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下足番になった横綱
【小学館文庫】
川端要寿
定価 630円(税込)
2003/1
ISBN-409405331X
池田 智恵
評価:B-
横綱になれる力量があって、愛嬌があって、人に愛されて、驚くべき程の適応性があっても、幸福に死ねないこともあるんですね。自転車で角場所入りすることを楽しんだり、大学にせっせと通ってかわりに一代年寄りを放棄したり、衆議院選挙で惨敗しても、やけにならずに私立探偵だの金融会社の相談役だの保険外交員だのをやってしまえる適応性と柔軟性があれば、もっともっと幸せになれそうなものなのに。人生しんどいなあ。
それにしても、昔の角界は力士たちを大事にしていなかったんですね。贔屓に世話してもらわなければ生活できないなんて話は、不健全でいやな気分になります。今はどうなんでしょう。
力士のその後についての本ってあんまり見ませんから、そういう意味ではわりと珍しい本かもしれません。読後に、「貴之花たちは余生をうまく生き抜いていけるんだろうか?」と考えさせられます。
児玉 憲宗
評価:B
この本は、タイトルのとおり、奇人横綱、男女ノ川の生涯が描かれているのだが、同時に、戦前戦後を中心とした相撲史がさまざまなエピソードとともに綴られていてこちらも興味深い。そして何よりも、著者、川端要壽さんの相撲への愛情の深さがひしひしと伝わってくる。
「型破り」とはまさに男女ノ川のためにあるような言葉。こんな横綱がいたのだか
ら、川端さんが相撲に魅せられたのもなるほど頷ける。
現役の横綱時代から早稲田大学へ通い、引退後、一代年寄になってもあっさり廃業。衆議院選挙に立候補しては落選し、私立探偵、金融会社の相談部長、保険外交員など、職を転々とし、アメリカ映画でジョン・ウェインとも共演した。
人生を省みて、それが幸せだったか不幸せだったかを語るのはナンセンスだ。羨ましいほど密度の濃い生涯だったことだけは間違いない。時代の枠からはみ出した愛すべき大横綱に、桟敷席から絶賛の座布団を投げたい。
鈴木 崇子
評価:C
昭和11年から17年まで横綱をつとめた男女ノ川の数奇な生涯を描くノンフィクション。サブタイトルには「奇人横綱」とある。世間の期待する横綱像からはかけ離れていたのは確かだろうが、はたして「奇人」だったのか? 大らかで物事にこだわらない気風やお調子者で人が好く幾度もの失敗を重ねる姿は、むしろ人間的で憎めない。精神的な意味での自由人であり、この時代に生きた人としては現代風であり過ぎたのかも知れない。変り種の横綱というより、好奇心旺盛な一人の男が選んだ職業のひとつがたまたま力士であったとも思えてくる。
そして、彼の人生の軌跡とともに、相撲界で起った数々の事件・エピソードが紹介されており、力士の裏話や角界の変遷をたどることができる。明治から戦前・戦後にかけての相撲史としても興味深い。
中原 紀生
評価:C
昭和11年1月場所、5日目、横綱昇進をねらう大関男女ノ川と、当時まだ東前頭三枚目だった双葉山との一戦から、物語は始まる。相撲史に残る場所だった。14年1月の春場所4日目、安藝ノ海に破れるまでつづく双葉山の破竹の69連勝が始まったのが、この場所の7日目からであった。──しかし、物語は決して血湧き肉躍るものではなかった。自転車での場所入りや、ダットサン通勤の奇行で知られた「弱い横綱」のまま引退。衆議院選立候補、私立探偵への転業、映画出演、等々、転変の人生をすごし、やがて転落。かつてのファンが営む料亭の食客として生涯を閉じる。破格、波瀾、奔放きわまりない人生だが、いささかも爽快感、痛快感が伴わない。だから悲痛、悲哀の念も生じない。ただただ、男女ノ川の四股名をもった男の生涯と時代の変遷を、淡々と綴るだけで、いっさいの感情移入はない。いっそ潔いが、かえって興をそぐ。「時代の枠におさまりきれない横綱がいた」という帯のコピーが白々と響く。
渡邊 智志
評価:A
魅力的なタイトル。人に歴史有り、を再認識させられる実話。決して注目を浴びているわけではない横綱の人生を、今日振り返ることに大した意味があるとも思えないのですが、なぜでしょう、…染み込んできます。愛着を感じます。容貌魁偉な力士の方が贔屓が付いて愛される、という相撲界の風習にもなんだか頷けます。今ほどテレビやマスコミで力士のプライベートな姿が喧伝されてなかったでしょうから、ファンは独特な世界の一端を垣間見た瞬間に、イメージで好悪を決めてしまったでしょう。ただ一行「自動車で国技館入り」とか「元横綱のその後」などと語られた裏側に、人間臭くてついホロリと涙をこぼしてしまうようなエピソードが潜んでいました。不明な点はそのままで余計な創作を交えず、残されたインタビュー記録などから丁寧に素材に迫っている筆致に好感が持てます。悲劇の人生も横綱の素朴なキャラクターで救われ、ほっと安堵の溜め息が似合う記録です。
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