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塵よりよみがえり
【河出文庫】
レイ・ブラッドベリ
定価714円(税込)
2005/10
ISBN-430946257X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:
★
★
★
★
「〈ひいが千回つくおばあちゃん〉がましましている」
表紙の絵もよかったが、序章の「ましましている」という訳語に思いっきり魅了されてしまった。──そこにましますのは、4千年前のファラオの娘のミイラである。
大人の童話、ぐらいの認識で読み始めたが、幻想とか、ファンタジーとかではくくれない大きな意味合いーたとえば「死」や「永遠」についてーが隠されたものだった。あらすじなどとても語ることができない。とにかく読むしかない。
恩田陸の解説に「ブラッドベリが川端康成と似ている」とあるが、恩田作品の中にこそブラッドベリが住んでいると思う。きっと強く影響を受けているのだろう。「生きるなら急げ」(第十八章)は「ライオン・ハート」を思い出させるし、〈一族もの〉はやはり「光の帝国」や「蒲公英草紙」の常野一族や春田一家を連想させる。〈一族〉は何のために存在するのか?は共通のテーマのような気がするのだが。そして、唯一の人間、ティモシーの存在意義にも納得。長すぎる時の悲しみ、永遠の命は幸せなのか、いろいろ考えさせてくれる。
私の父より高齢の作者。書き続けているだけでもスゴイ!
久保田 泉
評価:
★★★★
何とも形容しがたい不思議な物語。例によって翻訳ものと縁遠く、この大御所の作品も初読の私。まっさらな気持ちで、ファンタジーの世界を愉しみ、解説を読んでなるほどと感心し、うなずく。イリノイ州の田舎の小高い丘に建つ一軒の館。そこは不思議な魔力を持つ、「一族」が集まる場所だ。そこで、たった一人拾われた人間の子供のティモシーが、祖母の話を聞き始めようとしている。祖母と言ってもそこは魔物、ささやきは4千年の時を越えて語られるのだ。ハロウィーンは、世界各地に散らばる家族が集まる日だ。翼のはえたアイナーおじさん、心を飛ばす魔女のセシーほか魅力的な魔物たち。そんな不思議な力を持ったものたちの前にも、暗雲がたちこめてくる。本著は、著者の長編としては9年ぶりで、半世紀に渡り書き続けてきた「一族物」の集大成だという。ファンは感動するだろうし、初読の読者にも面白い。しかし80を超えてなお、日々千語は物語を綴るという著者の創作意欲に脱帽である。出会えて嬉しい作品だった。
林 あゆ美
評価:★★★★★
四千年のかなたから聞こえてくる声、そして雷鳴が叫ぶ「はじまれ!」
不可思議で雰囲気たっぷりのブラッドベリを堪能できる短編連作集。表紙のチャールズ・アダムスがその不気味さともども物語の空気にぴったりあっている。
魔力をもった〈一族〉が丘の上の屋敷に集う。“ひい”が千回もつくおばあちゃんに、普通の人間の子どもであるティモシーが話をねだる。大いなる夜、一族が世界中からやってくるそのはじまりを、ティモシーは聞きたいのだ。ワインで唇をぬらしたおばあちゃんが、「さて」と語り始める。
あぁ、ブラッドベリだ。ぞくりとさせたあとに、なつかしいようなノスタルジーがよびおこされ、そう思ったら、もう物語にひきこまれている。ブラッドベリが子どもの頃、ハロウィーンの季節に祖父の家に集った親戚たちから物語のかけらを受け取った。そのかけらがとけて熟成され形を成すのに要した時間が55年。豊饒な物語を堪能したい。
手島 洋
評価:★★★★
80代になっても作品を書き続けるブラッドベリ。作品を楽しませていただいてきたファンにとっては21世紀になっても彼の作品を読み続けられるという喜びに浸っています。しかも、その内容がこんな瑞々しい作品であることに驚きました。
この作品は魔力をもつ「エリオット一族」(エリオットという名字は一切出てきませんが、そう呼ぶのだそうです)が繰り広げる物語が集まった短編集。「十月はたそがれの国 」、「太陽の黄金の林檎」といった彼の名作に入っている短編を下敷きにしているのだから、ファンにとっては必読です。そして、表紙を「アダムス・ファミリー」で知られるチャールズ・アダムスが書いているという豪華さ。
登場人物のなかでは、たったひとりの人間の子供、ティモシーが印象に残りました。自分だけが人間であることを悲観する彼を、アイナーおじさんが抱えて空を飛んでくれるシーンがすてきだった。ブラッドベリが55年という歳月をかけたという物語をじっくり堪能してください。
山田 絵理
評価:★★★
これほどまでに、話の中に入り込むのに苦労した話もめずらしい。わけがわからないのである。きれいな翻訳を目の前にして、話がよくわかんなーい、と自分の想像力の無さを嘆き悲しむことになろうとは、思わなかった。
そこで、少々強引ではあるが、私はこういう手を用いた。ディズニーランドにあるホーンテッドマンションのお話だと思い込むことにしたのだ。古い壮麗な屋敷に住みつく999の幽霊たちの栄枯盛衰のお話なのだと。そこでは一人の人間を1000人目の仲間にしようと目論んでいるのだが、本書ではその1000人目が人間の男の子ティモシーなのだと。このように頭の片隅にホーンテッドマンションを思い浮かべると、やっと物語が動き出して、登場する“一族たち”の悲喜こもごもがわかるようになった。
こんな邪道な読み方をして、ブラッドベリに怒られてしまうかもしれない。でも、アメリカの幽霊をイメージしようがないから、しょうがないよねえ、と開き直っている。
吉田 崇
評価:★★
わーい、ブラッドベリだーい、と言いつつ読み始めて、はたと気付く。そうだ、僕はブラウンの方が好きだった。と、それは別にどーでもいいんですが、大して読み込んでもいないもんで、特になんかの思い入れがある訳でもないので、じーっと読み進めて、「オイオイ、これはそんなに面白いものなのかい? リリカルな部分はどこ行った? どっちが元祖か知らないが、今時この設定は、小学生の夏休みの宿題でも出てくるだろう」と、すみません、少々意地の悪い書き方をしてしまいます。
昔見た、TVの『火星年代記』のむにょむにょした胡散臭さに惹かれて原作を読み、『刺青の男』、『黒いカーニバル』は読んだ事がある作家なのですが、当時ですら重鎮、現在は八十を過ぎても現役の作家、あんまりえらそーな事を言うと罰が当たりそうな方なのですが、だって、つまんないんだもーんと、そういう事で。
解説のブラッドベリと川端康成との比較なんですが、エロティックな部分の有無が決定的に違うと思います。僕は、結構、川端派です。