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ふたたびの雪
【講談社】
原口真智子
定価 1,680円(税込)
2003/1
ISBN-4062116707
大場 利子
評価:D
パステルタッチの表画と「泣いてもいいの?」と惹句。視界に入らない場所へ遠ざけたくなる。この印象、苦手だ。読めば覆されるか。
取りかえしのつかないことが身に起きてしまったら、自分ならどうするだろう。まるで起きたことがないような言い草だが。この物語に出てくる優里のように、酒に溺れるか。そこまで取りかえしのつかないことなのに、そんなもんなのかと思ったら最後。どんどん物語から離れてしまった。
●この本のつまずき→作中、約110の「!」。
新冨 麻衣子
評価:B
長年誰にも言えない罪を心に隠し生きてきた中年男・輝男は、アパートの管理人という仕事と妻の介護に明け暮れる毎日。その輝男の隣の部屋に住む優里は、自分のせいで親友の体に傷を付けてしまったことで自分を責め、酒漬けの毎日。二人はある日ひょんなことから口を利くようになり、お互いの弱さをさらし出す奇妙な関係となる。
これは自分の中の罪悪感と戦いながらも、少しずつ前向きに生きようとする人間たちのドラマだ。苦しすぎる登場人物たちの胸の内がひしひしと伝わってくる、描写の上手さは本物。だけどストーリーはちょっとドラマチックにうまく出来すぎていてついていけない感も。しかしつい笑っちゃったのは、まっすぐでひたすら前向きな、優里の元恋人・浩二の存在だ。いるよね、こんな無意識にいい人すぎて周りの人を疲れさせちゃうタイプ。
鈴木 恵美子
評価:D
悶々ともだえ、もたつき、もとおり、もめる、もどかしいな、もー。何故か「も」が多くなる読後感。普通は書評書く時ざっとでも二度読みして、見落としてたとこに気づいて楽しくなることが多いんだけど、ちょっともう読み返したくない気分。まず、この主人公の優理って女のタイプが苦手。お嬢様よでまともに働いてない。つまり経済的にも、精神的にも自立してないくせに恋愛依存症でトラブルを起こしてダメージを受けると、自虐的、自損的に荒んで当然のように依存する。「人に言えない罪を抱く男と女が出会ったとき」と帯にうたってあるけれど、この二人を同等に並べるなんて変。男の方は少なくとも、罪を贖う生活してると言えるが、女の方は全く自己憐憫でやけになって泣いてるのをいい歳して、いい子いい子してもらいたがってる「コドナ」なんだから。そう言えば何かこの頃人を支える生活、できない人多いよね。あと、妻の介護で男が下の世話をする描写も陰々滅々としてたなあ。まあ、芥川賞の選考でも「元気が出ない」という点が評価されてたようだけど、ホント滅入ったわ。
松本 かおり
評価:D
「本当のことを言えて、良かった。すごく楽になりました。身体が軽くなったみたい」。長年抱えてきた「人に言えない罪」を告白することで、自分だけはスッキリ解放されていく登場人物たち。身体からの排出行為には何でも快感が伴う、というが、精神面でも同じらしい。懺悔はカタルシスなのだ!
自分のなかに溜めて溜めて溜め込んだあげく、もう限界、となれば今度は一転して語りだす。そして、楽になったとたんに、いとも簡単に「あなたも本当のことを言って」「聞きたいです」とくる。言ったもん勝ち。登場人物たちの「罪」の内容と告白ぶりに共感できるか否かが、この小説の好悪の分かれ目だろう。「生涯、妻に言わないことを誓う」主人公・北見輝夫は見上げた根性の持ち主だが、その強烈な思い込みと自己陶酔が、私は最後まで鼻についた。
装丁もいまひとつ垢抜けない。カバーに帯を印刷し、その帯部分に目次項目を載せたのは、「乳房」や「ペニス」といった言葉で読み手を誘うためなのか。はずせない帯なら、もう少し美的にお願いしたい。
山崎 雅人
評価:C
脳梗塞で寝たきりとなった妻を介護する中年男は、誰にも打ちあけられない罪を背負って生きてきた。昨日までは単なる隣人だった女が、心に重荷を背負ったとき、ふたりはお互いを、必要な存在として意識し始める。
幸せをつかみとるために起こした行動が、自らを苦しめる。償いきれない罪の意識にさいなまれるふたりは、激しく惹かれあう。
「言えないこと」ひとつの言葉に共鳴し、心を揺さぶられる。プラトニックな純愛なのか、弱さをさらけ出すことのできる相手を必要としているだけなのか。
心の傷を舐めあう男と女の物語。と言ってしまったら身も蓋もないが、そんなに単純な話だけでは終わらない。乾いた心を癒し、生きる勇気を与えてくれる人たちの生命力によって、物語は力強く進化していく。生への悦びが、はかなくも美しく表現されている。ピュアな人間ドラマを堪能したい。どろどろした感じが好みではないので、点数は低め。
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