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天使
【文藝春秋】
佐藤亜紀
定価 1,800円(税込)
2002/11
ISBN-4163214100
大場 利子
評価:B
欧州の国々で諜報活動をするためには、必ず持っていなくてはならない感覚。主人公のジェルジュや顧問官も当然持っている。この感覚を、本当に持っている人が存在したらと思うと、ゾッとする。もしかしたら自分にもあるのではないかと、少し神経を研ぎすましながら、諜報活動をする一人になったつもりで読み進んでみた。そんなのあるわけないが。
私は持っていないその感覚の説明が、もっともっと分かりやすかったら、ジェルジュの気持ちをもっと理解出来ただろうに。
●この本のつまずき→「一揖」「掏摸」読めなかった。読めない漢字が多数出てくるが、辞書を引かないでも不思議と読めてくるのは、その場に相応しい漢字だから。必要があって使われる漢字の力のすごいことよ。
小田嶋 永
評価:B
『終戦のローレライ』が第2次世界大戦の最終末を描くならば、こちらは第1次世界大戦前夜のヨーロッパの、超能力をもつ者の、時代に翻弄される物語。「目で見ていないものが見える」主人公の少年、ジェルジュは、“顧問官”に見出され、その能力を駆使したスパイとなるべく教育され、闘いの場に引き出される。「自分で自分を潰せ」「感覚を完全に解放する」「おれたちの感覚は細切れにされ、肌で感じ取れる世界に組み込まれる」 ぼくたちが目で見、耳で聞き、触れることで対象をとらえていることが錯覚とも思えてしまうような、超感覚的な物語である。超能力者同士の、その“感じ取る力”を武器にした闘いは、「かつては目だった器官が凝視するのを感じた」 こんなユーモアさえもがいっそうの緊張感を生み出している。今後は、さらなるヒーロー造型に期待したい。
鈴木 恵美子
評価:D
白地に黒字で「天使」に銀鼠の帯、シンプルで無彩色の装丁がぴったり。無機的で、非人間的。フツーの人間が持たない「感覚」と呼ばれるサイキックな特殊能力を持つ少年が、その手の能力を駆使して諜報活動をする元締め「顧問官」に拾われ利用される。第一次大戦前という物騒な時代の戦場ヨーロッパ、人の内面に侵略し精神的に破壊するそんな危険な能力が暗躍する。気持ち悪くなるほど暴力的な闘いが次々としかも淡々と続いて、もう結構と言いたい。実は私の友達にも、巫女体質の人がいていわゆる気配を感じることがあるらしい。それはそれで天賦の体質で異空間体験出来るのは悪くない。けど、それが悪利用されることを考えると、ホント、超ホラー。「天使」って要は人の姿してても人間じゃないって存在描いたハードボイルドだよね。ただでさえ寒い季節に余計寒々するの読みたくなかったなあ。
松本 かおり
評価:D
「目を凝らした――大抵は、そうすれば見える。何を考えているのか、何を感じているのか、何を知りたがっているのか」。特殊な「感覚」を持つジェルジュ。「目隠しなしでも、目隠しをした時と同じように何も見ずにいること。目隠しをしても、していない時と同じように見ること。感覚は完全に統御できなければならない」。顧問官に鍛えられ、「感覚」に磨きがかかる。
さあ、密偵としていったいどんな活躍ぶりを見せてくれるのか、と期待したが、小競り合いと駆引きが少々あるのみ。「感覚」戦争は思いのほか抑制的で、ジェルジュの行動・言動は一貫して地味。プロ野球の投手戦のごとく淡々とした展開に尻がジリジリ。
終始漂う薄暗くノッタリした雰囲気は、ヨーロッパが舞台のせいなのか。しかも、そこにジェルジュの母親への郷愁や父子関係が絡んで湿っぽい。最後の決戦さえも、「おっ、これはっ?!」と盛り上がったのも束の間、すぐ決着。不完全燃焼の読後感、持って行き場に困る。
山崎 雅人
評価:B
天賦の「感覚」を持つ、主人公ジェルジュ。彼の持つ感覚とは、他人の感覚を操作する能力である。桁外れに優れた能力を持つジェルジュは、”天使”なのか”堕天使”なのか。
彼はオーストリアの諜報活動を指揮する食えない男、顧問官に拾われ感覚を制御する方法を学ぶ。生きかたをも制御されている彼は、その能力ゆえに、自ら選ぶことのできるはずの人生について苦悩する。
ジェルジュの成長と、能力者同士の孤独な戦いが、細密で硬質な筆致で描かれている。神経戦という地味な戦いを臨場感ゆたかに表現し、苦悩や苦痛をリアルな感覚として伝える著者の筆力に感服させられる。
しかし、著者の感覚に入り込み感動を与える能力を持ってしても、現代人の心を操ることは困難だと思われる。ハリー・ポッターの魔法には勝てないであろう。本書のような文章は、とっつきにくいのが難点。多くの人に読まれないであろうことが残念である。
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