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始祖鳥記
【小学館文庫】
飯嶋和一
定価 730円(税込)
2002/12
ISBN-4094033114
大場 義行
評価:B
主人公幸吉は空を飛ぼうとしている男。の、わりには案外影が薄い。第二部に出てくる商人や船乗りなんかの方が目立つくらい。だいたいにして余り空を飛ぶことに対して執念を見せていないし。でもこの話、全体的に空を飛んだ男がいるという噂を心の支えにしている者が中心というのがみそだった。みな辛い状況にあっても、空を飛んだ野郎がいるんだって、じゃあがんばろうと皆がんばる。ピンチでも踏ん張る。そして最後の最後に幸吉がまた空を飛ぼうとしている場面。これが幸吉を支える人と、幸吉に支えられた人が入り乱れて、熱いラストを見せてくれる。いやあ、とにかく、がんばって生きようと思いますよ、これを読んだら。
北山 玲子
評価:A
天明の時代。飢饉が続く暗い世間に、公儀のやり方を嘲笑うように夜空を駆ける男の噂が語られる。人々にとってはヒーローのような存在なのだが、飛ぶ男・幸吉の頭の中はひたすら飛ぶことだけを四六時中考えている。ただ空飛ぶことだけに情熱を傾けた幸吉を軸に描かれる男たちがいい。沈みかけた太陽が水平線ぎりぎりのところでふんばってふんばってできるならもう一度、ほんの少しでも昇ってやろうと留まっている。ダメかもしれないけれどこのままじゃ終われないという思いが伝わってくる。塩問屋・伊兵衛、舵取りの杢平、そして幸吉たちの、流されて生きていくことよりも自分の居場所をしっかりと見据えた生き方にジンときた。じいさんキャラ好きとしては杢平が特にいい!カッコよすぎ。
蛇足だが幸吉同様、空に魅せられた男・二宮忠吉の生涯を描いた吉村昭の『虹の翼』という作品もおすすめ。2003年の正月は大空野郎の世界にどっぷり浸れ!
操上 恭子
評価:C+
私の中にも、「風羅坊」が住んでいる。ふとしたはずみに、どこか遠くへ飛んでいきたくなる。でも飛ばない。そんな時、私は本を読んで異国を旅する。それは、私に良識があるからなのか、度胸がないからなのかはわからない。本書は、実際に飛んでしまった人の物語だ。ただし、屋根の上から。波瀾に富んだ半生記で、時代背景やお国事情なども興味深く、とても面白く読んだのだが、違和感が残った。どこかに飛んでいくこと(遠くへ行きたい)と屋根から飛ぶこと(空中に浮かぶ)の間には、大きな違いがあるように思えるからだ。その辺の心境の変化が、いまひとつ描き切れていないような気がした。
佐久間 素子
評価:A
空を飛ぶことに一生をかけた男のロマンの話かと思っていた。ロマン? とんでもない。これは、むしろ狂気である。身の内に風羅坊が住み、その魔物が騒ぐ故に始終身が定まらないという業を負った男と、同じ種類の人々の、やむにやまれぬ衝動を書いた話である。その厳しい人生は、孤独だが、崇高なほど美しい。そして、その人生の折々で交差する、彼らの周りでその身を案じる者たちの人生までもが丹念につむがれ、それがまた一々胸をうつ。時代背景の細かい書き込みは、エピソードを生かすために全て必要。決しておろそかにされないディティールが、胸に情景を鮮烈にやきつける。孤独とは、選ばれた者のみに与えられた試練、そして、その生き様は、いつしか本人の思惑をこえて、明るい方を目指す人々の希望となっていく。読後、大河小説を読み終わったかのような充実感と、えもいわれぬ爽快感が体の中を吹き抜けた。
山田 岳
評価:AAA
「空飛ぶ幸吉」の物語は子どものころ、日生劇場で見た。アポロ11号が月面に着陸した時代で、日本の偉大な先駆者として幸吉の挑戦と挫折が描かれていた。本書ではそれは第一部にすぎない。人はみずからの衝動につきうごかされて、他人には正気の沙汰とは思えぬことをはじめるが、そのことから周囲に投げかけられた波紋は当人には思いもよらぬものだったりする。今でいうハンググライダ―の趣味でしかなかった幸吉の飛行が、世直しをもとめる岡山の人々の空気を増幅した。それは幕府勘定方公認の下り塩問屋に煮え湯を飲まされてきた行徳の地塩問屋の伊兵衛をも動かし、伊兵衛の働きは周囲を動かした。思わぬ展開にびっくりした幸吉は、一度は過去を封印し駿府で商人となった。ところが町名主に凧揚げをたのまれたことから目覚め、ふたたび空に挑戦しはじめる。今度は飛ぶこと自体が人々の共感を生んでいく。重力の束縛から逃れたい。幸吉の衝動は、会社や家庭などのしがらみにがんじがらめになっているお父さんたちの心を激しく揺さぶることだろう。バスで読んでいて、夢中なあまり乗り過ごしてしまった(^-^;)
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