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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
今夜 誰のとなりで眠る
【集英社】
唯川恵
定価 1,575円(税込)
2002/12
ISBN-4087746186
大場 利子
評価:B
「ひとりで暮らすことに慣れても、ひとりで生きることには馴染めない」「自分が美しくないことを知っていても、傷ついていた」「ひとりで決めてきたことなど何もなかった。ずっと誰かに、何かに守られてきた」と帯に、ぎゅっと凝縮。そういう女たち。うんざりだ。自分なのか。そうなのか。自分を取り戻せということか。問題提起されているのか。応援されているのか。ムキになって、反論したくなる。何もかもに思い当たるから。
●この本のつまずき→37才の女たちの名前。「子」が付くもの5名のうち3名。そうでないと。
新冨 麻衣子
評価:A
唯川恵って本当に、女のじとーっとしたいやな部分描かせたらぴかいちな作家だと思う。今回出てくる5人の女たちもやたらと現実感ありすぎて、女として読んでるとちょっと暗い気分になっちゃうほどに、上手い。たとえば七恵と元夫・秀一の現在の妻である奈保子のやり取り。奈保子は七恵と仲良くなりたい、だから秀一と美弥(七恵と秀一の娘)の面会はどうか我が家で、と誘うのだ。寛容なふりをしながら、その実、秀一が自分の目の届かないところで七恵たちに会うのが我慢ならないだけなのである。悪気はないんだけど、と奈保子をかばう秀一のとなりで七恵は<悪気のない女なんて存在しない>とぴしゃりと心の中で反論しながら、美弥が遠慮してかわいそうだから、という理由で、次回の面会は自分たちだけで会うように仕向けるのである。微妙な駆け引き、表面上穏やかなだけに怖いですね。あと、どうでもいいことかも知れないが、七恵は自分たちの新婚旅行はヨーロッパだった、と最初に書いてるのに、あとのほうでは、ハワイだった、となってるのはこれ如何に。
鈴木 恵美子
評価:C
平安時代末の梁塵秘抄「女の盛りなるは十四五六歳、二十三四とか、三十四五にしなりぬれば紅葉の下葉に異ならず」てのを思い出した。人間ってフシギ。寿命が延び肉体的に高齢化した分、精神的に幼稚低年齢化してバランス保ってる。五人のいずれも三十七、八の女たちの「喪失」「自己再認識」ジタバタドラマ、まるで円熟老成とはほど遠い中年成長途上ストーリー。若いを通り越して幼い。「秋生」という女たらしの気ままな男の事故死。彼の子供を未婚の母として産み、育てようとするパラサイトシングルのキャリアウーマン。夫のドメスティックバイオレンスから逃げて家出し秋生と同棲していたよい子症候群の女。離婚した夫との新しい関係を取り戻すもと妻。不細工だからこそ平凡な結婚生活を選び不倫する主婦。シングルがよくて求婚を蹴ったはずなのに、男が結婚し子供まで出来たとわかると落ち込んで、「欲しいものなど何もないような顔をしていても楽に生きられない」生き方を反省するフリーター。それぞれワケアリの女達の「毒」と「悪気」をもう少しピリッと効かせて欲しかった。
松本 かおり
評価:B
「秋生の死を看取るというのは、秋生という男を知っている女なら、誰もが一度は『自分でありたい』と願ったことがあるはずだ。秋生はそんな男だった」。あえて斜に構えて辛辣なことを言い、粋がることで自分の脆さを隠す。毒を吐く男はときに魅力的なものだ。こういう男こそ、死後ますます美化されて、語り継がれていくのだろう。毒にも薬にもならない男は、死ねば忘却の彼方だが。
それはともかく、登場する5人の女性陣の描き方は巧い。自分の人生を選び取っていく懸命さだけではなく、同性への外観コンプレックスやずるさ、粘っこい意地悪さなど、イヤーな面もキッチリ浮き彫り。けっこうキツイ。特に、じゅん子は終始「醜女はそれなり」的な扱い。「貴女にも救いがあるのよ」などと取り繕わない著者に、私は敬意を表したい。
山崎 雅人
評価:C
ひとりの魅力的な男の死を境に、彼と関わりを持った女たちの人生に、転機が訪れる。不倫、妊娠、再会、そして別れのドラマが、30代後半のつややかな5人の女性たちを通して描かれる。彼女たちの、時にはしたたかで、時には痛々しい恋愛の行方は、恋愛小説の王道、規定路線を最後まで外さない。
少々もの足りないながらも、物語に破綻はなく、安定感もあり、最後までさらりと読ませる。目新しい仕掛けがなくても飽きさせないのは、共感のつぼをはずさない著者のうまさであろう。
ちょっとだけ不幸、ちょっとだけ自立した女性。主人公たちは、ちょっとだけ自分と違う人生を送っている。このちょっとという現実離れしない距離感が心地よいのだ。あこがれや優越感、若さへの未練といった感情を刺激し、知らぬ間に惹きつけられていく。
後味は悪くない。しかし、印象に残る場面も少ない。心を激しく揺さぶり、深く奥底まで響いてくる力強さが欲しい。不満はある。それでも、女性の気持ちを鮮やかに代弁しているであろう物語には、一読の価値はある。
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