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獣と肉
【早川書房】
イアン・ランキン
定価2,100円(税込)
2005/11
ISBN-4152086831
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
島田 美里
評価:★★★
ミステリの中に社会問題が透けて見えたというよりは、社会問題の中にうっすらミステリが見えたという方が近い。
浅黒い肌をした男が刺殺された事件と、パブの地下で人の白骨が発見された事件、そして、強姦された後に自殺した女性の妹の失踪が、ほぼ同時に発覚する。一見、何のつながりもない3つの事件の、あっと驚くようなつながりを期待していたけれど、うなるほどの衝撃はなかった。しかし、その一方で、難民に対する永住許可の少なさがもたらすイギリス社会の歪みを知るのだ。
この物語の象徴的存在は、「ホワイトマイアー」という難民収容施設である。この施設のおかげで警備員などの職にありつける人々がいる反面、自殺する収容難民がいるというのがやるせない。相反する利害が生み出す社会構造の実体を、目撃してしまった気分だ。
怯えて暮らしている難民は多くを語らないが、彼らに対するリーバス刑事の人間味のある態度に救われた。俺が関わった人は、悲しい目に遭わせないとでも言いたげな振る舞いなのだ。この男、ちょっと渋い。
佐久間 素子
評価:★★★
以前スコットランドを旅行したとき、第一作目をご当地ミステリとして旅の友に選んで、既読はその一冊だけなのだが、本作はシリーズ十五作目。まあこれはずいぶん極端な読み方だけれど、一作目が身内の事件だったということをさしおいても、リーバス警部、ずいぶん身軽になった。重厚なテーマを扱うシリーズものとしては歓迎すべき変化だと思う。 リーバスは、鼻がきくうえに、自らまきこまれ型、かつ一匹狼という、同僚にも関係者にも煙たい存在の警官である。相当粘着質なのだが、飄々とした風もあり、この矛盾した性格がなかなか魅力的。 舞台となるエジンバラも、美しい古都のイメージとは真逆の、切実な犯罪都市として描かれているが、これまた不思議な吸引力がある。
いくつもの事件がからみあい、複雑な様相をしめす本作だが、キーとなるのは移民問題である。「私たち全員が人種差別者なんです」という、作中の人権派弁護士の言葉は、皮肉でも何でもないし、軽く読み飛ばせるような話ではない。それでも、それだからこそ、何の解決にならなくても、たとえ偽善だとしても、知ってしまったからにはと情に流されてしまうリーバスが、ホント素敵なのである。
細野 淳
評価:★★★★
リーバス警部を主人公にしたシリーズの第十五作目の作品であるとのこと。シリーズの他の作品を読んだことが無かったので、自分にとっては初の体験だった。
とは言っても、ほとんどそんなことは関係なしに読めてしまう。題材のとり方が自分にも大いに共感できるところがあったからだろう。
物語の部隊はスコットランド。歴史もあるけど、もちろん現代的な問題もある。その大きなものが移民問題。西欧の多くの国々はつい最近まで、移民を数多く受け入れていたのだけど、最近ではそれが深刻な社会問題を生む要因になっているのだ。新聞やテレビでよく報道されているフランスでの暴動はもちろん、スコットランドでもそのような事情は変わらないらしい。そのような関係での、実際に起こった事件を題材としてこの小説は作られたという。
さすがに長らく支持を得ている作品だけあって、ミステリーとしての完成度は申し分ない。読むのに苦労した点といえば、外国人の名前が覚えきれず、何度か読み返してしまう部分があったことくらい。西洋人の名前は今一つ頭に入りづらいので、少しだけ、大変な思いをしました。