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動機
【文春文庫】
横山秀夫
定価 500円(税込)
2002/11
ISBN-4167659026
石崎 由里子
評価:A
こういうテーマが小説になり得るのだ、と小さなショックを受けた。
派手な仕掛けや設定にはひとつも頼ることなく、ありふれた日常に潜む芽を、作者の視点で見い出している。誰にでもある細かな感情の揺れ、そこから生じる歪み、崩れてゆく様を丁寧に描いて、絶妙な物語になっている。
短編のそれぞれに安定感があって、「お仕事」を感じるのだ。
人間の強さ、弱さ、優しさ、ズルさ、自己顕示欲はどれも紙一重。大丈夫だと思っている自分の精神力も実は、明日はどうなるかわからない。
この著者の手にかかれば、どんな人の人生でも、ちょっとしたサスペンスに仕上げてくれるような気がする。
内山 沙貴
評価:B
主人公と同じ視線で物語を走らせることによって読者にリアルな疑問、焦り、不安を体感させる。そしてこっち側の読み手とあっち側の語り手の情報量の差を利用して作中の人物にしか導き出せない解をぱっと用意する。少しずるい。でも“おおそうきたか”と感心もする。また、てんでばらばらな内容の短編集ながらどこか一貫したところがあり、一つ一つの作品はそれぞれのカラーでうまく書き分けてあるのに、一冊の本としてまとまっている。惜しむべくはどの作品も最後が尻切れトンボ気味なこと。臨場感を無理やり断ち切られるような気がしてしまう。しかしなんだかんだ云いつつも、ここまでのめり込める本は、そうない。
大場 義行
評価:A
個人的には短編ってテクを見せたいだけじゃんとか、それがどうしたなんて事になるのだけれども、いやあ、偏見だったかも。とにかく巧い。座布団一枚といいたくなるような巧さ。警察という群に生きている為に起きた警察手帳紛失事件「動機」、刑務所から出てきた男の顛末「逆転の夏」、熱い新聞記者の「ネタ元」、裁判官の家庭と組織「密室の人」。主人公の立場も性別も、バラバラなのにどれもこれも巧い。謎解き部分は案外と緻密でこれだけでも楽しめるだろうし、しかも主人公がまたどこにでもいそうで入りやすいし。うーん、ちょっと短編バカにしちゃいけないなと、強烈に反省中。
北山 玲子
評価:B
県警警務課、新聞記者、裁判官と事件の裏側にいるどちらかといえば地味な存在に焦点を当てたところがいい。余韻を残すようにブツっと突然終わるのもいいけれど、多くのことを語り、考えさせられ、おまけにひねりが効いている短編もなかなかいいものだとあらためて実感。じっくり噛み締める読み応えのある短編集だ。普通の人々を欠点や長所も含めて普通に描いているのがいい。
罪を背負って生きていかなければならない男と、娘を失った両親の消えることない傷。決して交わることのない両者の心情が丁寧に描かれている『逆転の夏』は4編の中で最も気に入った話。著者の視線がどちらかに肩入れすることなくしっかりと両者に向き合っており、読み手をラストまできちんと連れて行ってくれる。重いテーマにも拘わらず読後はじわじわと暖かさが残る。
佐久間 素子
評価:C
年末恒例のランキングに入ったことで、現在、売り上げをガンガン伸ばしているであろう作者の出世作。たしかにうまいのだが、うーん、そんなにいいかな? さすがに表題作は、伏線のはりかたも、構成の妙も、ケチのつけようがないほど見事。隙なく作りこまれているのは、人物も同様で、それが少々窮屈ではある。ただこれ、『ネタ元』のように、働く若い女性が主人公だったりすると、もうてきめんに嘘臭い。『密室の人』の、美和もずいぶんと都合のいいキャラクターだ。まあ、真保裕一ファンなら、著者の本もお気に召すのではないかな。話がうまいところとか、ちょっと古くて真面目なところとか、女性を書くのが下手なところとか、割と雰囲気が似ているように思う。
山田 岳
評価:A
4つの小編に共通するテーマは「魔がさした瞬間」。警察署から大量に盗まれた警察手帳、借り物のベンツを運転したばかりに殺人を犯したサラリーマンなど、事件物のスタイルをとってはいるが、ふつうの人に「魔がさす」心の瞬間をリアルに描ききった点では純文学と言ってもいいだろう。公判中に居眠りをしてしまった裁判官とその妻、それぞれの心の闇を描いた「密室の人」にはAAAをつけたくなるほど<ぞっ>とした。夫は妻を愛しているつもりなのに、妻は愛されているとは感じない。日本中のお父さんの心を寒からしめるだろう。
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