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スープ・オペラ
【新潮社】
阿川佐和子
定価1,680円(税込)
2005/11
ISBN-4104655023
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★★
週刊誌の対談のインタビュアーとしての阿川佐和子が大好き。そのリアクション芸人ぶりは師匠と呼びたいほど。質問力、対談相手の情報をインプットしておく力、その場で会話を発展させる力量。そんなアガワの小説が面白くないはずはない。人間観察パワーの集大成!登場人物の下品な作家が会食中にソムリエに当り散らす様子や作家の妻が会話を遮られるシーンにニヤリ。
一緒に暮らしていた叔母が恋人と旅立ってしまい、35歳の主人公・学校職員ルイは木造一軒家に一人暮らし。そこに居候することになった軽口老画家とマメな若い男性の雑誌編集者。ドリカムな組み合わせで恋愛小説だったり家族小説だったりするのだけれど、スープのように滋味豊かでユルユルと時間が経過する。長編なのにあっという間に読み切った。途中で「出生の秘密!?」みたいな謎も出てくるが、答えが出なくてもいいじゃないというこれもユルユル感。
いい台詞も沢山あったのだけど全部忘れて「この本の中に詰まっているし、読みたくなったらまた読もう」と思える本。
読後感:出てくる食事が美味しそう。チキンスープご飯!
島田 美里
評価:★★★★★
もう恋なんてしない!と思っている女性でも、きっとこんな関係には憧れるんじゃないだろうか。
主人公のルイは、35歳。たとえ恋人がいなくても、焦らず騒がずどっしりしたこの構えっぷりは、もはや40代である。しかし、育ての親である叔母が恋人と長旅に出てしまい、一軒家でひとりぼっちになると、さすがにガードも緩むようだ。隙のないルイのような女が、突然転がり込んできた2人の男と暮らすだなんて、火の気のないところに煙が立つくらいありえないのだけど。
タイトル通り、この物語の食卓にはスープがよく出てくる。沸騰直前に弱火にすると透明に仕上がるという鶏ガラスープのイメージが、なんとなくこの3人の男女と重なった。66歳の割にモテるトニーさんと、30歳の割に単純な康介と、ルイとの関係は、沸騰しそうでしないところがオツなのだ。家族でも恋人でもない、煮え切らない間柄だからこそ美しく澄んでいるのである。静まりかえったスープの表面のような彼らの関係だけれど、一口味わえば心をざわめかせるような風味が、わっと胸の中に広がる。きっとこれが普遍的な愛の味!なのかも?
松本 かおり
評価:★★
同居していたトバ叔母が「オトコができちゃった」宣言して意気揚揚と家を出たあと、独り残ったルイ。その家に、なりゆきと勢いで転がり込んだ男ふたり。66歳のトニーさんと30歳の康介君。かくして赤の他人の男女混合共同生活開始、となるわけだ。
しかし、女1人、男2人の組み合わせそのものは特に珍しくはない。ぎょっとするようなハプニングが起こるでもなく、さまざまなスープを作って食べて、この設定ならお約束の惚れたハレタもスパイスに少々程度。全編いたって健全、安全路線なせいか、途中で飽きた。トニーさんは、年食ってるぶんだけ過去も複雑そうな謎多き男。期待したのだが、結局は大雑把に片付けられてしまって、もったいない。
終盤も、いかにもこぎれいに優等生的にまとめようとしているようで、無理している感じ。ひと皿ひと皿は美味なスープでも、そればっかりでは食傷気味にもなるわいな。
佐久間 素子
評価:★★★★★
縁遠い35才の女性が、ひょんなことから、恋人でも友人でもない年上の男と年下の男と同居することになる。いつ昼メロになってもおかしくないベタな設定だけれど、ちょっとはずしてとぼけてみせる。女と男だから俗っぽい関係にもなってしまうけれど、女と男というだけじゃない人と人との関係だって同時になりたつものだよね。情熱的とは言い難い人々がくりひろげるソープ・オペラならぬスープ・オペラ。中身にぴったりのタイトルが秀逸だ。 阿川佐和子って、ほんとに多才だなあとうなる、読みやすく、読みやすいだけではない小説。
料理上手という著者だけあって、おいしそうな料理をおいしく食べる場面が満載。 今そばにいてくれる大好きな人と、おいしいものを一緒に食べられることの、幸せとはかなさがぎゅっとつまっている。 未来も過去も関係ないとはいいながら、ついつい多くを求めすぎてしまう弱い気もちに、目をつぶってないところも好き。何となく影響されて、鶏ガラスープなど作ってみたり。
延命 ゆり子
評価:★★★
出てくる料理が旨そう! 黄金色に輝く鶏ガラスープ、桃の冷製スープ、ジャガイモのビシソワーズ、ピリ辛スパゲティ、揚げたてのハムカツ、カラメル色に焼けた北京ダック……ジュルリ。大学の事務局に勤める薄給の主人公にしては食べる物が少しスノッブな気もするけど、美味しそうな描写のある小説はそれだけで幸せな気持ちになる。
しかし。主人公が幼すぎるのが鼻につく。初めて他人とルームシェアするウキウキ感が年齢と合っておらずなんとも気持ちが悪い。だって35歳と30歳と66歳ですよ。その三人が掛け合い漫才しながら食事当番して男たちは定職にもつかずワイワイと暮らすんですよ。責任や面倒なことを全て回避して楽しい生活だけを送りたいなんて……コドモと違いますか。キモ悪くないですか。私少し怖いですか。
料理にしても生き方にしても作者のアガワサワコが透けて見えてしまう気がして辛かった。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
主人公は35歳独身のルイ。早くに死に別れた両親の代わりに叔母のトバちゃんとずっと二人で暮らしてきたが、トバちゃんがいきなり駆け落ちまがいに恋人と旅に出てしまった。残されたルイは変わらず同じ家でひとりで過ごそうとするのだが、なぜかたいして素性を知らない二人の男が転がり込んできて……!?
なぜか同居することになってしまった……という設定はかなりありふれてるが、かなり細かいスパンで3人の距離感がコロコロ変わるので読んでいて飽きない。トバちゃんはじめまわりのキャラがコメディばりに変なキャラが多くて、ストーリーを愛らしく見せる。
そして何より話の端々に登場する、スープがたまらない。トバちゃん直伝の鶏ガラスープ!! しかもそのスープをかけたご飯めちゃめちゃ食べたい!! わたしもチキンカレーを作るときは手羽元を煮てスープをつくるけど、ここまでちゃんとそのスープ自体に向き合ったことない気がする。あぁ……今すぐにでもスープ作りたくなるなぁ。
冬場読むのにぴったりな一冊です。
細野 淳
評価:★★★
登場人物は、皆どこか抜けているけど、憎めないような人たち。主人公のルイは、突如現れた男二人と同棲しても、全然警戒しないような人だし、その同性相手の男二人も、一人は放浪癖が直らない不良老人トミーさん、もう一人も三十歳を過ぎているのにやけに子供っぽい康介。ルイを育ててくれた叔母さん、その名もトバちゃんも、還暦近くなって突如恋愛し、家を出て行ってしまう。なんか、能天気な人たちばかりで羨ましい…。類は友を呼ぶ、ということなのか。
そんな人たちをつなぐものが食べ物。読んでいて思わず食べたくなってしまったのは、トバちゃんが作る鶏ガラスープと、吾妻屋という肉屋さんのハムカツ。なんだかんだいったって、そんなどこにでもあるような味の方が、飽きが来ないものだ。登場人物の周りでは色々な事件が起こるけど、結局そんな食べ物で皆幸せな気分になれる。食べ物をおいしそうに食べることができる人に、悪い人はいない気がします。