不安を呼びさまされるわ。「魂」を失ったヒト達が、マイロボットに「心」を感じる孤独な世界は案外、もう来ちゃってるのかも…一緒にいてもお互い生身の会話もせずに、ケータイ片手にかたまってる高校生とか多いもんね。クラーイ。
松本 かおり
評価:C
2055年までを視野に入れつつ、2001年からの30年を描いた近未来のロボット小説。高度先端技術によって発展を続けたロボットは、地雷除去など危険作業代行という役割に加え、一般家庭でも人間のパートナー的存在になっていく。ロボットに翻弄されて終わるか、それなりに安定した関係を築くのか。付き合い方を各自が自分で判断して決める時代の到来……。
しかし、30年後という中途半端な未来は苦しい。あまりに近い将来すぎると未来感が薄く、想像を広げる余地が少ないので退屈する。現実に起きた震災やテロが登場するたびに、いまだ生々しい過去に引き戻されるのも面倒。「未来予測のつもりではない」瀬名氏の意図はわかるし、未来が現在にあるのも自明とはいえ、ノンフィクションでも小説でもないような曖昧さが気持ち悪い。
ロボットに生命や魂の存在を感じるほど感情移入する登場人物たち。濃厚すぎる思い入れや愛着に、かえって冷めた。「いつか飽きますよ、きっと」と言った、第4編登場の不法投棄男に、私は最も共感する。
山崎 雅人
評価:B
ロボットが家にくる。話しをする。ロボットと暮らす。現在でもあり近未来でもある、ロボットと共生する日常に、人間は何を求めているのであろうか。便利さ、楽しさ、それとも心なのか。そして、ロボットのために人間が残せるものは。
本書に登場する世界は、もはやSFではないのかもしれない。機械の冷たい感触や、知性や感情を持たないという事実を終始意識させる表現が、物語をいっそうリアルなものにしている。鉄腕アトムはいなくても、ロボットがいる日常は間違いなく現実なのである。
夢と現実、機械と生物の境界線で、心をめぐる葛藤を静かにせつなく描いている。この話がぐっと心に響くのは、ロボットに感情移入している証拠であろう。
確かめてみたければ、すぐに読み始めるしかない。ギスギスとした日常に疲れたら、ロボットに癒されてみるのも良いかもしれない。人間の倫理を問う、新しい純文学作品だ。
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