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切り裂きジャック
【講談社】
パトリシア・コーンウェル
定価 2,100円(税込)
2003/1
ISBN-4062115832
大場 利子
評価:B
「偶然はこの世にさほど多くはない。たびかさなる偶然をすべて偶然と考えるのはばかげている」。FBIのプロファイラーのこの言葉が、切り裂きジャックの真犯人を突きとめようとする著者の支えとなったようだ。と、同時に本書を読むものの支えとなる。
年を追って、切り裂きジャックが犯人であろう殺人事件の順を追って、描かれる。今日の検屍方法、科学捜査や、真犯人の歴史がその都度、割り込められ、分かりづらい。が、「百四十年以上、彼はその行為のどれについても罪をとわれずにきた」切り裂きジャックに対する執念が伝わってきて、力づくで読まされる。とにかく知って、わかってと、強く語りかける。
●この本のつまずき→ある種の精神病質者にとっては「実際の殺人はいわばつけたしで、重要なのは空想だ」。目から鱗。
新冨 麻衣子
評価:C
やっぱりアメリカは桁が違いますな。調査費用7億円だって?メジャーリーガーの年俸かよ。それプラス原稿料でしょ。そんなに売上あるのか?大きなお世話かしら。だけど7億円ですよ。読んでる間も頭から離れないよ。ところで中身はというと、<コーンウェル初のノンフィクション!切り裂きジャックの犯人がわかった!>と、かなり肩に力の入った内容。捜査もの書きすぎてついに自分でも謎を解きたくなったかコーンウェルさん。本書ではイギリスの高名な画家を犯人と断定し、膨大な数の証拠を提示しながら、まるでその場にいたかと思わせるような緻密な描写で読者を引き込んでいく。確かにこいつは怪しい、と思わせる説得力あふれた論理なのだが、何せ事件が起きたのは19世紀末。決め手となる証拠がすべてなくなっているため、やっぱり推測の域を出ていないというのが率直な感想。そんなに興奮できないのは、それだけ時間が経ったってことだろう。今頃「江戸の辻斬りの犯人がわかったぁ!」とか言われても、ふーん、それでぇ?て感じだもんなあ。
鈴木 恵美子
評価:C
「コーンウェルが真犯人を突き止めた!」「7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する」帯の惹句の華々しさ、最初の内の断定的なシッカート真犯人説が、読んでいく内「もし何々だったとしたら何々かも知れない」風に仮定ばかりで予断っぽくなっていくのに、何だかつきあいきれなさを感じる。切り裂きジャックが警察の無能を嘲笑し、挑発するかのように送りつけた大量の手紙の筆跡鑑定や、DNA鑑定、用紙、言葉の言い回しの分析から任意の結果だけ取り出して結論づければ、確かにシッカートはあやしい。が、事件現場の保存、死体鑑定の杜撰から、犯罪捜査で肝心な物的証拠が何一つといって残されていない百年以上も前の事件の真犯人は、断定できない。にもかかわらず現代科学を振りかざし、こんな異常な手紙を書いた奴が彼らしい以上、出生にも性格的にも問題があり、役者上がりで変装が得意、娼婦をモデルに不気味な絵を描いていたこいつが犯人だ。って言い切るのアメリカ的傲慢。執念と7億円とかけてもわかることには限界があったと謙虚に認めない、居丈高な科学的捜査法が正義で真犯人を名指すのってコワくない?
松本 かおり
評価:B
「切り裂きジャックの正体がわかっても、起訴して有罪にする相手はもはやいない」にもかかわらず、著者は真犯人を追及する。不思議な情熱である。著者の推理、当時の現場状況などを読むと、確かに、イギリスではカルト的存在だったという画家・シッカートが犯人のような気もしないでもない。
「人格的に破綻し、精神的にゆがんでいたが、頭脳は明晰で抜け目がなかった」というシッカート。彼がどうやって猟奇的殺人を繰り返し、しかも逃げおおせることができたのか。偉大な存在とされている人間の怪しげな素顔を探るのは、たとえ100年前のことでも好奇心をそそるには十分だ。
しかし、真犯人発見!と強調することに関しては、なんとなく売名行為的だなぁ、と思わないでもない。作家は物語作りのプロ、いくらでももっともらしく語れるだろう。大昔の事件ゆえに、コトの真相は現状では誰にも証明しようがないのだ。正義感、使命感に駆られて、というご立派な動機の裏に、何かあるんじゃないかと勘繰りたくなる。
山崎 雅人
評価:C
体中を切り裂き、内蔵をえぐり出す、猟奇的な手口の娼婦連続殺人事件。警察、マスコミに対し次々と送られてくる声明文。犯人は誰、目的は何なのか? 本書は、百年以上前に起こった迷宮入りの惨殺事件の主人公、恐怖と伝説の人物『切り裂きジャック』に迫るノンフィクションである。アメリカの人気推理作家は、真犯人を捉えることができたのか。
当時の世相、犯人とされる人物に関わる詳細な描写は、するどく、興味深いものではある。しかし、調査報告書をイメージさせる構成は、躍動感に乏しく、本来の作風ではない。村上春樹の描いた地下鉄サリン事件を読んだときのような違和感と、とまどいを感じた。
ドラマティックな演出による、華麗な謎解きを期待するのであれば、期待はずれな展開かもしれない。冒頭から名指しされる犯人、淡々と積み上げられる状況証拠と仮説の繰り返しは、劇的な結末を用意していない。
もはや絶対の真相を知るすべはないとはいえ、巨額の費用を投じた科学調査の結果が、おもに迷宮入りの理由では、いささか寂しい気もするのだが。
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