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(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
『坊っちゃん』の時代
(1〜5)
【双葉文庫】
関川夏央・谷口ジロー
定価 600円〜650円(税込)
2002/11〜2003/2
ISBN-4575712299
ISBN-4575712302
ISBN-4575712310
ISBN-457571240X
ISBN-4575712442
池田 智恵
評価:A
明治を生きた人々、漱石、歐外、啄木、幸徳秋水らの物語である。時代の変化の中で迷い続ける彼等の姿が、生き生きと描かれている。と、いうのは簡単だが、さて生き生き描かれているってなんだ? それは登場人物の苦悩に共感することができ、かつ彼等の属す世界に憧れてしまうに描かれている、ということだと思ってみたい。この本の中の漱石や鴎外の苦悩を、私たちは理解することができる。ここに描かれているのは、後に近代人の苦悩と呼ばれるものだからだ。同時に、彼等の生きている風景の美しさや、必死で生きる人間のかなしさに憧れる。そして、物語に添えられたユーモアに笑う。本書を読むことによって、明治という時代はまるでタイムマシンから覗いた窓のように明るい色彩を帯びてくる。
谷口ジローは漫画的な記号表現を(目が星になる、驚いた瞬間に線が走る的なもの)使わないが、その分風景や光を丁寧に描いて、画に表情と陰影をつける。その、光と風景が美しい。傑作。
児玉 憲宗
評価:AA
『「坊っちゃん」の時代』には、漱石こと夏目金之助が重い神経衰弱の症状を抱えて二年半ぶりに帰国してから「坊っちゃん」の執筆を決意するまでの彼自身と周囲の状況が描かれている。
関川夏央さんは、つねづね「『坊っちゃん』ほど哀しい小説はない」と感じていて、この作品が「なぜこっけい味を主調に演出されるのか理解に苦しんでいた」という。『小説家夏目漱石』(大岡昇平著・筑摩書房)には、漱石が、鬱から躁に転ずる段階で一気呵成に書きあげた「坊っちゃん」には流露感が見られるとしている。けれどもやはり「坊っちゃん」がユーモア小説の代表として位置づけられることが多い。同様に、漱石の性格や行動から彼自身の苦悩がユーモラスに捉えられる場合もある。それは、この『「坊っちゃん」の時代』においてもそうだ。
関川・谷川コンビの作品は「ハードボイルド作品」として絶大なる評価を受けている。しかし、当人たちは、もともと「ハードボイルド」など描いたつもりもなく、ユーモア読み物を試みたのだという。『「坊っちゃん」の時代』は、誤ったイメージを払拭するには充分のエンタテインメント作品といえる。けれども、わたしはあえてこの作品を、明治の文壇を舞台に描いた「ハードボイルド」と呼びたい。
鈴木 崇子
評価:AA
明治維新後の日本の近代化と軍国主義への流れ、そこに生きる人々の精神史が、明治の文芸家たちを軸に描かれているマンガ。急激な西欧化政策の中、知識階級ゆえの、日本人として近代人としての自我の葛藤と分裂。維新という革命が過ぎ去った後の、新たなる革命の兆しとそれを弾圧する国家権力。
個として独立し世の流れには傍観者であり続けようとした夏目漱石、家を選びながらもしぶとく我を捨てない森鴎外、才能はあるがもうどうしようもない石川啄木、運命に翻弄される幸徳秋水。強がりつつも悩み深く迷いを捨てきれない男性陣に対し、森歐外の母、彼を追うエリス、秋水の愛人管野須賀子など、女性陣はさばさばとして潔い。そんなあたり、今も昔も男と女の本質は変わらないのかなと思う。
もし、この本がマンガでなかったら、小難しい評論として敬遠してしまったかも知れない。歴史の教科書で見覚えのある人々が次々と登場し、それぞれに絡み合ってゆく人間模様も面白く、こんなマンガもあるんだと新鮮さを感じた。ただし、内容が濃いためか、読むのに時間と体力が要った・・・ような気がする。
高橋 美里
評価:AA
まず、こんなに緻密な描写の漫画を久しく読んでいない気がします。
それだけでも読み応えがあるのですが、タイトル通り題材は「坊ちゃん」の時代。
ちょっとでもこのタイトルに惹かれた方は是非手にとっていただきたいです。
登場人物も豪華でこの時代を代表する文豪たちがあちらこちらに現れる。
激動の明治を駆けぬけた漱石とその時代をともに生きた文豪たちに感動。
是非オススメしたい作品。
中原 紀生
評価:AAA
かつて、「週刊漫画アクション」は伝説の雑誌だった。G5の仲間入りを果たしたプラザ合意の翌年の暮れ、日本が戦後の呪縛から解放され、モデルなき未知の国家へと突き進もうとするまさにその時、「“坊っちゃん”とその時代」の連載は始まった。リアルタイムで関川夏央の文体に痺れ、谷口ジローの画業に驚嘆した私である。だからこの五部作が希にみる傑作であることは実地に体験している。いままた文庫版で全巻を通読し、そこで示された歴史観がいかに時代を先駆け、かつ時代を拓いていったものであったか、あらためてその先見に畏れをいだいている。ここにはたしかに文芸批評の新しいかたちが息づいている。──もはやこれ以上の贅言は慎みたいが、文庫による再読の愉しみは巻末にある。高橋源一郎、川上弘美、フレデリック・L・ショット、加藤典洋、養老孟司の各氏による各巻の解説は、いずれも力のこもったものであったことを特筆しておきたい。
渡邊 智志
評価:C
嵐山光三郎『追悼の達人』『文人悪食』『ざぶん』を直前に読んでました。内容が重なって目新しさがなく、ちょっと退屈。先読み後読みの差ではなく、5冊もあるのにこれだけか、という物足りない感じ。人間として文豪を捉え直す読み物はどれも意外な真実を知ることができて興味深いことが多い。史実に創作を混ぜてドラマ化する場合、大胆な虚構や物語の嘘を楽しみたいのに、偶然の邂逅(すれ違い)がすれ違っただけで終わってるんですね。それだけ。そこからドラマが展開しない。デッサンがしっかりしていて細かい絵は好みなんだけど、女性の顔を描き分けられないというのは弱点かも。最初の1冊として手にしやすいという利点はある。仮想を描く必要はないし、結果として物語部分があまり面白くないのは仕方がない…。本当にそうなのか? 絵の力はとても強いんだから、漫画でなければできない独自の演出をして欲しかった。嵐山光三郎は面白かっただけに、残念。
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