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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
コレクションズ
【新潮社】
ジョナサン・フランゼン
定価 3,990円(税込)
2002/11
ISBN-4105425013
大場 利子
評価:C
とにもかくにも、この装丁には惚れ惚れ。コンクリートのまるい筒の中で膝をかかえる男の子。読了後も、この表紙と物語の関係性を具体的には説明出来ないけれど、この装丁なくして、「コレクションズ」なし。飾りたい。
ハッピーエンドを期待して、物語の終わりを目指して、読み進んだら、だめだ。だからと言って、この物語はハッピーエンドではなかったと断言する勇気はない。ハッピーエンドかもしれない。終わり方だけが、物語の最後だけが、クライマックスではないと、改めてこの物語から学んだ。毎日毎時間、毎頁、いいことも悪いこともあって、それでも時間もまわりも自分も止まらない。それだけだ、コレクションズ。
●この本のつまずき→ 父親の「おう!」。一番まともな瞬間でほっと一息。
鈴木 恵美子
評価:B
題が効いてる。「誤りを訂正すること、修正、矯正、罰、」などの意味がある語だ。人生は「修正」不能な過去で成り立ち、各人各様の性格、志向も又抜きがたく「矯正」不能。でも人はそんな現実を何とか「コレクト」しようとあがき、すったもんだするという皮肉。老いが円熟ではなく耄碌であり、かっては子供たちに「罰」を与えていた親が、老人性痴呆症の頭に「懲罰」監房とうつる養護老人ホームで死を待たれる身になる。子供達はそれぞれの生活や厄介事を抱えていて、年老い支えを期待する親を疎み、故郷中西部に侮蔑的。長男は父親が嫌っていた投資で金儲けに余念がなく、次男は不適切な性関係で失職し、認められるあてない脚本を「修正」し直し続け、娘は「家庭」を再生産しそうもない。「家族の連帯感や親子きょうだいの親密さは彼の子供の頃に比べて価値あるものと見なされなくなった」世の中、それぞれが勝手にそして孤独に生き死にしていく家族の姿、アメリカだけじゃないよね。孝行や自己犠牲が美徳だった時代は遠く去り、個人と自由が何より重視され、家族の絆の支配下で忍従し苦しむことも無くなった変わり、「コレクションズ」のジタバタドタバタは続くのだ。疲れる。
松本 かおり
評価:AA
「家族は、家の魂である」。読み終わって目頭が熱くなると同時に、深呼吸のような溜息ひとつ。頭の奥が痺れ、しばし放心状態。過去に読んだ家族モノ小説たちが、ちまちました子供騙しに思えて一気に色褪せた。
イーニッドとアルフレッド夫婦の3人の子供たち。独立した今は、各人の性格や価値観、生活の違いが露骨に現れ、もはや、母親の希望に応えてクリスマスに実家に集まることすらままならない。そのままならなさを、著者はそれぞれの生き方に踏み込んで徹底的に描き込む。兄弟ならではのライバル意識、孤独感などの微妙な心情も織り込まれ、読み手としては3人の事情も理解できる。それだけに母親のクリスマス熱との温度差が一段と切ない。ああ、なんとかならないの?!と、祈るような思いが何度も胸に突き上げてくる。
それにしても凄絶なのは父親・アルフレッドの人生。末っ子に突如明かした過去、病院で次男に言いかけた「おれは――」に続く声にならない言葉。「けりをつけてくれ!」という叫び……。「内気さと堅苦しい言動と暴君の怒りで猛然と自分の内面を護ってきた」ツケ、というにはあまりにも哀しい。
山内 克也
評価:B
ふるさとに帰省し、家族の絆を確認するのは、日本のお盆や年末年始の行為だけだと思っていた。本書ではクリスマスの日に家族が集う設定で、「アメリカにも同じような帰省の概念があるのか」と、感心してしまった。タイトルの和訳は、「修正」。少しとっつきにくい本の題名だが、簡単に考えれば、親子、兄妹が離ればなれになったため、価値観が理解しえず、喧嘩をしてしまう物語。日本では、帰省で家族が一堂に会した際よくある風景なのだが…。
本書では田舎の我が家にこだわる両親や、銀行に勤め典型的な核家族を養う長兄ら5人それぞれを、中編小説形式で生い立ちから現況の様子を細かに描き、現代アメリカの縮図にしている。そして、クリスマスの集まりも終わりに近づいたとき、教え子に手を出し教員をクビにされ、家族で一番浮いている次男が滑り込みで帰宅する。痴ほうが進む父親が次男を見て、それまでの気むずかしさを解き「おう」と喜びを発する声が印象深い。「ダメな子ほどいとおしい」との格言は、世界共通で家族を和ませるようだ。
山崎 雅人
評価:C
ドラッグ、失業、鬱、介護、家庭不和、アメリカの抱える問題のすべてが凝縮されたかのような、ランバート家の5人が主人公だ。
クリスマスに家族全員が集まれば、全てが解決すると考えている老婦。クリスマスに乗り気ではない子どもたちは、都会でトラブルと同居している。彼らは全員、人生を悲観し、悩み、悪戦苦闘している。その姿が、哀愁ただよう悲喜劇として描かれている。
人間の愚かさや弱さをすみずみまで深く掘り下げ、的確に表現していく著者の洞察力は驚嘆に値する。その描写は見事に深い。
アメリカの持つ夢や希望、理想の家族に対して描いていた印象は、過去の幻想であることをあらためて実感させられた。
読み進むうちに、彼らの不器用で滑稽な人生が自分の人生にシンクロする。そして、疲れた心に重くのしかかってくる。コミカルさがなければ押しつぶされてしまいそうだ。本も内容も重量級の一冊である。
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