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エコノミカル・パレス
【講談社文庫】
角田光代
定価420円(税込)
2005/10
ISBN-4062752042
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:★★★★
なんとも現実味にあふれた作品である。実在する会社、店、製品が次々出てきて、さらに細かい金額までも。生活感がいっぱいで、切実さが伝わるようでいて、しかしこの二人、本当に困っているのか、危機感を持っているのかと疑いたくなるようなコミカルな面もある。雑文書きの34歳の「私」は年下男と同棲中だが、経済的なことが原因で愛想をつかしつつある。金銭感覚がルーズで、働こうとしない彼を事実上養う形になっている主人公は、身を粉にしてバイトをしながらもどことなくお気楽だ。「タマシイのない」仕事を嘆き、理想ばかりを追う生活力のない彼氏にも不思議と腹立たしさを覚えない。「私」もキッパリと別れることは真剣に考えていないようで、ある意味似た者同志なのだろう。「お自動さん」の前に座る二人の姿は情けないほどおかしい。もう若くはないと痛感する「私」の前に現れる、料理人志望の大学生とホームレスの存在も良いアクセントになっていて、ラストも尻切れトンボのようで、余韻をもたせている。笑いながらも中途半端でビミョウな年齢にある主人公に共感していまう。
久保田 泉
評価:★★★★
帯に、生き迷う世代を描く最高傑作とある。主人公は34歳のフリーターの「私」。行き迷うには哀しい34歳という微妙な年齢だが、こういう34歳は現実には少なくないのだろう。 同棲相手は、「タマシイのない仕事はしたくない」と、のたまう失業中の年下男。アパートのエアコンは壊れ、その修理費さえ事欠く、せこくみみっちい女34歳の日常。溜まった国民年金の督促状におののき、十円安い野菜を買うためにスーパーを行き来する姿はおかしみも誘うが、どんづまりの「私」は笑えない。生活が苦しいなどというセリフは良く耳にする。だが精神的にも物理的にも苦しい「私」はそもそももう、自分にとって何が苦しいのかさえ分からない所まで、日常を維持するために追いつめられていく。そんな「私」の救いが“テキ電”で知り合った、はたちの男との妄想みたいな恋、というのもまた痛すぎる。
角田光代の描く生き迷いは“とことん”である。この徹底した過程を経て、迷いの霧が晴れたような名作「対岸の彼女」が生まれたのだと納得した。
林 あゆ美
評価:★★★
あー、怖かった。怖い話でもないのに今もスーパーに入ると、この話を思い出して、わかるよと心の中でつぶやいてしまう。
34歳の「私」は、定職につかず、ライター稼業をするかたわら知り合いのレストランで働いている。同棲しているヤスオは意にそぐわない仕事はしたくないと、せっかく定職を得ていたのにほうりだして、失業中。貧乏暮らしは、コンビニやスーパーでの買い物の仕方に切実とあらわれる。お金なんて心底からは気にしてない、ヤスオの友だちの彼女は、豚肉ひとつとっても、ブランドものの高いパックをカゴにいれ、「私」はさっと、ノーブランドの安い肉と交換する。この行為、非常によくわかります。財布の中がうすくなればなるほど、いや財布どころか銀行の預金残高もマイナス表示が常態になってくると、気持ちはカツカツになってくる。こうして、人様の物語で、それが語られているのを見るのは、なんだか怖かった。お財布にお金をいれるよう、いっしょうけんめい仕事しなくちゃ、と本筋から多少離れた感想が読後いちばんに思ったことでした。
手島 洋
評価:★★★★
フリーの作家で30代の主人公はフリーターの男と同棲生活を送っている。かつてはお互いにたくさん仕事があったが、今や思い通りの仕事はなく、男は失業状態で生活費もことかく状態。お金に追われる生活に飽き飽きした彼女は、男に黙って水商売を始め貯金を始める。そして、携帯電話の番号を知った見知らぬ男に電話をかけ、不思議な関係を持つようになる。
アジアを男と旅行し、何かを見つけようとしながらも何もない自分にきづかされるという回想シーンで、「真昼の花」という彼女の過去の作品を思い出した。旅の中でも、まだバブルの名残があり仕事があふれていた時代も、景気が悪化して生活に困るようになっても、何の「目標」も存在しない人生を送っていることにかわりはない。お金が手に入っても、スーパーでいかに安く買い物を済ませるか計算する日常から、銀行で貯金通帳を記入し残高を確かめる日常になっただけなのだ。そして、「目標」をもつ若者への援助を拒否されることで、彼女は仮初めの達成感さえ与えられず、駅のホームでふらふらと雨宿りする浮浪者の「はしもっちゃん」に象徴される日常を送るしかない。バブル時代を知る全ての人に読んでほしい作品です。
山田 絵理
評価:★★★★
34歳の私は、失業中の年下の恋人と同棲。雑文書きと飲食店のバイトでなんとか日々の生活をやりくりしているが、彼は仕事を探そうとせず、私によりかかっている。先の見えない、生ぬるいにごった水の中を泳ぐような生活。家賃を払う見通しも立たず、おまけに真夏の最中クーラーは壊れ、ついに消費者金融の扉をたたいた……。
どうしてこんなにやぼったい、生気の無い文章が書けるのか不思議でならないが、不安定な先の見えない生活を描かせたら、この作家の右に出る人はいないのかもしれない。主人公が生きている現実を、厳しいほどに突き放して読者の前に広げて見せるのだから。
唯一心打たれた場面は、主人公が携帯で知り合った若い男と二人で東京タワーを見つめる場面。同じ時間を共有しているのに、二人の心は遠く離れている。男はしっかり未来を見つめているのに、私はただそこに停滞したまま何も見ていない。そんな私の姿が悲しくてせつなくて、同情して泣けてしまった。
吉田 崇
評価:★★★
最近、これくらいの値段で、これくらいの厚さの文庫本を手に取ると、なぜだか、ほっとします。中を見ても、こんくらいの大きさの活字がこんくらいの密度で印刷されていると、ああ、目にも地球にも優しいのね、と妙に癒された様な気になります。
それはさておき、個人的に、このラストは悲しくて嫌いです。途方に暮れてしまいます。『「見て、東京タワー」 私は言い、ビルの合間の夜空を指さす。』の部分で感じた暖かい気分が、その後嫌ーな感じで凍り付き固まり沈み込み、著者の作品はこれでまだ二冊しか読んでいない僕にさえ、解説の藤野千夜の言う通りに、この作品が著者の転換期となっているんだろうなと素直に同意してしまうくらい、雰囲気が変わるのです。僕自身が未だフリーターな感覚で毎日を送ってるものですから、この唐突な、手のひらを返して水でじゃぶじゃぶ洗う様なエンディングに戸惑うのは、ある意味必然、最近ボランティアにも興味があるしね、と投げ出す様に書評を終える。
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