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見仏記 親孝行篇
【角川書店】
いとうせいこう
みうらじゅん
定価 1,575円(税込)
2002/11
ISBN-4048837818
大場 利子
評価:B
見仏とは仏像鑑賞。見仏するいとうせいこうとみうらじゅんは、仏友。見仏記は、見仏を記したもの。
どうせどうせ、時間に自由がききそうな二人だから、急いだり焦ったり行程に呑み込まれたりしないで、のんびりきっちり見仏した上、大真面目にくだらない事を言い合っているに違いないと決めつけ読み始め、自分の予測が当ったりも外れたりもしながら、やけにそのままの見仏記に圧倒されて、お二人の仏友になれたらとまで思い描く自分に気付き、少し恥ずかしい。とにかく、今、見仏の旅に出たい。おお、仏像!
●この本のつまずき→ホットカーペットを、ほかほかカーペットと記すいとうせいこう。
小田嶋 永
評価:A
ぼくも、小学生から大学生のころまで、いや今でも、お寺や仏像(もちろん古いもの、奈良時代とか)見るのが好きです。小中高生の分際では、そうそう旅行などもいけないので、いざそのときに備えて、ガイドブックからオリジナルで綿密な寺まわりスケジュールを作ったものだ。しかし、そういうことは、“恥ずかしい”ことでもあるのだ。寺や仏像が好きというのは、どうも若者らしくないらしい。ただ、古い寺がある街、鎌倉のようなところはかっこうのデートコースなので、高校生くらいになると、その辺の知識が再利用されてくる。みうらじゅんによれば、「『見仏記』はすでに友情という恥ずかしいものを復活させるのに役立った。次に恥ずかしいものを復活させるとすれば親孝行以外にない」として、シリーズ4冊目の本書には、それぞれの両親が同行するという、さらなる珍道中が含まれている。いとうせいこうの道中記、みうらじゅんの仏像イラスト(とてもまじめである)は言うことなし。簡潔明瞭な注釈、こういう編集作業がユーモアを引き立たせる。
新冨 麻衣子
評価:AA
仏像?興味ないなー…なんて思いながら読み始めたが、これが大爆笑の連続で一気に読み終えてしまったのだ。いとうせいこう・みうらじゅんの“仏友”二人が各地の仏像を見に旅に出るシリーズ第4弾だが、『見仏記』としながらも、実際仏像に対する小難しい注釈などいっさい無く、むしろいとうせいこうによる“みうらじゅん観察記”。二人のボケ(みうら)とツッコミ(いとう)の会話はほとんど漫才だし。
「親孝行編」となっているのは、「彼(みうら)によれば“『見仏記』はすでに友情という恥ずかしいものを復活させるのに役立った。次に恥ずかしいものを復活させるとすれば親孝行以外にない”というのである。」というわけで、双方の両親を連れた旅も2編収録されていて、こちらも爆笑。自分では親と似ていないと思っていても、他人から見るとくだらないことがよく似ていたりするもんだよねー。とにかく素敵な本です。
鈴木 恵美子
評価:C
「拝む」というほど信仰的でもなく、「鑑賞する」というほど審美的でもなく、ぶらりと行って見る。しかも一人ではなく、ボケとつっこみのかけあい漫才的道中も楽しく。着いて見てみれば、もう過去に何度も見ているはずなのに、新しい発見や新鮮な感動がある。ホント、その通りだよね。だから何度も行きたくなる。でも、その感動はあくまで「真剣さに負けちゃダメだ。真剣さはあぶないぞ。」という、みうら的宗教スタンス 、安易にあっち側にひきずりこまれない主体性あるアーチスト魂からきてるところが魅力。彼ら独自の「見」はシリアスに拮抗する対極だから、けっこう見かけほどお気楽じゃない。でもなあ「親孝行編」なんて恥ずかしいよ。「親孝行する」ってのも恥ずかしいかも知れないけど、「される」なんてほとんど我慢しきれないほどのおこがましさ、つきあわされたくないねえ。
松本 かおり
評価:A
よいなぁ、仏像。「西国三十三ヶ所巡礼ツーリング」を満願して以来、私はすっかりお寺ファン。しかも、本書は関西エリアのお寺のオンパレード。今度ばかりは大阪在住の幸運を喜んだ。自分が行った場所が登場すれば親近感も倍増、「そうよそうよ、そうなのよ」と幾度もうなずき蘇る思い出の数々。
みうら氏の手による仏像イラストのコナレ感も、ツボにはまった解説とあいまってこれまた絶妙。法華寺の「十一面観音像」には思わず唸った。
しかし、なんといっても味わい深いのは、「電車乗ったり、自然見たりしてる時間の方がよっぽど長いからね。範囲が広ーくなって来てるよ、俺たちの旅」という著者ふたりの見仏友情旅そのものだ。特に「親見仏」いとう家篇と「親孝行返し」みうら家篇は、それぞれのホノボノ道中が実にいい。みうら氏提唱の「見仏式親孝行」の魅力があますところなく語られ、「諸行無常の想い」に私もホロリ。まさに「親と子のきずなを結ぶ 見仏記」(みうら氏作)。
既に7、8年の見仏旅歴を誇るいとう氏とみうら氏。この最強コンビだからこそできる見仏記シリーズ、第5弾に早くも期待する私なのだ。
山内 克也
評価:C
私が見た仏像の中で、ど肝を抜き一番感動したのは長崎・島原市の涅槃像。全長8メートル、高さ2メートルの像でとにかく大きい。何よりも釈迦が寝ている姿に斬新さを感じた。それまで私の仏像への鑑賞基準は、文化財的にどう位置付けられているか、の一点。なのに、文化財的にあまり価値のない島原の涅槃像になぜ惹かれるかをずっと疑問に感じていたが、本書を読みようやく理解できた。
仏像をはじめお寺にあるもろもろの宝物をみうらといとうが現代風に解釈する様子が面白い。室生寺(奈良県)にある蔵王権現が、勇ましい十二神将の横に鎮座しているため、警備員の役割さえさせてくれない、と嘆く様は笑わせる。明通寺(福井県)にある厨子を、「アートトラック系」と断じるのはみうら独特の思考だろうか。古くからの正当的な解釈をぶっ飛ばし、見たその瞬間に委ねられる解釈とは何かを真剣に説いている。二人の専門的な会話についていけない部分もあるが、仏像を多角的に見る格好のテキストだ。
山崎 雅人
評価:B
いとうせいこうとみうらじゅん。ひらがな二人組の見仏記、第4弾だ。まったりとした雰囲気をかもし出しながらの勝手気ままな旅に、両親まで登場して、お笑い度三割増し、困惑度倍増となっている。
土産物屋の天狗に心奪われ、路上の飛び出し坊やを溺愛する、みうら。それを暖かく見守りながら、携帯電話はまさに見仏のためにあるなどと真顔で論ずる、いとう。彼らに笑いのつぼのすみっこをくすぐられ、思わずニヤリとさせられてしまう。
両親も味わい深い。二人のテンションに瞬時にフィットしてしまうのだから、この親にしてこの子あり、ただただ尊敬するしかない。
面白いことがやけにさめた調子で書かれた文章と、なんとなくぬらぬらしたイラストの調和の妙が、感動的でさえある。司馬遼太郎の『街道をゆく』に通じるものを感じる。わけはないが、旅情あふれる楽しくもばかばかしい無責任紀行である。
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